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Saturday, March 19, 2022

10年以上愛されているメイ作『ぎゃる がん』との出会いを振り返る。モテモテになるのに遅いことなどない? - 電撃オンライン

kukuset.blogspot.com

 3月17日にインティ・クリエイツより発売されたNintendo Switch用ソフト『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』。その発売を記念して、シリーズタイトルを振り返ります。

 なお、画像は掲載当時のもの。

発売から11年を迎えたシリーズ

 どうも、『ぎゃる☆がん』シリーズを担当する電撃オンラインのkbjです。

 シリーズ2作目の『だぶるぴーす』がSwitchで発売されるということでおめでとうございます! せっかくなので、記事展開についてしげるプロデューサーに相談したところ、「電撃さんと『だぶるぴーす』の取り組みとかについて、イイ感じに振り返ってくださいよ」と雑に投げられました。

 確かに当時を振り返っていくのはおもしろいということで採用……しようと思ったのですが、そのまま使うのはダサいよう! ということで、『だぶるぴーす』を含めてシリーズ全体とのかかわりや思い出を語っていきつつ、お祝いしていくのDEATH!(くろな風)

 なお、2010年から2018年までのリリース情報や企画記事は、電撃オンライン内『ぎゃるがん』の特集ページにまとめられています。

『ぎゃるがん』特集ページ

発表時から話題騒然だった1作目『ぎゃる☆がん』。パワーアップして移植も

 2011年1月27日に1作目『ぎゃる☆がん』が発売となりました……が、その4カ月前である2010年9月14日に行われた新作発表会から、話題となっていました。

 モテモテになってしまった主人公を操作して、言い寄ってくる女の子を眼力(通称フェロモンショット)でなぎ払いながら、意中の人に告白するゲーム……「いや、それなんていうギャルゲー?」と突っ込んだことでしょう。

 会場にはゲーム媒体やアニメ媒体の記者が集まっていたのですが、予想の斜めうえをいくゲーム内容にポカーンとしていましたね。

 kbjは、しげるPから事前にゲームの企画書を見せていただき、プレゼンを受けていました。ゲーム内容がとがっていておもしろそうだし、どこが作っているのか気になっていたところ、企画書の最後に「開発:インティ・クリエイツ」と記載されていました。

 それを見て「ああ、インティさんなら大丈夫ですね」と言ったところ、しげるPから「媒体さんを回ってきて、インティさんに反応したのはkbjさんだけですね」と言われ、「むしろ、なぜ無反応なのか?」と思いました。横スクロールのアクションゲームをしっかり作れる開発会社さんが、新たなゲームを出してきたらワクワクしませんか? 自分はします!

 今でも自分の中で「プッシュしたいタイトル」という位置づけになっているのは、この時の印象が強いのかもしれません。

 東京ゲームショウでお披露目されて、ゲーム性に加えて会場で行われたブース内容からいろいろな意味で話題に。“『ぎゃる☆がん』といえば、イベント出展”という印象はこの時からありましたね。

 ちなみに筆者はブースの前を通るたびにチラッと眺めていたのですが、なぜか日を追うごとに女の子がノリノリになっていったり、水鉄砲が大きくなっていったりと、イベントとして進化していたことに驚愕しました。ビジネスデイで話題となったためか、一般公開日は多くの人が壁を作って撮影していました。

 その大きな反響を受けて、プログラムを納品するマスターアップまで2カ月を切った状況で3Dグラフィックやモーションを作り直すという、普通ではありえない選択が行われていました。インタビューでは“開発チームが一丸となって挑んだ”とカッコよく語っていましたが、現場は相当に大変だったのではないかと。いろいろなタイトルの開発秘話を聞いていますが、トップクラスだと思います。ただ、それをしたうえで発売日をずらさずにいるところが、にくいですよね。

 その後、PS3版が発売された際には新キャラが登場するモードが追加されるなど、いろいろな要素がパワーアップしていました。

 中でも驚愕だったのは、コラボ衣装が手に入るダウンロードコードを各媒体や公式サイトなどで配布したこと。コードは“早い者勝ち”になるので、「入力したけど、使われていた!」ということが当然起こるわけです。当時、しげるPに経緯を聞いた際には「普通に配布してもつまらないじゃないですか?」と言っていました。考えても行動できない選択肢を取るところに呆れ……否、関心しましたね。

 あとは、電撃オンラインで大規模なユーザーアンケートを行い、内容を開発スタッフと共有しました。こちらの結果は2作目の『だぶるぴーす』以降のDLCでかなり参考にされています。

 そういえば、どこにも言っていなかったんですが、本シリーズに搭載されている緊急回避用のシステム通称“ママキタ画面”はkbjとしげるPとの会話の中で生まれたものだったんですよね。

 先述した企画書を見た際に「これ、遊んでいるところを見られたくない人もいるので、スクリーンセイバーのような回避モードを用意したほうがいいんじゃないですか?」とふざけつつ言ったところ、しげるPがメモしつつ「本当に使うかもしれませんわ」と言っていたのです。ただ、全然連絡がなかったので、ボツになったのだろうと思っていたら突然リリースで実装されていることを知りまして! 連絡したら「ああ、このメモはkbjさんが言っていたんですね(笑)」と電話越しに言われました。おーーい!

 とはいえ、毎回おもしろいものに仕上がっているので、楽しいならOKです!

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さらなる期待から開発された『だぶるぴーす』

 2015年2月28日に東京・原宿にあったアストロホールで行われたイベント“INTI CREATES FAN FESTA 2015”にて、新作の開発が発表されました。

 本作ではゲーム内容だけでなく、下着デザインコンテストを実施したり、発売後にボートレース江戸川でイベントをやったりと、『拡散性ミリオンアーサー』とのコラボを行ったりと、ゲーム外で幅広い展開を実施していたことが印象的です。

 下着デザインコンテストは、短い期間にもかかわらず、多数の応募があり、開発スタッフと神園しのぶ役の声優・上間江望さんがデザイン選考を行いました。ユーザーのデザインした下着がゲーム内に採用されるというなかなか珍しいものです。

 ボートレース江戸川のイベントにはキャストに加えて、プロのボートレーサーが登場。ゲームを楽しんだり、クイズコーナーがあったり、レースについて語ったりと盛りだくさんでした。異業種とのコラボで、他のタイトルでもなかなか見られないものだったと感じました。

 『ミリオンアーサー』とのコラボは、企画や記事に裏でアドバイザー的に密かに参加しており、現場にも同席していました。抱き枕カバーの交換という前代未聞の展開は、今でもおもしろいです!

 その勢いは日本国内にとどまらず、海外版、PC版が発売されることで、世界中のユーザーがコンシューマ以外のハードでも遊べるようになります。世界に飛び出すきっかけになったのがこの『だぶるぴーす』なのです。

 また、電撃としてはさまざまなコスチュームを出したことも外せません。

 電撃オンラインのマスコットキャラである“電撃エレナの制服”、『電撃PlayStation』にDLコードが収録されていた衣装“ゴスネコ衣装セット”、そして“桜咲学園祭はっぴ”と“桜咲学園祭マーチング服”です。

 電撃PS、電撃オンラインが開発会社に押しかけ、衣装を作ってもらったのですが、どちらの出来もすばらしいものになっています。

 “桜咲学園祭はっぴ”と“桜咲学園祭マーチング服”は、電撃屋で発売されていた抱き枕カバーの特典として付属したもの。衣装を考える際に、1作目のアンケートを参考にしようとしたのですが、いただいた意見の多くを開発メンバーが確認し、DLCに組み込んでいたため、何もない状態で衣装を考えることに苦労しました。が、最終的にはいいモチーフを用意できたと個人的には思っています。

 今回発売となるSwitch版には、電撃衣装をすべて収録。当時手に入れられなかったという人も楽しめるものになっています。

 生放送やイベントが多かったためか、キャストさんが出てくる機会は前作以上に多かったです。

 実はタイトル公開時、キャスト陣はかなり緊張しており、ちょっと不安になったんです。ただ、イベントごとに成長していき、発売記念イベントの時には何も心配なくこなしていました。その姿を見て、しげるPとインティ・クリエイツの代表取締役社長・會津卓也さんの3人で「雛が巣から飛び立っていくのを見ているようですね」と話していました。

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説明はもうちょっとだけ続きます

 2017年8月10日には、Steam(PC)VR専用ゲーム『ぎゃる☆がんVR』が配信に。こちらは、インティ・クリエイツの創立20周年記念イベント“INTI CREATES FAN FESTA 20th Anniversary”で、お披露目されたタイトルで、VR世界にて新装備“デビルスイーパー”を使ったゲームを楽しめます。

 2017年9月には、シリーズ4作目にして初のナンバリングを冠したタイトル『ぎゃる☆がん2』が発表に。新キャラによるストーリー、時間の概念を導入したゲームシステムなど、新しい遊びが詰め込まれています。

 この『ぎゃる☆がん2』をひっさげて“東京ゲームショウ2017”に出展。ちょうど取材の合間だったのでブース取材に行ったところ、ブース内でリアルゲーム大会が行われたわけです。女の子の衣装についている“ミニくろな”をはがすという、ゲームにちなんだもので、一切不自然な要素はありません。

 コンパニオンさんが「どなたかにやってもらいます」というと、メディア陣はさっと目をそらします。もちろん自分も携帯をさわったり、カメラを見たりしていたのですが、そこそこ時間がたち、「もう諦めてスタッフを使うだろう」と思って顔を上げたら、MCさんが「はい、目があったそこのお兄さん!」と指名してきたのです。その瞬間、周りの報道陣は顔を上げてシャッターを切り始めるわけです。

 送風機と団扇を手に、必死にミニくろなを退治しましたね。

 別のメーカーのイベント取材を終えてメディアスペースに戻ると、編集やライターがニヤニヤしながら「楽しそうですね」「お疲れでした」と声をかけてくるわけですね。何を言っているのか、わからずにいると、笑顔でミニくろなを退治しているkbjの姿が動画に映っていました。

 どうやら、通りかかった別のブースのコンパニオンさんが撮影しており、それがSNSによって拡散されていたわけですね。そんなこととは露知らず、呑気な顔をしてメディアスペースに帰ってきたと。

「いや、違うんです。やりたくて参加したわけではないんです。ホントなんです! 笑顔なのは腕がキツすぎて笑ってしまったわけで……」

 次の日、偉い人からの質問にも上記のように答えました。そしてこのやりとりは別メーカーの知り合いに会った時や他媒体の人に会った時、プライベートの友だちに聞かれた時を含めて、向こう2カ月くらい繰り返されるのでした。

 これまでも行ってきた開発者インタビューですが、『ぎゃる☆がん2』では英訳版を掲載するという試しも行いました。英語が得意でない人でも、知っているゲームであれば内容がわかると思うので、勉強の意味を含めて読んでもらいたいですね(いまさら)。

 ゲーム業界の著名人によるプレイ動画という展開もありました。いろいろな反応があり、ゲームを知らない人でも楽しめると思うのですが、ゲームを作っているからこそのセリフ選びは必見です。

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ちょっとおバカな要素としっかりしたゲーム性は健在

 シリーズはその後、10周年を迎えます。それを記念して初代『ぎゃる☆がん』のリマスター『ぎゃる☆がん りたーんず』が発売され、そしていよいよ2作目の『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』が発売されるというわけです。

 せまりくる女の子を倒して、意中の女の子と結ばれるという、ちょっととがった設定がありつつ、スコアを伸ばしたり、女の子の情報を集めるやり込みがあったり、幅もあるのが『ぎゃる☆がん』シリーズ。


 見た目が特徴的なタイトルですが、いろいろなゲームを手掛けていたインティ・クリエイツ開発ということで、中身はしっかりしています。それこそ、企画書で見た時に感じた感覚は今でも変わっていないと思っています。

 シリーズ3作品がSwitchでプレイできるようになりました。まだやったことがない人も、ぜひこの機会にさわっていただきたい、頭をからっぽにして楽しんでいただきたいです。だぶるぴーすを望むkbjでした。


■『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』通常版

■『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』限定版
※限定版にはアクリルボードとシリーズ3作収納BOXが付属

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