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Wednesday, January 25, 2023

[道あり]児童書作家 原ゆたかさん<6>作家の代役「ゾロリ」誕生 - 読売新聞オンライン

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 学習用ドリルや月刊誌などの挿絵が認められ、徐々に作家の本に挿絵を描くようになると、「だんだんずうずうしくなってきた」。

 その頃、本の挿絵は文章を読みやすくする“ついで”のような存在だった。文章が先にあり、空いた所に絵を描く。作家、絵描きが別々に仕事をするのが普通だった。それでも「見開きで大きな絵があると楽しいのではないか」などとアイデアがあふれ出し、作家と一緒に物語をおもしろくしたいと考えるようになった。

 そこで、レイアウトを考え直し、「文章を削って、ここに絵を入れさせてほしい」などお願いするようになった。作家の中には怒る人もいたが、「本をおもしろくするためだ」と何度も説明に行った。

 「私が訪ねると、おもしろがって『戦いの時が来たわね』なんていう先生もいらっしゃった」

 代表作「かいけつゾロリ」シリーズが始まるきっかけとなった「ほうれんそうマン」シリーズも、新人の作家と一緒に作った作品だった。

 ところが、人気が出てきたところで作家が休養することになった。本は続巻を出さないと意外に早く店頭から姿を消してしまう。これから、という時だったので、出版社から「ほうれんそうマンの悪役のゾロリで話を書いてみては」と提案された。それがロングセラーの始まりで、絵描きから児童書作家になった瞬間だった。

 児童書作家として物語も書くことになったものの、目の前の真っ白な原稿用紙を見て困り果てた。全く書けなかったのだ。

 「作家の先生の話の土台があるから、色々とアイデアが出てきたというのがよくわかった」

 ひねり出したアイデアは、今まで見てきた映画や本からヒントを得たものだ。危険なシーンにハラハラ、ドキドキした映画「インディ・ジョーンズ」シリーズ(1981年~)のような話を書いてみようと思った。それが第1巻「かいけつゾロリのドラゴンたいじ」だった。

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