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Thursday, March 31, 2022

「ものまねが本物を復活させるって、何なんだよ(笑)」評論家・中野剛志と作家・適菜収が語る、ものまね界の“人間国宝”コロッケの凄さ - 文春オンライン

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 現在の日本社会は、新型コロナという未知のウイルスだけでなく、デマや歪んだ思想も蔓延している。国民がデマや歪んだ思想に惑わされないためには、良質な思想に触れて“免疫力”を高める必要があるのだ。

 ここでは、評論家・中野剛志氏と作家・適菜収氏の共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』(ベストセラーズ)から一部を抜粋。「ものまね」と「笑い」ついて語る中野氏と適菜氏の対談を紹介する。(全2回の2回目/前編を読む

◆◆◆

コロッケが偉大な理由

適菜 文体も模写により学ぶものです。歌もそうです。音符が最初にあったわけではなくて、歌は模写で始まっている。言葉も同じです。だから、すべての基本は「ものまね」なんですね。以前、中野さんにお話ししたかもしれませんが、君島遼(1991-)が小林幸子(1953-)のものまねをするじゃないですか。

中野 うん。恐るべきものまねですよね。

適菜 テレビのものまね番組で、ものまねの最中に、本人が後ろから出てくるのは、お決まりの演出ですが、小林幸子本人より君島遼のほうが似ている。どうしてそういう現象が発生するかというと、小林幸子の構造の部分を捉えているからですよね。

 われわれが小林幸子を見て、小林幸子と認識できるのは、別に細かいところを見てそれを足し算して答えを導き出しているのではなくて、これまでの話で言えば、暗黙知が作用しているわけです。

 達人はそれを見抜くから、本人以上に本人ができてしまう。小林幸子本人にはわれわれが小林幸子だと認知している以外のものがたくさん付随しているわけだから。

 コロッケ(1960-)もそれほど歌はうまくないのに、すごく似ているという現象が発生しますよね。対象の骨格を見ているからです。

中野 私も同じことを考えているのですが、小林幸子でも五木ひろし(1948-)でもいいけれど、われわれはテレビや劇場とかで見ても、実は正確に認識していなくて、いくつかの特徴を象徴的に掴んで「小林幸子」「五木ひろし」と無意識に認識しているわけです。

中野剛志氏 ©文藝春秋

 だから小林幸子を「絵に描いてください」と言われたら、もちろん普通は絵に描けないんだけど、仮に自分の頭にいる小林幸子を絵に描いたら、君島遼のまねとそっくりになるかもしれない。

 だから、無意識に認識しているものを表に出されると、笑ってしまう。特にコロッケは、全然似てないものを似てるような気にさせるので、そんな気になった自分がおかしいって笑う。笑うだけでなく、それをやってみせたコロッケにひそかに敬意を抱きますね。

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ウィル・スミス騒動に学ぶジョークの流儀、日本のビジネスマンに最適なあんばいは? - ダイヤモンド・オンライン

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ウィル・スミス騒動に学ぶジョークの流儀、日本のビジネスマンに最適なあんばいは?Photo:Myung Chun/gettyimages

ウィル・スミスのビンタ騒動を
人ごとと思ってはいけない

「やっちまったぁ」と、両者ともに思っているのではないでしょうか。ハリウッド映画界の最高峰の祭典であるアカデミー賞の授賞式で、プレゼンターのクリス・ロックが自分の妻を侮辱するジョークを口にしたことに激怒して、俳優のウィル・スミスがステージ上でクリス・ロックに平手打ちをかましたのです。

 ウィル・スミスの奥さまは女優で、頭髪の病気を気にしていました。その髪形をからかわれてパーティー会場内でうつむいてしまった。それを見たウィル・スミスは、黙ってはいられなかったのでしょう。暴力を振るったことをウィル・スミスは反省しています。そして言葉の暴力を振るったことでクリス・ロックにも批判が集まっています。

 このニュースを見て、「明日は我が身だ」と感じた方はどれくらいいらっしゃったでしょうか?

 自分がクリス・ロックのようにジョークで誰かを傷つけて、職場で謝罪に追い込まれる日がやってくる。そのときの罪状が言葉の暴力ぐらいで済めばまだいいですが、パワハラや場合によってはセクハラとして、常務が主宰する社内査問委員会の前で釈明に追い込まれる日が来るかもしれません。

 日本人ビジネスマンのジョークの流儀は、これからはどうあるべきなのでしょうか。この記事ではそれを考えてみたいと思います。

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(株)ビークルは「おぼえている手帳」の普及を通じて、1人でも多くの認知症の高齢者に記憶を持ってもらえるようにします。 - PR TIMES

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当社は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。このプレスリリースは「株式会社ビークル」の夢です。


認知症とは
 認知症は、主に海馬の萎縮などによって記憶の保持が困難になる症状です。
現時点では、決定的な治療手段はないとされています。また厚生労働省の推定によれば、2025年にはその人数は750万人になると言われています。
高齢化社会である現在の日本において、認知症は誰もがいろいろな形で関わらざるを得ない症状と言えます。

認知症の人でも記憶が持て生の実感が持てる「おぼえている手帳」
 「おぼえている手帳」は、認知症の高齢者ご本人の残っている能力と、ご家族や介護する方の力を合わせる記録ノートです。記録の蓄積と再生によって、記憶の代わりを作ります。そのことでこの問題に対応。一人でも多くの認知症の高齢者の方に記憶を持ってもらおうと考えています。
 認知症の人のすべてがいっぺんにいろいろなことができなくなるわけではありません。ご自身で文字を書くこともでき、ノートのページをめくることも、そこに書いてあることや挟まれた写真を見ることができる方がたくさんいらっしゃいます。また、ご家族の方や介護する方にも力を貸していただきます。具体的にはご本人の写真を撮ってプリント。「おぼえている手帳」のポケットに保存してもらいます。
 「二人三脚の記憶帳」、それが「おぼえている手帳」です。

おぼえている手帳の特徴

 「おぼえている手帳」は、記憶の保持が難しい認知症の高齢者の方でも記憶を持っていただけるようにと開発したノートです。その特長は以下の5点です。
その1:右開きの表紙
 現在80歳以上の高齢の方が学生の時に使われていたのは、右開きのノートです。おぼえている手帳は、これに合わせて右開きの表紙にしました。これで、迷うことなく開くことが出来ます。
その2:右ページは記入欄、左ページは写真用ポケット
 右ページには日付と出来事、左ページにはその出来事の写真を入れます。自分が写った写真があることで、認知症の方でも自分の出来事だと認識できます。
その3:ドット方眼
 本文罫のタイプとして、文字もイラストも記入しやすいドット方眼を採用しています
その4:リング綴じ
 写真を入れても本体の膨らみに響かないようにリング綴じになっています。
その5:ぺーじをめくれる冊子の構造
 ページをめくることで時間の流れが体感できるようになっています。書いているときの手前のページは近い過去、奥のページはより遠い過去であることがページをめくることで実感できます。これはタブレットやスマートフォンなどの液晶ディスプレイのデジタル機器にはない大きな特徴です。

利用イメージ。利用イメージ。

実際の利用例(記入部分は再現のために貼り付けてあります)実際の利用例(記入部分は再現のために貼り付けてあります)

バリエーションが増えました
 昨年4月の発売以来、本体のバリエーションが以下のように増えました。
また、マニュアルのみ、利用見本を見ていただけるサービスなどもあります。

  1. 標準セット:本体、説明書、アンケートハガキなどのセットです。
  2. 説明書レス版:説明書をPDFでお送りする代わり本体価格をおさえた製品です。
  3. 利用見本を見ていただけるサービス:利用見本をスマートレターでお送りするサービスです。実際の利用例を見ていただくことで、購入前に使ったときの実感を得ていただけるようにと考えて作ったサービスです。


 

新サービス「利用見本を見ていただけるサービス」。スマートレターで利用見本を送付。実際の利用例を見ていただけます。新サービス「利用見本を見ていただけるサービス」。スマートレターで利用見本を送付。実際の利用例を見ていただけます。


詳しくは、「おぼえている手帳のオンラインショップ」BASEをご覧ください。
https://oboeteiru.thebase.in/

医師の推薦
 
以下のWebページをご覧ください。

https://oboeteiru.com/2020/09/06/%e6%8e%a8%e8%96%a6%e3%81%ae%e3%81%93%e3%81%a8%e3%81%b0%e3%80%80%e3%81%8a%e3%81%bc%e3%81%88%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e6%89%8b%e5%b8%b3%e3%82%92%e6%8e%a8%e8%96%a6%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%99/

専門家の見解・テスト事例でのご感想など
 
以下のWebページをご覧ください。

https://oboeteiru.com/2021/05/23/%e8%aa%8d%e7%9f%a5%e7%97%87%e3%81%ae%e4%ba%ba%e3%81%a7%e3%82%82%e8%a8%98%e6%86%b6%e3%82%92%e4%bf%9d%e3%81%a4%e3%81%93%e3%81%a8%e3%81%8c%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%e6%96%b9%e6%b3%95%e3%81%8c%e3%81%82/

おぼえている手帳が実現するビジョン
認知症の高齢者の方々に、記録として、記憶を持っていただき、そのことで生きている実感をあらためて感じていただくことです。また、それを見たご家族が安心し、家族みんなが笑顔になることです。認知症や高齢者の問題はこれだけではなく、万能のツールではありません。ですが、記憶に関することを記録としてサポートすることで高齢者ご本人とご家族との関係がよくなると考えています。

イメージキャラクターのタツノオトシゴ。記憶を司る脳の部位である海馬をイメージしています。背びれの三角形は鉛筆がモチーフです。イメージキャラクターのタツノオトシゴ。記憶を司る脳の部位である海馬をイメージしています。背びれの三角形は鉛筆がモチーフです。

発案者について

 「おぼえている手帳」の発案者は、デジアナリスト・手帳評論家の舘神龍彦(たてがみたつひこ)です。手帳やノート、パソコン、スマートフォンなどの各種情報ツール、デジタル機器の特徴や使い方に精通した専門家です。手帳、パソコンなどに関する著書も多数あります。また、TBSテレビ「マツコの知らない世界」をはじめとする各種メディアへの出演歴も多数あります。

 家族が認知症となったことをきっかけに、認知症の人でも記憶を持つ方法を模索して生み出したのがこの「おぼえている手帳」です。日本人の高い識字率や、高齢者本人の残っている能力、ノートの冊子としての構造、スマートフォンやデジタルカメラの普及などの前提を元に、高齢者本人が周りの助けを得て、無理なく使える道具として発案しました。

 すでに、次のバージョンも開発予定です。

5月にセミナー開催します

5月15日(日)13時半~ フジサワ名店ビル(※)中2階Cホールで、「おぼえている手帳」についてお話しさせていただきます。
(※JR東海道線 藤沢駅下車徒歩1分)
詳しくはお問い合わせください。

インターネット上の情報
「おぼえている手帳のホームページ」https://oboeteiru.com/
「オンラインショップBASE」https://oboeteiru.thebase.in/

「April Dream」は、4月1日に企業がやがて叶えたい夢を発信する、PR TIMESによるプロジェクトです。私たちはこの夢の実現を本気で目指しています。

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Wednesday, March 30, 2022

将棋駒でウクライナ支援 山形県天童市 [ウクライナ情勢] - 朝日新聞デジタル

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 将棋駒の名産地として知られる山形県天童市の天童商工会議所は、ウクライナの国旗や国花をあしらった飾り用の「根付(ねつけ)駒」を開発した。ロシアによる軍事侵攻で多くの国民が避難を余儀なくされた同国支援のためだ。現地の様子に心動かされた職人たちも協力した。

 根付駒は縦3センチ、最大幅2・6センチ、厚さは最大7ミリ。高級駒に使われる黄楊(つげ)材だ。スマートフォンやバッグの飾りになるようにストラップが付く。

 表面はウクライナ国旗の青と黄の2色が塗られ、「馬」の字を反転させた天童独自の縁起駒「左馬」と、ウクライナの国花のヒマワリと「平和」の文字が刻まれたデザインの2タイプがある。

 「戦いをゲームに転化した将棋によって平和の願いを発信したい」

 同商議所の賑(にぎ)わい創出プロジェクト委員会でコーディネーターを務める松田道雄・尚絅(しょうけい)学院大教授(61)は、そう話す。

 「将棋の聖地」をめざす同商議所はこれまで、「コマノミクス」と銘打った事業で、通常の将棋より少ないマス目で対局できる「66(ろくろく)将棋」や駒の形の器に盛られた「将棋ざるそば」などを開発してきた。

 ロシアがウクライナに軍事侵攻をした直後、松田教授が新たなコマノミクスの事業として根付駒による戦災地の支援を提案。将棋駒を作る天童市内の二つの事業所に制作を依頼した。

 そのうちの一つ、将棋駒専門店「ホリコシ」の社長、後藤毅さん(45)は侵攻が始まった日、職場で従業員からツイッターを見せられた。ウクライナの将棋道場で現地の愛好家が自社製の駒を使い、将棋に情熱を傾ける様子が日本語でつづられていた。

 「それを見て感動しました。ウクライナの人たちを支援したいと考え始めたころに根付駒の依頼が舞い込み、うれしかった」

 根付駒は市内の道の駅天童温泉で展示。両事業所が5月末まで受注販売する。1個1100円(税込み)。収益の一部(1個あたり200円)を国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じてウクライナ側に寄付する。

 「『戦う』や『攻める』といった行為と言葉を人間の文化として作り上げた将棋で、世界に反戦と平和を訴えたい」

 松田教授らの思いだ。(辻岡大助)

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吉本新喜劇若手公演、こけら落としネタバトル審査員に浜村淳が実現 間寛平GM「鶴瓶には断られた」|秋田魁新報電子版 - 秋田魁新報電子版

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※写真クリックで拡大表示します

『第二回 吉本新喜劇GM月例会見』に出席した(左から)佐藤太一郎、すっちー、間寛平、諸見里大介 (C)ORICON NewS inc.
『第二回 吉本新喜劇GM月例会見』に出席した(左から)佐藤太一郎、すっちー、間寛平、諸見里大介 (C)ORICON NewS inc.

 吉本新喜劇GM(ゼネラルマネージャー)の間寛平(72)が30日、大阪市内の吉本興業本社で『第二回 吉本新喜劇GM月例会見』を行い、4月8日に立ち上げる若手公演「吉本新喜劇セカンドシアター」のこけら落とし公演のネタバトル審査員として、大阪芸能界の重鎮・浜村淳(87)が決まったことを報告した。

【集合ショット】ガッツポーズを見せた間寛平、すっちーら

 寛平の肝いりで吉本新喜劇の若手を売り出す「吉本新喜劇セカンドシアター」は、なんばグランド花月(NGK)地下の「YES THEATER」で4月8日にスタートし、以降隔週金・土・日曜に開催していく。同9日・10日の夜公演ではオープン記念公演として、ピンネタ・漫才・コントなんでもありの「寛平GM杯争奪 ネタバトル」を開催し、この審査員を浜村淳が務める。また、村上ショージも審査員で登場することが決まった。

 先月28日の「第一回 GM定例会議」で、寛平が同ネタバトルの審査員候補として、明石家さんま(66)、桂文枝(78)、さらに「映画にも詳しい浜村淳さん」と冗談めかしていた。この日、寛平は「(マスコミが記事に)それを書いていただいて、それを見て、浜村淳さんが来てくれることになりました。それも2日間来てくれるんです。僕、冗談で言ったんですよ。それを皆さんが書いてくれ…」と報道陣に感謝した。

 さらに、審査員として「中川家、テンダラー、コロチキ(コロコロチキチキペッパーズ)、あの辺にも頼んで、皆が協力してくれる」と報告。続けて「(笑福亭)鶴瓶にも言うたんですけど、鶴瓶には断られました。『審査員をやったことがない』と」と苦笑い。

 また、若手座員全員と面談したという寛平は「一人ひとりに何がしたいか聞いて、見つけました。コイツはいけるっていうのを見つけました!」と、松本慎一郎(40)の名を挙げ、「芸歴20年、1回もウケたことがなくて、スベッてばっかりやねんて。すごない? この子いけるんちゃうかな」とニヤリ。この日司会を務めたすっちー(50)にその真意を問われると、寛平は負けっぱなしで人気だった競走馬「ハルウララ」と表現し、「いつ勝てるんやろ? 今度はウケるやろうと見にいって、またスベる」と笑わせた。

 この日はほかに、「吉本新喜劇セカンドシアター」こけら落とし公演のメインキャストを務める諸見里大介(39)、寛平期待の座員として佐藤太一郎(44)が出席した。

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Tuesday, March 29, 2022

「GREEN SPOON」のスムージーや野菜スープ、ホットサラダが試せる宿泊プラン&ルームサービスが「HOTEL GRAPHY 根津」で2022年4月1日(金)新登場! - PR TIMES

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「GREEN SPOON」は、ひとりひとりのカラダや生活に必要な栄養素を、200種類以上の野菜を中心にした食材から美味しい1食をお客様に提供しています。加熱滅菌で大切な栄養素を損なわないよう食材をカット、ひとつひとつを瞬間冷凍し、出来上がった商品ではなく食材をお届けします。今回ホテルでお試しいただけるメニューは、スムージー2種・野菜スープ2種・ホットサラダ1種の中から、その日の気分に合わせてお選びいただけます。  

「HOTEL GRAPHY根津」ではゲストが自由に利用できる共用ラウンジやダイニング、キッチンが備えられているので、キッチンで「GREEN SPOON」を調理してラウンジやダイニングでゲスト同士の交流を楽しんだり、新しく出来たシアタールームではプロジェクターでヨガやトレーニングも一緒にお楽しみいただくなどお食事と合わせた置き換えダイエットにもおすすめです。さらに提供時間は8:00~22:00までの間で好きな時間に食べられるので、ホテルで自分のスタイルに合ったホカンスを満喫できます。旅先や出張先でも栄養を考えた食事を意識したい、サクッと手軽に美味しいものを食べたい、新しい健康習慣を試してみたいという方は、通常オンライン販売が中心の「GREEN SPOON」を手軽にお試しいただけるこの機会にぜひお試しください。

<GREEN SPOON 付き宿泊プラン概要>
【販売期間】2022年4月1日(金)〜
【内容】
①宿泊プランGREEN SPOONのスムージー・野菜スープ・サラダが選べる食事がついた宿泊プラン
②ルームサービス:チェックイン後、お手持ちのスマートホンから注文。提供時間は8:00~22:00
【利用料金】1泊1室 5,500 円〜(税込)
予約URL : 【SNSで話題】GREEN SPOONのスムージー・スープ・サラダが選べる食事付きプラン
https://bit.ly/3qoBzPM
※ルームサービスの場合は上記対象プランの予約不要、通常の宿泊予約のみお取りください。

【提供商品】
<スムージー2種>Sing Girl:アサイーボウルを詰め合わせた朝にぴったりなスムージー/Sun Skip:柑橘フルーツをつめ合わせた爽やかビタミンスムージー
<スープ2種>Minesu&Rone:濃厚トマトと野菜がおいしい特製ミネストローネ/Chaw Chaw time:グラスフェッドバターとたっぷり野菜のミルクチャウダー
<ホットサラダ1種>Ciao!:なすとトマトのバジルチーズサラダ

■GREEN SPOON について
あなたの野菜が、いつもすぐそこに。
200 種類以上の野菜を中心とした食材から組み合わせ、野菜とフルーツを手軽にとれるスムージーやゴロゴロ食材の具だくさん野菜スープ、1/2 日分の野菜が詰まったホットサラダとして、冷凍でお届けしています。管理栄養士監修のもと作ったオリジナルレシピで、化学調味料、保存料、合成着色料、合成甘味料、香料を一切使用せず、野菜がもつ本来の甘さ、美味しさを生かして自然な味に仕上げています。 あなたの健康な毎日が、どこまでも簡単に。なにより楽しく。いつまでも続いていきますように。
WEB : https://green-spoon.jp/
Instagram : https://www.instagram.com/greenspoonjp/

(画像・HOTEL GRAPHY根津 客室)

■HOTEL GRAPHY 根津について
HOTEL GRAPHY は、東京都の歴史的中心部であり下町情緒あふれる谷根千の一角に位置し、2013年2月のオープン以来、様々なイベントやワークショップを仕掛け世界中から訪れる旅行客だけでなく地域に暮らすローカルの人々が集まり “交流できるライフスタイルホテル”として親しまれてきました。開業当初、隣人交流型マンション「ソーシャルアパートメント」が併設していたことにより、ホテルでありながらゲストが自由に利用できる共用ラウンジやダイニング、キッチンが備えられており、非日常で過ごす日常、自分らしい滞在を提供しています。ホテルゲストとローカルをゆるくつなぐカフェ&バー、ヨガや展示会など多目的に利用できる畳の敷かれたスタジオは、幅広い世代の利用者に親しまれています。

施設名 HOTEL GRAPHY根津(ホテルグラフィー根津) https://www.hotel-graphy.com/
所在地 〒110-0008 東京都台東区池之端4-5-10
アクセス 千代田線「根津」駅より徒歩3分
Web:https://www.hotel-graphy.com/
Instagram:https://www.instagram.com/hotelgraphy_nezu/

■新型コロナウイルスに関する感染対策について
グローバルエージェンツでは、Withコロナ環境下における対策を「感染予防」だけでなく、保健所と連携して通知する「トレーサビリティ」を講じ、「感染防止対策」と「トレーサビリティ」を軸に対策を行っております。
詳細はこちら:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000107.000007264.html

■株式会社グローバルエージェンツについて
会社名         株式会社グローバルエージェンツ(http://global-agents.co.jp
代表取締役      山﨑 剛
本社所在地      〒150-0041 東京都渋谷区神南1-20-13

■グローバルエージェンツが手がけるライフスタイル事業
LIVE:ソーシャルアパートメント51棟約3,063室を運営  https://www.social-apartment.com/
STAY:ライフスタイルホテル11棟約1,200室を運営。 LIVELY HOTELS https://livelyhotels.com/
WORK:ホテル一体型ワークプレイス「.andwork」を運営  https://www.xandwork.com/
DINE:ソーシャルアパートメント・ホテル併設の飲食施設として12店舗を運営
WASH:ソーシャルランドリー「Sooo LIQUID」を運営
LEARN:弊社サービスの入居者や利用者に対して様々な成長や発見の機会を提供

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“ゴールデン覇王”目指すオードリー、結成22年も今が過渡期「不器用だけど、少しずつ歩みを進めている」:中日新聞Web - 中日新聞

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30日深夜放送『じゃないとオードリー』に出演するオードリー(左から)若林正恭、春日俊彰、佐久間宣行(C)テレビ東京

30日深夜放送『じゃないとオードリー』に出演するオードリー(左から)若林正恭、春日俊彰、佐久間宣行(C)テレビ東京

 『あちこちオードリー』(テレビ東京)でタッグを組む、お笑いコンビ・オードリーと佐久間宣行プロデューサーの新たな特番『じゃないとオードリー』(テレビ東京)が、30日深夜0時半に放送される。同番組では、誰からも「オードリーじゃないと…」と言われるような存在になるべく、“これまで見たことのないオードリー”を披露する。ORICON NEWSでは、収録直後の3人にインタビューを実施。「今がオードリーの過渡期」だという佐久間Pが「修行企画」として立ち上げた同番組で、2人はどう変わったのか。収録直後の心境や、変わることを決意したオードリーの率直な思いを聞いた。

■オードリーの生まれ変わりには成功も、別番組へ募る不安「通常業務が逆に心配」

――『じゃないとオードリー』は、“オードリーが生まれ変わるための特番”ということで、お2人にとって、心身ともに負担が大きい企画内容だとお聞きしましたが、収録を終えた直後の感想をお聞かせください。

【若林正恭】想定以上にタフな収録だったんですけど、生まれ変わるというコンセプトに関しては成功したと思います。ただやりすぎてこれからの通常業務が逆に心配ですね。【春日俊彰】確かに新しいフォームを手に入れた感じはありますが、もともとのフォームが崩れてしまいそうな…。

――どんな新フォームなんでしょうか。

【春日】詳しくは番組を見てほしいんですが、ゲストからの指示をもらって、そのとおりに動いたんですけど、やってるうちに楽しくなってきて、感覚が冴えてくる感じがありました。精神面が特に鍛えられたと思うんですが、このまま別の番組に行ったらどうなるんだろうという感じです(笑)。

――それは大変気になりますね…。佐久間さんは、今回の特番をどういった意図で企画されたのでしょうか。

【佐久間】『あちこちオードリー』をやっていて、2人のコンビネーションがもう1段上に行きそうな感じがあり、とにかくオードリーと新しいお笑い番組をやりたかったんです。やるんだったらどんなコンセプトがいいだろうと思ったとき、『あちこち』の年末特番を経て、これからよりゴールデンのお笑い番組とか、冠番組で好きなことをできる存在になるっていうのを考えたときに、『じゃないとオードリー』っていうワードが思いついて、タイトルからいろいろ企画を詰めて行きました。

――佐久間さん的に想定通りの収録になりましたか?

【佐久間】それはね、見ていただければわかると思うんですけど、まあ控えめに言ってめちゃくちゃ面白いんじゃないですかね(笑)。

■若林でもハードすぎた“モンスター春日”が誕生「もう一個上のオードリーが見れた

――収録では、これまでと全く違うお2人が見られそうですが、それぞれ「相方のこんな新しい一面が見られた」という場面はありましたか。

【若林】いい意味でも悪い意味でも、春日っていいやつなので、場の空気を読める男だとは思うんですが、それをぶち壊さざるを得ない状況になっていたので、殻を破れたんじゃないかと思います。でも、殻を破って出てきた春日がモンスター過ぎて、ちょっと俺が扱うにはハード過ぎました。

【春日】インパルスの板倉俊之さんや、さらば青春の光、モグライダーが来てくれて指示を出してくれていて、うまくやれたのと、指示通りできなかったものとありましたが、若林くんが全部成立させてくれたので、私はもっともっと甘えていいんだなと思いましたね(笑)。

【若林】久しぶりにワードノート(言葉を書き溜めるノート)を買って、また1からツッコミを勉強しないといけないなと思いました(苦笑)。

――生まれ変わってますね(笑)。先程、他の番組に行ったら通常運転できるかわからないという話もされていましたが、今回の特番を経て、他の番組で生かせそうな部分はありそうですか?

【若林】一つ、どの番組でも対応できるような、春日の新しいギャグが生まれました。小道具が必要なんですけど、水曜日のお昼の番組しかり、いろんな番組で披露できると思うので楽しみにしておいてほしいなと思います。とりあえず、このあと東急ハンズ行こうと思います。

【春日】あれはぜひ、他のところでも試してみたいですね。そそられるっていうか。

――これまでは小道具を使わないギャグだけでしたが…。

【春日】そこからまた新しい扉が開きました。もしかしたら味をしめて、何年後かにはいろんな小道具でポケットパンパンにしながらテレビに出てるかもしれない(笑)

――これまで“変化”の部分を聞いてきましたが、佐久間さんが考える「オードリーじゃないと」という、2人の魅力はどこだと思いますか。

【佐久間】オードリーの魅力は、ラジオをずっと続けて、いろんなことを話して来たこととで、M-1の敗者復活からのドラマだったり、それぞれの苦悩だったりという“ドキュメント性”が、面白さにつながっているところだと思うんです。でも、最近2人ともいろんなところでパワーアップした結果、“もう一個上のオードリー”に行くのが見られそうで。できればディレクターとしてそれを見たいじゃないですか。だからこの番組を立ち上げたというのもあったので、今回の特番でそれが見られてうれしいですね。

■佐久間氏とオードリーは共に成長する関係性「“ゴールデン覇王”への道中が詰まった番組に」

――佐久間さんはオードリーのお2人とは、10年以上の付き合いがありますが、成長した2人を見ていかがですか。

【佐久間】僕は面白くなった芸人を見ると、また新しい企画を思いつくんです。それで「今度はこんなことをお願いしたらどうなるんだろう」と番組を作って、ディレクターと芸人は一緒に成長していく。だからこれからも面白くなっていくオードリーには、また新しい無茶な企画を思いつくと思うので、2人ともよろしくお願いします(笑)。

【若林】うれしいですね。今回の企画も、オードリーに興味と愛がないとできない企画だと思うんですよ。だからほんとに俺らのこと好きだな~と思いますね(笑)。

【春日】興味と愛を持ってくれてる期間が長いですよね、佐久間さんは(笑)。『あちこち』でも話しましたけど、M-1で決勝行く前の、ネタ番組以外でバラエティー出たことないくらいのレベルのときに『ゴッドタン』のキモンスターに呼んでくれて。そこからの付き合いなので非常にありがたいですね。

【佐久間】いやでも、ディレクターと出演者って、感謝っていう関係じゃないと思うんですよね、こっちもお世話になってるから。それでも、調子乗ったこと言いたくないんですけど、そろそろ俺の見る目は正しいって言ってもいいんじゃないかと思いますね(笑)。

【オードリー】いいでしょう!(笑)

――佐久間さんはオードリーを“発掘”しただけじゃなく、『あちこちオードリー』で若林さんが掲げていた「ゴールデン覇王」への道を一緒に駆け上がっているということですね。

【若林】「ゴールデン覇王」に、なる、ならないは置いておいて、そこに向かっていく“道中”や“過程”みたいなものが詰まった番組が、今日生まれたと思ってます。とにかく、そこに向かっては、不器用だけど、少しずつ歩みを進めているというところを見てほしいです。あと、「結婚して、子どもができて面白くなくなった」って言ってるやつに、「見てろよ」って思います(笑)。

【春日】今日の収録でなんとなくですけど、「こういうやつになれたら最強だな」と思えました。いわゆる「春日だからしょうがない」みたいな感じになったら、もう何やっても大丈夫。くだらないこととか、だじゃれとかでも「春日だから」と許されるところまでいったら無敵だと思いますね。

――『じゃないとオードリー』が続けば、「ゴールデン覇王」へ着実に近づきそうですね。

【佐久間】そうですね、個人的にめちゃくちゃ良いタイトルの番組が思いついたと思うので、良いタイトルの番組は続けたいというか、続く気がします。今回の特番はそのまず第一歩。オードリーが無茶振りに応えて、どんどん変わっていく果てに、ドッキリというか、番組の仕掛けがあるんですが、最終的に鳥肌が立つくらい面白くなったので、1時間の“物語”として最後まで見ていただいきたいなと思います。

■番組タイトル
『じゃないとオードリー』

■放送日時
3月30日(水)深夜0:30~深夜1:30

オードリーが、誰からも「オードリーじゃないと…」と言われるような存在になるべく、さまざまな修行をする。大喜利あり、ドッキリあり、色々な要素が詰まったお笑い番組。

■番組内容
オードリーが「企画主導ゴールデンMC男」だけでなく、「その男ありきゴールデン男」になるべく挑む修行企画。誰からも「オードリーじゃないと…」と言われるような存在にな
るべく奮闘する。

■出演者
【MC】
オードリー(若林正恭、春日俊彰)
【オードリーをなんとかし隊】
インパルス・板倉俊之
さらば青春の光(森田哲矢、東ブクロ)
モグライダー(芝大輔、ともしげ)
【ゲスト】
伊原六花
貴島明日香

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【深層心理の謎】なぜ人間は〝人目〟を気にするのか?|@DIME アットダイム - @DIME

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“眼力”というのか“目ヂカラ”と言えばよいのか、近くで見れば「ヘビににらまれたカエル」のような気分にならないこともない。ちょうど目の前に現れた防犯ステッカーの鋭い視線を少しの間、一身に浴びるはめになった――。

交差点の信号待ちで「ヘビににらまれたカエル」になる

 正午過ぎに練馬区某所にある仕事関係者の事務所を訪れた後、帰路に乗った西武新宿線を新井薬師前駅で降りた。穏やかに晴れた午後、この後は急ぎの用件もないし、少し街歩きを楽しんでからどこかで何か食べてもいいのだろう。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 駅前を歩きながら、ジャケットの胸ポケットに収めてあった交通系ICカードを財布に仕舞うことにした。内ポケットから二つ折りの財布を取り出して開くと、何かの紙片が出てきて不規則に宙を舞いながら足元に落ちる。

 仕方なく腰を屈めて拾うと小さいサイズの防犯ステッカーだった。拾い上げてステッカーを確認すると、その鋭い眼光ににらまれる。先日入った立ち飲みの店で、隣り合わせた人と少し立ち話になり、その人がどういうわけかこのステッカーをくれたのだ。その人は某区で防犯パトロールの仕事をしているのだと話していたことを思い出す。

 駅の南口を右に進み、古本屋の軒先で少し歩みを緩めつつも駅前通りに向かう。しばらく手に持っていた防犯ステッカーを財布のスリットに収め、続いて胸ポケットのICカードもフォルダーに差してから財布自体をジャケットの内ポケットに仕舞った。

 東京に住んでいたり働いている者なら何度も見ているであろうこの防犯ステッカーは、歌舞伎役者風のギョロっとしたインパクトのある目元が特徴で、一度見たら忘れられない絵柄である。街を歩いていても建物に貼ってあったり、車のボディに貼られていたりするのをけっこう見かける。

 駅前通りを右へ行けば踏切りを渡ることになるが、とりあえず左に進むことにする。ほぼ地元の人々しか利用しないであろう住宅地を貫く商店街が延びている。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 少し歩くとすぐに交差点がある。歩道の上ですでに信号待ちをしている自転車があり、あまり近づかない距離で立ち止まった。

 信号を待っている間、車道に宅配便の軽ワゴン車がやって来て停止線で止まった。自分のすぐ目の前にはワゴン車のバックドアがあるのだが、奇遇にもそこには今財布に仕舞ってあるものと同じ防犯ステッカーが貼られていた。車用なのかステッカーのサイズが大きいこともありそのビジュアルはなかなか強烈だ。

「犯罪を見逃さない!」というフレーズと共に、例によって歌舞伎役者の眼光鋭い眼差しがこちらをにらみつけていた。今の自分はもはや「ヘビににらまれたカエル」である。

 もちろん気にしないでいればどうということもないのだが、さっきもこのステッカーににらまれたばかりということもあり、真っすぐこちらを見つめるその視線を完全に無視することはできそうもなかった。信号が変わるまでの間のちょっと気の抜けない体験ということになるだろうか。

我々が“人目”を気にするのはなぜか?

 信号が青になり、防犯ステッカーが貼られたワゴン車が走り出し前方へと去っていく。当然だがステッカーの眼光がいくら鋭くとも、もはや我が身には届いてこない。

 印刷物や映像の人物の視線は現実の状況とは異なり、いわゆる“カメラ目線”になっているとそれを見た者は、どの角度から眺めても自分が見られていると認識するものだ。先ほどの車のバックドアに貼られていた防犯ステッカーも、自分は斜め後方から見ていたのにその視線は自分に浴びせられていた。そしてもちろん、受け手側としては自分に向けらている視線のほうが、あらぬ方向を見ている視線よりも強い印象を受けるだろう。

 それだけに我々は他者の視線が向かっている方向を、敏感に察知しているということになるのだが、そこで重要な役割を果たしているのが眼球の“白目”の部分である。最新の研究では我々は円滑なコミュニケーションのために眼球の白目からもたらされる情報を大いに活用していることが示されていて興味深い。


 私たちの目の白目(強膜)の重要性は何ですか? 研究者が以前から興味を持っていた質問です。最近、比較心理学者の狩野文浩博士が率いる研究チームが謎を解明することに成功しました。白目はその基本的な色の特性を通じて視線の方向の可視性に決定的に貢献しています。

 私たちが他の人と話すとき私たちは通常、お互いにアイコンタクトを維持します。私たちは誰が誰を見ているのか、そしてその人が「目の言語」を使ってどのような無言のメッセージを表示しているのか、またはどのオブジェクトを見ているのかを正確に知っています。これを伝えることで、人は相手の視線の方向をすばやく明確に特定できるようになります。

「これは(この機能は)白目が形成されたためです。人間は、同種のコミュニケーションのためにこの際立った目の特徴を進化させたのかもしれません。そうすることで、人間はおそらく彼らの特徴的な社会的活動に不可欠なユニークなコミュニケーションスタイルを進化させてきました」

※「University of Konstanz」より引用


 独・コンスタンツ大学と京都大学の研究チームが2022年3月に「eLife」で発表した研究では、人間とチンパンジーが参加した実験で、我々は相手の眼球の白目(強膜、sclera)の状態を敏速かつ正確に把握していることが示されている。我々の眼球の白目は相手に視線の向かう先をわかりやすく伝える役目をはたしているというのである。

 人間とチンパンジーが参加した実験では、人間とチンパンジーの顔の画像の目の様子から視線の向かう先を判別するテストが課された。

 まぶたが開いている時の眼球は、たとえばパンダや馬のように動物はほとんどが黒目が占めているケースが多い。それでもチンパンジーの目は瞳と眼球部(強膜)の違いが識別可能で、実際に人間もチンパンジーも画像のチンパンジーが正面を見てるのか、それとも別の方向を見ているのかが判別できることがテスト結果からわかっている。

 そして人間の目は瞳と白目のコントラストが著しいこともあり、チンパンジーにとっても同じチンパンジーよりも人間の目のほうが、その視線の向かう先を迅速に識別できることもまた判明したのである。

 こうしたことから白目の白さの度合いは、種を超えて視線の向かう先を分かりやすくするものであり、コミュニケーションにおいてメッセージ性を補強するものであることが示唆されてくるのだ。基本的に我々は“人目”を気にしており、その視線がどこに向けられているのか、ましてや自分を見ているのかどうかを実に敏感に察知していることになる。

町中華チェーン店でチャーハンとレバニラ炒めをいただく

 通りを進む。交差点を左に曲がった通りにも飲食店がいくつか並んでいるが、ひとまずは真っすぐ進むことにしよう。入りたくなる店が特になければまた引き返してくればよい。

 こぢんまりとした商店街だが意外にも居酒屋が多い。喫茶店もあって食事もできるようだが、今はそれほどゆっくりはできない。喫茶店はまた次の機会にしよう。

 パチンコ店を越えてさらに先へ行くと某中華チェーンの店が見えてきた。店に近づき久しぶりにその看板をよく見ると、店名に並んで顔のイラストがあることに気づかされる。片目を閉じているその顔の一方の目には“白目”があり、下を見ていることががわかる。その視線の先にあるのはもちろん店の入口だ。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 この顔は自分の視線の向かう先をその目で示すことにより、見た者を店へと誘っているのかもしれない。その誘いはむしろ歓迎だ。そういえばチャーハンが食べたい気もしてくる。入ってみよう。

 店員さんに声をかけてチャーハンとレバニラ炒めの単品を注文した。食事を終えてお会計を済ませたお客が出ていったかと思えば、それを埋め合わせるかのように新たなお客が入ってくるというパターンが2回ほど繰り返されている。お昼や夕食時はけっこう混雑するのだろう。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 料理がやってきた。どちらも炒め物なので出来上がったほうから別々にくることも想定はしていたのだが、どちらも1つのトレイに乗って同時に運ばれてきたのはなんだか嬉しい。さっそくいただくことにしよう。

 それにしても、この店の看板にあのような“顔”が描かれていたことをこれまであまり気にしたことはなかった。このイラストに気づいたのも、やはり防犯ステッカーの一件があったからだろうか。そしてどちらのイラストの視線の先も白目の状態から判別できるのである。

 まさかあの防犯ステッカーが店内に貼られることはないとは思うが、あの鋭い眼光で見つめられながら食事をするというのはどう考えても愉快なことではない。その意味ではこの店もそうだが、カウンターが壁沿いにあったほうがプレッシャーが少ない状態で食べられるというものだろう。

 中途半端な時間の遅い昼食になってしまったが、店を出たら腹ごなしに少し歩いてから部屋に戻るとしよう。散歩中にあの鋭い眼差しに出くわさなければいいのだが……。

※画像はイメージです(筆者撮影)

文/仲田しんじ

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W杯出場決定も見据えるのはその先…ポルトガル代表指揮官「3度目の優勝を夢見ている」 - Goal.com

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(C)Getty Images

ポルトガル代表のフェルナンド・サントス監督がワールドカップ出場決定に安堵した。『RTP』が伝えている。

ポルトガルは29日、欧州予選プレーオフ決勝で北マケドニアと対戦。ブルーノ・フェルナンデスの2ゴールで2-0と勝利し、本大会出場を決めた。フェルナンド・サントス監督は「当然の結果であり、フェアな勝利だった」と誇る。

「我々は得点するチャンスを作ったが、相手にとってのチャンスは記憶にない。我々は完全な実力でワールドカップに出場できた」

「私はすでに2つの大会(EURO、ネーションズリーグ)で優勝しており、3度目の優勝を大いに夢見ている。選手たちの素晴らしい姿勢を称えなければならない。最初の10分間はうまくいかなかったが、この北マケドニア代表はプレーの仕方を知っていると私は言った。お互いに助け合う精神があり、ファンからの応援も素晴らしかった」

また、この試合で復帰したDFペペは「一人ひとりのクオリティよりも、仕事を優先したことが評価されたのだと思う。トルコ戦では、ベンチの全員が先制点を祝うためにジャンプしているのを見て、それがよくわかった。そのポジティブなエネルギーがみんなに伝わり、この試合でも発揮された。それがまたワールドカップにつながった」と喜びを語った。

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指原莉乃プロデュースの新グループ「≒JOY」 アイドル目指したきっかけは「小学生の頃HKT48さんを見て」|オリコン|北國新聞 - 北國新聞デジタル

kukuset.blogspot.com  タレントの指原莉乃がプロデュースする第3のアイドルグループのお披露目会が29日、都内で開催され、この日グループ名が発表された12人組グループ「≒JOY(ニアリーイコールジョイ)」のメンバーが報道陣の取材に応じた。

【写真】指原莉乃プロデュース、≒JOY誕生!メンバー12名の個別ショット

 昨年10月より行われていた「第3のグループ オーディション」で合格し、「≒JOY」のメンバーとしてお披露目されたのは、逢田珠里依、天野香乃愛、市原愛弓、江角怜音、大信田美月、大西葵、高橋舞、福山萌叶、藤沢莉子、村山結香、山田杏佳、山野愛月の12人。会見では、それぞれがアイドルを目指したきっかけや憧れのアイドルなども明かした。

■「≒JOY」メンバーコメント
逢田珠里依(あいだ・じゅりい)/2005年9月13日生まれ/東京都
親にも言えないような悩みがあったときに、アイドルに助けてもらった事があって、それが理由でアイドルを目指すようになりました。憧れのアイドルは高松瞳さんと川中子奈月心さんです。

天野香乃愛(あまの・このあ)/2007年1月21日生まれ/埼玉県
歌番組などでアイドルが出ているときに、すごくキラキラしていて、つらいときいつも元気をもらっていました。私もそんな存在になりたいと思い、アイドルを目指しました。憧れは本田珠由記さんです。

市原愛弓(いちはら・あゆみ)/2003年8月21日生まれ/福岡県
出身が福岡県なので、指原さんがいるHKT48さんを小学生のときに見て、とてもキラキラしてかわいいと思ったことがきっかけでアイドルになりたいと思いました。

江角怜音(えすみ・れのん)/2005年4月26日生まれ/大阪府
実は親がこのオーディションに応募したんですが、それがきっかけで=LOVEさんや≠MEさんを見て、歌もダンスもバキバキに踊れていて、かっこいいのにかわいいところに憧れました。

大信田美月(おおしだ・みつき)/2004年9月27日生まれ/大阪府
中学生の時に人間関係で悩んだときとか、自分の意見が言いたいけどうまく言葉が出ないときに、アイドルのMVや歌詞を見てすごい元気をもらえて、私も元気を与えられるようなアイドルになりたいと思いました。歌もダンスもできる野口衣織さんが憧れです。

大西葵(おおにし・あおい)/2005年8月6日生まれ/東京都
将来のこととか、自分らしさってなんだろうって悩んだときに、アイドルはその人にしかないキラキラしたオーラがあるなと思っていて、私もアイドルになって、自分にしか出来ない方法で、誰かのことを元気にさせてあげられるようになりたいと思ったのがきっかけです。

高橋舞(たかはし・まい)/2005年2月22日生まれ/兵庫県
学校の先生に体育のダンスの授業ときに、「あなたどこにいても目に入ってくるよ」って声をかけてくれて、オーディション受けたら?と言ってくれたのがきっかけです。憧れは佐々木舞香さんと谷崎早耶さんです。

福山萌叶(ふくやま・もえか)/2004年10月22日生まれ/神奈川県
中学生の頃からアイドルが好きで、私と同じくらいの年齢の子がずっと笑顔で頑張っているなと思うと、私も頑張ろうと日々の活力をもらっていて、私も全力でそんなアイドルになりたいと思いました。ずっと先輩方のファンだったので、選べないんですけど、その中でも野口衣織が好きです。

藤沢莉子(ふじさわ・りこ)/2004年1月16日生まれ/埼玉県
中2のときからダンスをやっていたんですが、高校卒業を機に進学に悩んだときに、自分が一番輝けることはなんだろうと考えたときに、ステージに立って歌ったり踊ったりすることが自分にあっているんじゃないかなと思ってアイドルを目指しました。

村山結香(むらやま・ゆうか)/2004年2月15日生まれ/福岡県
歌とダンスがもともと好きで、先輩方のパフォーマンスを見て、レベルがすごく高くて。そんな素敵な先輩方のいる新しいグループで切磋琢磨しながら成長していきたいと思いました。また、指原さんのメンバーさんへのプロデュースがすごく優しいなと思っていて、私もそんな指原さんにプロデュースしてもらいたいと思いました。

山田杏佳(やまだ・ももか)/2006年2月2日生まれ/神奈川県
私はこれまでなにかやりたいことがあっても行動することが出来なくて。イコノイのドキュメンタリーを見たときに、私もなにか頑張れることを見つけたらなと思い、オーディションに応募しました。

山野愛月(やまの・ありす)/2006年10月21日生まれ/大阪府
人見知りで引っ込み思案の性格を直したいと持ったからです。歌もダンスも未経験ですが、これから精一杯頑張りますので、応援してくださるとうれしいです。憧れは佐々木舞香さんと鈴木瞳美さんです。

≒JOY(前列左から)逢田珠里依、天野香乃愛、市原愛弓、江角伶音、大信田美月、大西葵、(後列左から)高橋舞、福山萌叶、藤沢莉子、村山結香、山田杏佳、山野愛月 (C)ORICON NewS inc.

≒JOY(前列左から)逢田珠里依、天野香乃愛、市原愛弓、江角伶音、大信田美月、大西葵、(後列左から)高橋舞、福山萌叶、藤沢莉子、村山結香、山田杏佳、山野愛月 (C)ORICON NewS inc.

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認証アーキビスト 県公文書館の職員3人合格|NHK 富山県のニュース - nhk.or.jp

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「アーキビスト」と呼ばれる公文書管理の専門家を公的な資格として認証する国の新しい制度に、県公文書館の職員3人が合格し、29日、新田知事に報告を行いました。

「認証アーキビスト」は、公文書などの価値を評価して適切な管理や保存をするための専門人材を国立公文書館が認証する制度で、昨年度から新たに始まりました。
この資格を、県公文書館の資料課に勤務する職員3人が県内で初めて取得し、29日、新田知事に報告を行いました。
新田知事は、3人に対して、「公文書をしっかりと残し、国民や県民がそれを見て正確に判断し、権利を行使することは民主主義の基本です。3人が公的な資格を得て担当することは、県にとっても有意義です」と話しました。
3人は、公文書の保存期限が過ぎた後に、県公文書館で保存・公開するのか廃棄するのか、県が方針を決める際に文書の重要度を評価して助言を行うということです。
また、地域の人たちから寄贈された貴重な古文書や絵図などの保存・管理のほか、利活用を進める役割なども担っているということです。
「認証アーキビスト」の資格を取得した県公文書館の栄夏代史料調査専門員は「たくさんの資料の中には、これから生きていく上での知恵が含まれていると思う。そこに目を向けて活用してもらえるよう努めていきたい」と話していました。

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Monday, March 28, 2022

『FF14』吉田直樹氏×織田万里氏×石川夏子氏シナリオ鼎談インタビュー! 『暁月のフィナーレ』クリアー者必見! シナリオや世界観、キャラ設定、開発へのアツい想いを訊く - ファミ通.com

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 2021年12月7日にリリースされた『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の最新拡張パッケージ『暁月のフィナーレ』。本作では、長きに渡って描かれてきた“ハイデリン・ゾディアーク編”の物語が完結。10年近い年月をかけて紡がれた壮大な冒険の集大成となるゲーム体験が世界中のプレイヤーを感動させ、好評を博した。

 そんな大きな区切りを迎えたこのタイミングで、吉田直樹プロデューサー兼ディレクターと、『暁月のフィナーレ』および“ハイデリン・ゾディアーク編”の世界設定・シナリオを手掛けたリードストーリーデザイナー織田万里氏&石川夏子氏にインタビュー。ひとつの“フィナーレ”となる物語が作られた経緯をはじめ、ヘルメスやメーティオンといったキャラクターたちの誕生秘話、さらには各エピソードの制作秘話など、さまざまな話をうかがった。すでに本記事の一部は3月17日発売の週刊ファミ通にて掲載済みだが、ここではその全文を余すことなくお届けしよう。

 なお、本インタビューの内容は、『暁月のフィナーレ』の物語に関するネタバレを要所に含んでいる。まだプレイしていない人や、エンディングを見届けていない人は、必ず『暁月のフィナーレ』クリアー後に読み進めてほしい。

※インタビューは2022年2月8日に実施したものです。また、インタビュー取材は撮影時を除きマスク着用のうえ実施しています。

吉田 直樹(よしだ なおき)

『FFXIV』プロデューサー兼ディレクター。文中は吉田。

織田 万里(おだ ばんり)

『FFXIV』リードストーリーデザイナー。文中は織田。

石川 夏子(いしかわ なつこ)

『FFXIV』リードストーリーデザイナー。文中は石川。

2019年末にはストーリーの構成は決まっていた!

――『暁月のフィナーレ』が昨年末にリリースされて、全世界で話題になっていると思いますが、まずはその反響を受けてのいまの感想をお聞かせください。

吉田自分としてはストーリーの反響の前に、サーバーの大混雑のショックが大きいですね……。旧『FFXIV』から『新生エオルゼア』で立て直しを図り、そこから続く物語が大きな区切りを迎えるということで、開発チームの全員が極限まで作業して、手応えのあるものを作れたかなと思っていますが、その手前で大混雑により遊んでもらえないというのは、かなり堪えました……。サーバーを増やそうにも、世界的な半導体不足により、時間がかかってどうにもならなかったので、精神的にキツかったですね。

――『暁月のフィナーレ』のサービス開始からしばらくは、サーバーが大混雑状態でしたよね。逆に言えば、それだけ大きな盛り上がりを見せたわけではあるのですが。ほかにも気になる点はあるのでしょうか。

吉田あとは、シナリオやバトル、ジョブの調整など、各要素を分けたご意見をいただくことが印象的でした。これは長い運営期間の中で、ファンフェスティバルなどにおいて“開発パネル”という形で、チーム別にスタッフに出演してもらっていることも大きな要因かと思いますが、あくまでも『FFXIV』の根幹を作っているのは、スタッフ全員です。『暁月のフィナーレ』では、ありとあらゆるセクションの人間が垣根を越えて、ひとつの物語を完成させるために死力を尽くしました。

 ですから物語について、「シナリオチーム」というひとつの枠組みだけで捉えられてしまうのは、他のセクションが可哀そうだなと感じました。このあたりは今後のファンフェスやイベント等、開発チームの見せ方にも工夫が必要かな、と思っています。ですから今回は、その点と混雑のふたつが、若干心残りですね。時間を巻き戻せるなら2年ぐらい戻って、サーバーだけ買っておきたかったなと(笑)。

――サーバーに関しては、すぐにどうにかできる問題ではないですが、現在は落ち着いている印象です。

吉田その後はお正月ぐらいに、日本の方も含めて、プレイヤーのライブストリーム(配信)を追わせてもらっていたのですが、「(こちらの想いが)しっかりと届いているな」と感じることができました。ですので、僕の場合は、手応えは遅れてきた感じでしたね。とにかくいまは、ほっとしているという気持ちがいちばんです。

織田僕も、ほっとしたというのが最初の感想です。開発の終盤は、最後の詰め込みでかなりドタバタしていまして。発売日の延期があったにせよ、リリースできたことに安心感と達成感がありました。

 シナリオへの感想に関しては、サービスイン直後はプレイヤーの皆さんがネタバレをしないように気を配ってくださっていましたが、ようやくいま、皆さんの意見を追えるようになってきたかな、というところですね。メインシナリオだけでなく、サブクエストの監修もしていたので、それらのどういったところがよくて、どういったところが悪かったのか咀嚼しているところです。あと個人的には、メタスコア(※)の値がよかったのが大きいですね。

※海外のレビュー収集サイト「Metacritic」による、さまざまなWeb媒体によるゲームや映画などの評価を集計し、数値化したもの。

吉田メタスコアは、サーバーが混雑していて、その部分がマイナスになっていたのが心残りですね……。内容は素晴らしいと評価してくださっていて、大混雑がなければもっとスコアが上がっていたかもなあ、と思ってしまいます。それが記録として残ってしまうのは悔しいですね。

織田そういえば『新生エオルゼア』開発初期のチームに加わった直後に、プランナー全員を集めた会議があって、そのときに吉田さんが「“メタスコア”を知っている人はいる?」と手を挙げさせたことがありました。自分は海外のゲームが好きだったので、メタスコアを参考にして遊ぶゲームを選ぶくらいには気にしていたんですけれど、当時はいまほどメタスコアが知られていなくて、ほとんど手が挙がらなかったのです。これからは、ユーザースコアの高いゲーム作りを目指そうと、そういった決意があって始まったプロジェクトなので、それから約10年後の『暁月のフィナーレ』のメタスコアがよかったのは、グッとくるものがありました。

吉田とくにユーザースコアの高さが群を抜いていたのがうれしかったですね。あれはここまで長く運営してきたからこそ、という部分も大きいかと思います。

――ほかのタイトルと比べても、ユーザースコアが頭ひとつ抜けて高かったですよね。石川さんから見た、発売後の反響はいかがでしたか?

石川リリースした後のネタバレの扱いの難しさはすごく感じましたね。ネタバレをしないよう気遣っていただいたことにすごく感謝しつつ、それと矛盾してしまうのですが、「ゲームを遊んだ後の考察や議論などは、ホットなときにやれたほうが楽しかっただろうなぁ」という思いもあります。リリース直後にも情熱的な感想や考察、議論を交わす動きが局所的にはあったのですが、ネタバレに気を使ってくださったからこそ広くは波及しなくて……。開発チームとして皆さんのアツい感想を聞きたいという思いもありますし、すごく難しいところだったなと感じました。

吉田映画でもそうですよね。「できればネタバレを控えて」と言ってしまうと、ポジティブな声も全然聞こえなくなってきて、一部の批判的な意見を見た人が「その程度なのか」と思ってしまうこともあり……。皆さんのおかげでサービスの規模が拡大し、注目度も増しているからこそ、このあたりの考え方も、また変えていく必要がありそうで、悩ましいところですね。

――ネタバレには相当気を配られていましたよね。実際にプレイしてみて、あらためて「事前の情報出しは、かなり気を使われていたのだな」ということを感じました。

石川公開した情報では、なにも大事なことは言っていなかったという(笑)。

――“アニマ”も討滅戦のボスかなと思いきや、ID(インスタンスダンジョン)のボスだったりと、プレイしていて「ここだったのか!」と驚くことが多かったです。

石川PVでは、絶妙にプレイヤーひとりしか映らないようにしていましたね。8人用の討滅戦なのか、4人用IDのボスなのかを見せない!

『FF14』吉田直樹氏×織田万里氏×石川夏子氏シナリオ鼎談インタビュー! “暁月のフィナーレ”クリアー者必見! シナリオや世界観、キャラ設定、開発へのアツい想いを訊く

吉田最初に画ができあがったときは、プレイヤー4人が見えてしまっていたのです。ただ、4人で挑むボスとわかれば、「IDのボスなのか、がっかり……」という、ストーリーと切り離した先入観を持たれてしまう。実際開発コストも蛮神戦並みにかけているんです。でも他にPVを盛り上げるネタバレ回避要素も少ないし、冒険者ひとりだけが見えるようにして……と(笑)。

――そういった気づかいはひしひしと感じました。そのおかげでより冒険を楽しめたように思います。なお、事前の情報としては、『暁月のフィナーレ』(パッチ6.0)で“ハイデリン・ゾディアーク編”が完結するということも告知されていましたが、そもそもこれまでの物語を完結させようと決めて動き出したのは、いつごろなのでしょうか?

石川漆黒のヴィランズ』が発売されたのが2019年、その年の末には、イメージ・スタジオ部にトレーラーのコンテを出さないといけませんでした。そこで同年の秋と冬の間ぐらいに、シナリオの概要を決めるための合宿を行いました。じつはここで問題が……。私たちの中で“慣れ”が起きてしまっていて、「シナリオで語らないといけない要素は残りコレとコレだから、それらを消化すればいいよね」という感じで、シナリオ合宿自体はすごくさらっと終わったんです。そうして決まった要素を詳細に落とし込むのは私が担当したのですが、改めて内容を組み立ててみると「いままでのような拡張パッケージのひとつだったらこれでいいかもしれないが、“フィナーレ”と銘打つものとして本当にこれでいいの?」と感じたんです。そこで、出し惜しみしないで出す部分や盛り上げたい要素、いままでの物語に対する回収など、概要から練り直すことにしました。その決断をしたのが締め切り2日前で、そこから集中して現在の物語の原型を制作した記憶があります。

――その時点のプロットで、メーティオンの話なども決まっていたのですか?

石川まだメーティオンという名前はありませんでしたが、原型となる形は決まっていました。最終的にどういう形で落とし込んでいくかは、ここにいるおふたりに意見をいただいて、さらに固めていきました。

吉田合宿のときに、シナリオの核となるパーツを並べたものを書いてもらったのですが、その後に石川さんから「納得がいかないから、全部書き直してきたやつを持ってきました」と言われました。結果、合宿で決まったものと、石川さんが持ってきたものを比べて、「やはり新たに練り直したほうがよさそうだね」という流れになりましたね。

――「いったんこれまでの話のフィナーレを描こう」ということは、2019年末に行われた合宿の時点で、吉田さんが決められていたのですか?

吉田紅蓮のリベレーター』を作っているころは、まだどう続けていくかは考えていなくて、連作のドラマ作りのように、着地点は厳密には見出さずに、ひとつひとつの話をおもしろくするよう開発していきました。ただ、「このまま物語を引っ張り続けるのはどうなのだろう」という思いもありまして。そこで、『漆黒のヴィランズ』を作るときに、「これまでの要素の8割ぐらいをぶちまけていいぞ」と言ったんです。その時点で「引っ張るとしても、漆黒のあと拡張パッケージ1~2本ぶんぐらいかな」と考えていました。

 そして、『漆黒のヴィランズ』がリリースされた直後の皆さんの反応を見て、「これは(結末までに)もう1本拡張パッケージを挟むとダレるな」とあらためて感じました。自分もこれまでドラマなどで、“クライマックスが近づいてきたのに1回クッションを置いた結果、そこからエンジンをかけ直そうとしても上がり切らない作品”をいくつも見てきました。だからこそ『FFXIV』は引っ張るべきではないなと。

――7.0まで物語が続く想定だと、どのような構成をイメージされていたのですか?

石川ガレマール帝国まわりで1本の拡張パッケージを作るという想定でしたね。それこそアニマをボスにして、その次の拡張パッケージでハイデリンやゾディアークと決着をつけるというイメージでした。

織田ですので、物語の流れ自体はそこから大きくは変わっていませんね。物語は、ある程度“期待通りに進む”ことが、安心感や予想できる楽しさにつながると思っています。一方では“予想外の展開”という楽しみかたもあって、そこのバランスは気を付けなくてはいけません。

 その“期待通り”の面については、ハイデリン、ゾディアークという名前が出てきた以上、誰もが「戦うんだろうな」とイメージする部分があったと思います。それをストレートに表現していくのか、もしくはどちらかが片方を乗っ取って合体したようなものが現れるという予想外の展開をやるのかと、いろいろと意見が出ました。最終的にはストレートな方向にして、ラスボスは別にいるという形にしました。そのラスボスについても、「終盤になると真の黒幕が急に出てくる」というような、“ポッと出感”が出ないように注意しようと、話し合ったことを覚えています。

吉田合宿をやっているときに、ゾディアークとハイデリンをラスボスにしようとは、誰も思っていなかったですね。この2体はラスボスではないと。

――ラスボス戦に至る終盤の展開は、プレイしていてすごく衝撃を受けました。宇宙の果てに行くという展開は、いつごろから決まったのでしょうか?

石川物語を考えていくにあたって、もっとも早く固まったキーワードが、ラグナロクが発進するときにアルフィノが言っていた「行こう、月より遠い、天の彼方へ……!」だったんです。そこで起きる細かいエピソードが決まっていったのは2020年に入ってからですが、終盤の展開は2019年末に概要を考えたときには想定していました。

『FF14』吉田直樹氏×織田万里氏×石川夏子氏シナリオ鼎談インタビュー! “暁月のフィナーレ”クリアー者必見! シナリオや世界観、キャラ設定、開発へのアツい想いを訊く

――世界が一気に広がるような形になったと思いますが、どのように世界設定を構築していこうと考えたのでしょう?

織田基本的に、“宇宙の果て”というのは、石川さんのアイデアが中心になっていて、あとはいかに“急に出てきた世界”とならないようするか、ということに気を配りました。過去のオメガやドラゴン族などのエピソードでは、すでに宇宙に関する要素があったので、これらの要素は確実に活かしていくべきだ、ということは話しましたね。

石川織田さんはすごくSFが得意なので、「ウルティマ・トゥーレみたいな場所を作っておけば、織田さんがいい小ネタを仕込んでくれるかな?」という思いもあったんです。織田さんがいるから、「安心して宇宙の果てでもいける!」という気持ちでした(笑)。

――今回の『暁月のフィナーレ』は、ダークファンタジー感やSF感など、多彩な要素が盛り込まれていて、世界の鮮やかさが増した感じがしました。

織田ダークファンタジー要素に限れば『蒼天のイシュガルド』や『漆黒のヴィランズ』のほうが強く出ているかと思いますが、『暁月のフィナーレ』ではラザハンの色彩が鮮やかだった結果、終末のときの印象との差が出て、よかったのかなと思います。

吉田色彩といえば、今回もフィールドの環境設定は、すべてのエリアで苦労しましたね……。

織田ウルティマ・トゥーレも、何度も明かりを調整していましたよね。

吉田ウルティマ・トゥーレは、とくにたいへんでした。本当であればあと2枚ほどカラーフィルターがあればいかようにもできたのですが、いかんせん現状の描画システムでは手札が少なくて……。通常ではやらないような、中距離が暗く沈む光源の配置を使って表現しつつ、最後にフィールド担当者が地脈から噴き出す謎の光を足してくれて、なんとかいまの形に落ち着きました。

 ガレマルドも、ずっと曇っている寒空が広がる、寒い、暗い、どこか悲しそうという雰囲気を出すために、青空をできる限り使わないように作っています。だからこそ、ラザハンの抜けた感じがいいのだろうなと。もちろん、ラザハンもかなり苦労しましたが……(苦笑)。

――色鮮やかなラザハンに、終末の災厄が降りかかるという落差がすごく印象に残りました。

織田IDの“終末樹海 ヴァナスパティ”の空を覆いつくすような獣の群れという表現は、イメージ・スタジオ部のトレーラーを再現しているのですが、あれはよかったですね。

開発スタッフの“脳内設定”で膨らむ『FFXIV』の世界

――今回の『暁月のフィナーレ』ではとくに、いろいろなチームが一体となって作り上げているということをすごく強く感じられました。これまでの作りかたと変えられた部分はあったのでしょうか?

吉田とくに作りかたを変えたというわけではなくて、長くいっしょにやってきたからこそのチームワークが発揮された結果だと思います。思い返せば、開発中も、誰かが言わなくてもわかる“阿吽の呼吸”のようなものがありましたね。

 バトルコンテンツの中川(リードバトルコンテンツデザイナーの中川誠貴氏)などは、「シナリオの中身を汲むだけではなく、それ以上の解釈、画の表現を作らないと意味がないんだ」などと言う、熱いタイプの人間でして。開発スタッフには、こういった熱い人間が多くて、それを受け止める側のグラフィックス各セクションのリーダーも、想いを認識できる人が多いです。『FFXIV』の開発チームはちょっと独特かもしれませんね。デュナミスが渦巻いている感じがします(笑)。

石川“作品のことが好きなチーム”ですよね。『漆黒のヴィランズ』でいい評判をいただいたときに、チームの作品に対するモチベーションがさらに上がったと感じました。

 『暁月のフィナーレ』の開発中、各セクションからしてみたら「お前は何を言っているんだ」と跳ね返したくなるような発注もしていたと思うんです。でも実際は「作業的にきびしいけれど、そのこだわりは飲みましょう」と受け入れていただいた部分があった。仕様じゃ割り切れない部分を助けてもらったりして。そういった信頼関係が強く感じられるチームだと思っています。

――各スタッフの皆さんの「やってやろう」という盛り上がりが積み重なって、『暁月のフィナーレ』ができあがった形ですね。

織田たとえばIDや討滅戦などのコンテンツを作ってもらうときに、シナリオチームからは「マストで表現したいのはここ」とか、「できたらこういう表現をやってほしい」というような概要書をお渡しします。これに対して、コンテンツの設計担当者のプレゼンを受けるときに、“脳内設定”という項目が増えていて(笑)。

 その項目には、設定やシナリオを見たスタッフが自分なりに解釈をした“この攻撃をしてくる理由”が書いてあるのです。もちろん、それが設定的にズレていないかをこちらでチェックするのですが、こちらの注文以上に奥深く表現されていたりして、結果としてアウトプットがよりよいものになる。こうした開発手法は、文化としてチームに根付いてきたのかなと思います。

『FF14』吉田直樹氏×織田万里氏×石川夏子氏シナリオ鼎談インタビュー! “暁月のフィナーレ”クリアー者必見! シナリオや世界観、キャラ設定、開発へのアツい想いを訊く

石川“脳内設定を仕事として出すことを恥ずかしがらない!”というのは重要ですね(笑)。

――自分の考えた、ある意味“中二病”的なものをオープンにすることを恐れないと。

吉田『FFXIV』チームはみんなそういった部分があります。バトルコンテンツのチェックをしているときも、「僕の脳内ではこうだから、この攻撃をしてくるんです」と説明されることが多いです。そしてそれを否定するのではなく、さらにお互い膨らませていく。ある意味、プレイヤーの皆さん以上に我々のほうが“妄想力”が高いかもしれません(笑)。

――『FFXIV』のコンテンツの奥深さの一端がわかったような気がします。織田さんは、みなさんの脳内設定をすべて把握するという意味ではたいへんではないですか?

織田たいへんではありますが、「こういう解釈をしたんだ!」と驚くこともあって、おもしろいですね。長くサービスを続けてきたからこそ、同じスタッフが考え続けるというのは限界があると思っています。その中で若手ががんばってくれて、恐れずに脳内設定を書いてくれるのはありがたいですね。

吉田“開発スタッフ=みんなプレイヤー”というのが大きいですね。新しく加わるスタッフも、9割以上が光の戦士で、とくにトレーニングや過去の勉強をしなくても、もともと『FFXIV』に関する知見として持っている状態でチームに合流する人が多いのです。

――プレイヤーとしての肌感覚を持っていると。

吉田そうですね。それはすごく強いと思います。自分たちのゲームを普通にプレイするということは、当たり前に思えるかもしれませんが、いまの世の中では結構難しいことだったりするのです。

石川プレイヤーだからこそ、自分の担当外でも「リテイナーベルは近くに置いてほしいなぁ」って言ったりして(笑)。

吉田よく言っているよね(笑)。

石川実際、オールド・シャーレアンをどこまで便利にするかのせめぎ合いがありました。担当外のスタッフも意見を出し合ったりして、ワイワイとやっていましたね。

――ちょうどコロナ禍の真っただ中で作られていたわけですから、その中で密度の高いコミュニケーションをとられていたのはすごいですよね。

吉田実際はたいへんでしたよ。つながってきた仮組みデータをパーツごとにチェックし始めたときに、「こんなにも想定よりかみ合わないのか!」と感じたのも今回の特徴でした。これまでの『FFXIV』チームをずっと見ているので、「このクオリティーぐらいでできあがってくるだろう」という想定ラインがあるのですが、それよりもことごとくほんの少し下だったのです。それはサボっているとか、誰が悪いとかではなく、リモートワークによる共同作業だと本当に気づけないことで……。

――それはなぜなのでしょうか?

吉田たとえば、ゾディアーク討滅戦のマップを最初にチェックしたときは、イメージが全然かみ合っていなくて、フィールドから立ち上がる光が緑でした。嘆きの海のフィールドから見たときに立ち上がる光が赤なので、赤のライトが出ていないとおかしい。なぜここがつながっていないのだろうと思ってアートを確認したら、アートでは緑っぽいイメージになっていました。そこで後で担当者に伝えると、「なんとなく違和感があると思っていた」と。

 これがなぜ、以前は起きていなかったかというと、担当者どうしが同じフロアの近くにいて、「ちょっと見に来て」と意見を交換できたのです。これがオンラインだとなかなか難しい。姿が見えるかどうかはすごく大事で、近くにいたらフラッと様子を見に行くこともできますが、オンラインだと相手がどんな状況なのかがわかりづらい。結果、相手に気を遣ってしまう、という遠慮が働くのです。

『FF14』吉田直樹氏×織田万里氏×石川夏子氏シナリオ鼎談インタビュー! “暁月のフィナーレ”クリアー者必見! シナリオや世界観、キャラ設定、開発へのアツい想いを訊く

――オンラインでもチャットはできますが、相手が忙しくて対応できるかどうかはわからないですよね。

吉田素材の確認にしても、会議ツールの画面共有機能ではクオリティーが確認しづらかったり、録画してそのデータをアップロードする手間が発生したりと、オンラインならではの問題があります。そうなると、「とりあえずアートどおりに仕上げておこう」となってしまいがちなのです。こういったことがすごく多かったですね。これはリモートワークである以上は仕方のないことで、新たな開発スタイルに移行したからこそ、ワークフロー側を考え直さないといけないなと感じています。

石川吉田さんをはじめ、リソースの発注者である私や織田さんのような、“できあがったものに対して判断をする人”にタスクが集中してしまうんです。顔を合わせて確認する場がなくなったぶん、いろいろなところから相談のチャットが飛んできて、順番に対応していくものの返信が遅くなる。そうなると、「(返信がないから)とりあえずやっておくか」にせざるを得ない。本当に流れが悪かったですよね。その流れを、みんなが会社にいたときのようにするためにどうやって改善していくかが、これからの課題かなと思っています。

――今回はどのようにして対応されたのですか?

吉田これに気付いてからワークフローを切り替えている暇はもうなかったので、今回は無茶苦茶に稼働して、“とりあえずやり切った”という感じです。現場間でどうにもならず、石川さんにも聞けずになるなら、僕や織田さんに投げてくれと言って、それをくり返しながらという感じでした。途中で、チャットツールは禁止にしたりしていましたね(苦笑)。

――チャットツール禁止はすごいですね……。

吉田織田さんも膨大な確認の連絡がチャットツールで飛んでくるでしょう?

織田すごい量のチャットが飛んできましたね。

吉田そうなるとスタッフから次々と質問が飛んできて、自分の作業が何もできない状態になってしまいます。僕が「それじゃ仕事にならないので、即時返信しないでいいよ」と言っても、リーダーたちはみんな真面目で責任感が強いから、そのチャットに返信しようとしてしまう。ですので、本当に大事な案件であれば、改めてメールをしようと。メールであれば履歴も残るし、必要な人にもシェアされやすい。メールだと返信がいつまでに必要と書くけど、チャットツールになると要件だけを書く人が多い、というのも謎の特徴ですね。

 前に週刊ファミ通のコラムでも書いたのですが、スタッフとリーダーは、下から見ると1対1なのですが、じつは上から見ると1対何十です。だから、相談を受ける側の人間は、いつも顔色が悪かった。今回はこれがすごく辛かったですね。

――ゲーム開発以外の仕事でもよくある問題ですね……。

織田自分としては、若いスタッフたちが萎縮しちゃって聞けなくなるのがいちばん危険だなと思ったので、相談には全部答えていましたね。テキストチャットでは時間がかかるから、よくボイスチャットでやり取りをしていました。

吉田チャットツールの仕組み自体はすごく便利なのですが、使い分けが必要ですね。メールで出さなきゃいけない要件まで、チャットで上司に確認をとるのは、仕事としておかしいだろうと。それはいろいろなところで言いましたね。

設定でがんじがらめにされるのではなく、“残しておいたこと”を拾い上げて答えにする

――改めて、今回ついに『新生エオルゼア』から描かれた“ハイデリン・ゾディアーク”編の物語が完結となりました。描けてよかった要素などがありましたらお聞かせください。

石川私は『新生エオルゼア』からチームに合流したのですが、その時点ですでにゲーム開始時の“ハイデリンの呼びかけ”が存在していました。最初にそれを見たときに、「見て、聞いて、感じて」ではなくて、「聞いて、感じて、考えて」と、最後が「考えて」なのがおもしろいなと思っていまして。

 そこで今回の『暁月のフィナーレ』を自分で書くことになったときに、あのときのハイデリンのお願いに立ち返ろうと決めていました。単純に、見たり聞いたりして、それを受け取るだけじゃなくて、解釈の余地があり、“プレイヤーの皆さんが経験してきたもの”があるからこそ、考えられるものにしようと。ですので、『暁月のフィナーレ』では、“答えの出ないことに対する問い”をしている部分を、要所に用意してあります。

――確かに、プレイヤーが考えさせられる場面がいくつもありました。

石川たとえば、ヘルメスがやったことは悪かったことなのか、それとも人類の最初の一歩だったのかとか。メーティオンが悪かったのか、メーティオンに絶望を与えた人が悪かったのかとか。そうだとしたら、絶望を抱くことはよくないことなのだろうかとか。そういう答えのないものに対して、プレイヤーの皆さんの答えを問うようにしてあります。こういった構成を選べたのも、長く連載を続けてきた作品だからこそです。ここまで大きくなった『FFXIV』の世界と、いままでの歩みがあるからこそ、皆さんに問うことができたかなと。そんな風に、今回のフィナーレで「考えて」が実現できたのはよかったなと思います。

――ハイデリン討滅戦の曲名が『Your Answer』というのもそこに結実していく感じですよね。織田さんが「今回描けてよかった」と感じたことは何ですか?

織田自分がプロジェクトに加わったときには旧『FFXIV』があって、すでに基本的な世界設定が存在していました。たとえば、アシエンやハイデリンという存在についても設定があったのですが、正直、これまではこの設定を持て余した状態でした。それがだんだんと時を重ねて、地に足の着いたキャラクターに、プレイヤーが理解できる存在になってきて、そこが完全に腑に落ちる形、理解できる形で描けたのはよかったですね。あらためて振り返ると「これは10年かかるよな……」という感じです(笑)。

吉田長くやってきたからこそ、作ることができた、というのはたしかですね。あれだけの配役を設定になじませるのは、1本のスタンドアローンのゲームだと、絶対に無理だと思います。たとえば『新生エオルゼア』、『蒼天のイシュガルド』、『紅蓮のリベレーター』の段階ですら、「まだアシエンの目的は詳しく設定せず、裏で悪いことをしている雰囲気を出しておけばいい」と言っていたくらいですし……。

石川先に設定があって、それを使って物語を書いていると想像される方が多いと思うのですが、じつは違います。最初にあったアシエンの設定は、姿にまつわることと、“悪いことをしてそう”ということくらいだったんです。

『FF14』吉田直樹氏×織田万里氏×石川夏子氏シナリオ鼎談インタビュー! “暁月のフィナーレ”クリアー者必見! シナリオや世界観、キャラ設定、開発へのアツい想いを訊く

――ええ! そうなんですか!?

石川驚くかもしれませんが、本当なんですよ! アシエンのことに限らず、新しく合流したスタッフに「設定資料を見せてください」と言われても、弊社から刊行されている設定資料本を渡すだけ、という(笑)。吉田さんが冒頭におっしゃっていた「『漆黒のヴィランズ』では8割ぶちまけていいよ」というのは、いままで積み重ねてきた設定や出してきた雰囲気、回収していなかった言葉を素材として、形にしていいよという意味合いです。

吉田つまり「曖昧にしていたものの8割くらい、答えを出しちゃっていいよ」ということですね。

石川ですので、まだ使っていない当初の設定があったというわけではなく、いままでのことをふまえて答えを導き出す……という形で物語を作ってきました。

織田もちろん旧『FFXIV』のときは、全然違う話を考えていたはずなので、そのために用意されていた初期設定があるにはあるのですが、それをそのまま使えるかというのはまた別問題です。どの部分を活かし、どの部分を切り捨てて新しく考えるかという取捨選択は、切り分けて考えていましたね。もちろん、一部で過去の設定が活かされているものもあります。

石川“シャーレアンが宇宙に行きたがっている”というのは、そのひとつですよね。

――そこは昔からあった設定なのですね。

織田旧『FFXIV』の時代から、シャーレアンは世界図鑑のようなものを作っていて、それは“星の知識を集めて、別の星に行くため”だという初期設定がありました。それを、『暁月のフィナーレ』でシャーレアンを描くときに、「こういう設定があるので、使ってもいいけど、使わなくてもいいですよ」とお渡しをしている感じですね。

吉田旧『FFXIV』を引き継ぐ際に、「アシエンってどんな存在なの?」と聞いたら、「何かを企んでいる超常の存在で、影がない」と言われました。でも、あの当時、ほかのキャラクターの影も表示されていなくて、どういうことかとヒアリングをしたら、スペックが足りないから影が表示されていないだけということが発覚して……。それじゃ、アシエンの特徴にならんだろうよ……と。いくらなんでもわかりづらいので、そこから別の形で“悪いやつら”という印象を付けるよう、再構築していきました。描画やエンジンのことを考えて設定してほしかった……(笑)。

――アシエンはどんどん解像度があがっていったキャラクターだなと思っていたのですが、段階を重ねて創り上げていった存在だったのですね。

吉田あくまでも設定は“物語をおもしろくするために作るもの”です。「この設定があるからこれはダメ」ということは避けるようにと、『新生エオルゼア』のころは口を酸っぱくして言っていました。明かしていない設定なので、変えたところで誰にもわからない。物語をおもしろくするためには、昔からあった設定を必ずしも守る必要はないのです。

――暁のメンバーの描き方もかなり変わりましたよね。

吉田『新生エオルゼア』のころは、丁寧に描く時間がまったくなくて……。システム的にもいっしょに冒険できず、いわゆる登場人物の一部でしかありませんでした。だからこそ、パッチ2.55で”暁”を瓦解させたのです。そこから『蒼天のイシュガルド』で少しずつ絞って描いていって、なんとか定着していきました。もちろん、暁のメンバーが何を考え、何を目的にしているかは、それぞれにあるはずなのです。そこから『漆黒のヴィランズ』の“フェイスシステム”でIDをいっしょに攻略する仕組みを作ることに決め、「暁の掘り下げは絶対にやってくれ」とお願いをしました。

石川『漆黒のヴィランズ』を作るにあたって、「メインシナリオが終わった後に、暁のメンバーと旅をしてよかった、と思えるようにしてほしい」と言われた記憶があります。

吉田『蒼天のイシュガルド』のときには、織田さんと前廣(シナリオセクション:マネージャーの前廣和豊氏)が、「クラシックな『FF』作品にある、“パーティメンバーと旅をする”ということを強くやりたい」と言ってくれて、エスティニアン、イゼル、アルフィノ、プレイヤーの四人旅をうまく描いてくれました。あれをさらに押し進めていったのが、『漆黒のヴィランズ』ですね。

石川暁に関しては、本来は丁寧に拾いたいけど拾えていなかった要素があったので、『暁月のフィナーレ』まで、時間をかけて着々と拾ってきたという感じです。本来、主人公の仲間といえば外見もプロフィールもしっかり検討されるべき重要な要素です。ですが暁は、当時とても忙しかったからじゃないかとは思うんですが、キャラメイクの内部的な数値がほとんど0番だったりするんです。白髪が多いのも、髪の色というステータスの0番が白だからだったりして…… 。そういう状況から少しずつ大切な要素にシフトさせてきたので、いま、なんとなくまとまった集団に見えていたら嬉しいですね(笑)。

――グ・ラハ・ティアもクリスタルタワーで出てきて、後に第一世界で水晶公として出てきますよね。あそこのつなぎ合わせも、あとから生まれたものなのですか?

石川そうですね。「いつか何かあったらいいな」と思ってクリスタルタワーの結末をあのようにしてはいましたが、それをいつ、どういう形で拾おうか、ということは全然決まっていませんでした。のちのち話を作るうえでこういった“残しておいたこと”を拾い上げて答えにしたという感じです。

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――答えを作るという意味では、フィールドもそうだったと思います。とくにオールド・シャーレアン、ラザハン、ガレマルドに関しては、かねてから名前の出ていたエリアですよね。『暁月のフィナーレ』で具体的な形にする過程で、BG班(バックグラウンド班。背景、景観を手掛けるチーム)とどういうやり取りをされたのでしょうか?

織田ラザハンだとインドや中東、ガレマルドだと帝政ローマとロシアというように、現実世界の気候風土や文化と紐づけたイメージをデザイナーに共有して、デザインしてもらっています。旧『FFXIV』から名前が出てきているエリアですので、“フィナーレ”というからには主だったところは回収しないといけないという使命感はありました。

石川「この際、全部行っちゃおう!」みたいなノリでしたね。

吉田何度も名前は出てくるが、実際には行けないということをできる限りなくしたいと思っているのです。プレイヤーの皆さんには、時間がかかってもいつか行けるようになる、と感じてもらいたかった。ようやくひと通り、フィールドとして登場させられたので、よかったかなと。

――ちなみに『暁月のフィナーレ』の終盤には、エメトセルクが新たなエリアをほのめかすセリフがありましたよね。

吉田今回のシナリオで完結ではなく、「まだまだ冒険は続くんだぞ」という期待感を煽るために、つぎの目標っぽく、ですね。

石川概要の段階から、入れたいと思っていたセリフのひとつでした!

――あのセリフで、次の冒険への期待感がすごく高まりました。まだ発表されていませんが、6.1以降はどう進んでいくのか、たいへん気になります。

石川これからたくさん『FFXIV』を作っていくスタッフたちに向かっても、「こんなネタがあるから楽しく作ってね」というメッセージを込めています。チームの中で「物語が終わった」という雰囲気が漂ってしまうといけないなと思ったので、まだまだこんなにあるよと。

織田まだ訪れたことのない別の大陸も設定としては存在していまして。今回はとくに、月(嘆きの海)から見上げたアーテリス=惑星ハイデリンを画として用意しないといけないので、全世界地図を描きました。

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――あれを見ると明かされていないメラシディア(エオルゼアの南方にあるとされる大陸)の形なども観察できると。

織田そうですね。今回、ひとつのフィナーレを迎えましたが、「これですべての冒険が終わったな」という感覚にしてはいけないと思っていました。MMORPGなので、ある程度は広がりを用意しておかないといけない。今回はスケールの大きい宇宙に行ってしまったからこそ、自分たちの住んでいる星を見ると、まだまだ解明されていない場所があるというのを言葉でも伝えられましたし、グラフィックでも伝えられたかなと思います。あとは素材をどう料理するか、だと思います。(吉田氏を見ながら)つぎの10年を考えている人がいるらしいですからね(笑)。

吉田鏡像世界もありますし、マルチバースだと言い張れば何でもできる(笑)。「宇宙の最果てまで行って、絶望と戦って、つぎは何と戦うんだろう……」という意見もいただいているのですが、過去の『FF』シリーズでは“無”と戦ったり、まだまだいろいろな可能性があります。とはいえ、今回は絶望と戦ったので、つぎはそれよりも強大な存在と、というように、物語のスケールがインフレを起こしまくるのも違うと思っています。ひとまずは、ラストシーンでゼノスが“冒険者”に戻してくれたので、あらためて“冒険”をすればいいのかな、と思っています。僕たち開発チームも、プレイヤーのみなさんも、引き続き冒険の旅を楽しみましょう、という心境です。

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《志村けんさん3回忌》「お前、なんだその髪は!」志村けんの逆鱗に触れた“頭髪激怒”事件 愛弟子が涙で振り返った - 文春オンライン

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「志村さんの付き人時代のお話や、教えていただいたことを自分の言葉で伝えるというのが僕のここ十年来の夢でした。その夢は新聞のコラムや書籍、ドキュメンタリー番組というかたちで叶いましたが、皮肉にもそれらはすべて志村さんが亡くなったことで僕に来たお仕事でした。今も志村さんの名前をお借りしているままなので申し訳なさの気持ちの方が大きいですが、その芸に対する厳しい姿を責任を持って語り継いでいきたいです」

乾き亭げそ太郎さんの家にある志村けんさんの祭壇

 2020年3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった志村けんさん(享年70)。昭和、平成、令和とお茶の間を笑わせ続けた“笑いの神様”志村さんの傍に7年間365日ずっと付き添っていたのが、付き人兼運転手だった乾き亭げそ太郎氏(51)だ。現在は故郷で鹿児島テレビ(KTS)のタレントとして活躍する氏は、志村さんの3回忌を前に以下のように想いを語った。

「最期の別れをできなかったせいか、今も現実味がないのが正直な気持ちです。ただ、街で番組のロケをしていると、僕にアイーンをしてくる志村さんのファンの方が多くいて、日本中の方に愛された偉大な師匠だったと改めて思います。特に周りに気を配ることに厳しい師匠でしたが、志村さんのもとを離れたら、それがすべて自分への優しさだったということが身に染みてわかります。相手が何をしたいのか、それを先取りすることは芸に繋がります。まだまだ志村さんのことを知りたい方がたくさんいるので、僕の知っている志村さんを皆さんにお伝えしていきたいと思っています」

 笑いの神様は今も皆の心の中で思い出とともに生き続けている。志村けんさんの知られざる私生活から笑いの哲学、師匠と弟子の秘話を収録した記事を再公開する。(初出:2020年4月23日 年齢、肩書等は当時のまま)

◆◆◆

「何が恩返しかというのは今もわからないんですけど、僕は鹿児島の(自分の)番組に志村さんをゲストに呼んで、ここまで成長できましたという姿を見ていただくのが夢でした。それが僕にできる恩返しだと思っていたので。できなくなってしまったのが、残念で申し訳ないです。頭ではわかっているのですが、まだ信じられず、お墓参りをしたときに“もう志村さんはいない”とわかるんだと思います」

 そう語るのは、新型コロナウイルスによる肺炎で3月29日に亡くなったお笑いタレントの志村けん(享年70)の愛弟子で、現在は故郷の鹿児島でご当地レポーターとして活躍している乾き亭げそ太郎氏(49)。90年代の多忙を極めた志村と7年間、365日ずっと傍らにいたのがげそ太郎氏だった。

98年頃、番組でスウェーデンへロケへ行ったときの1枚。志村さんとげそ太郎氏(右)

 4月18日からYouTubeで1987年~1996年に放送された「志村けんのだいじょうぶだぁ」(フジテレビ系)が次々と公開され、1本目の動画の再生回数は410万回を超えた。天国へ旅立っても尚、人々に笑いを届け続ける喜劇役者・志村けん。前回の記事では語り尽くせなかった師匠・志村けんの横顔を愛弟子が振り返った。

「普段から志村さんはよくニュースをご覧になっていました。スポーツ紙も全紙購読していて、忙しいときは車中に持ち込み、隅々まで目を通していましたね。そこから世の中の流行りや若者のブームなどの情報を取り入れていました。毎朝欠かさずニュースを見る理由について志村さんは、『常識を知らないと非常識はできないぞ。コントでも非常識を演じたりするけど、常識の範囲をすべて知らないと面白さは表現できないから。相手と会話をしていて“これ、知ってる?”と聞かれて、知らなかったらそこで終わってしまうだろ? 知っていて知らないふりをするのと、知らなくて知らないふりをするのはまったく違う』と、教えていただきました」

志村さん(右下)とダチョウ倶楽部のリーダー・肥後克広(奥中央)と上島竜兵(右上)、左上がげそ太郎氏。98年頃、海外での番組収録で

 げそ太郎氏は、情報番組「かごニュー」(KTS鹿児島テレビ)で街中をレポートしているが、どの現場でも師匠の言葉を守り、社会の出来事を毎日意識しているという。しかし、志村は日々のニュースだけではなく、常にコントのヒントを探し求めていた。

情報番組「かごニュー」現場でのげそ太郎氏

月30本の映画を見てコントのヒントを探していた

「毎日帰宅が深夜だったのですが、志村さんは『どんなに酔って家に帰っても、俺は映画を観るようにしている。コントに大切なヒントやカメラのアングルも参考になる』と話していて、いつ寝ているんだろうと思いました。いつも仕事の移動中にCDショップに立ち寄り、月3、4回ほど新しい映画のDVDを10本くらい買われるんです。志村さんに『これは面白かったぞ』と、ホラー映画や、中国のロマンス映画などを勧められたりしました。舞台前には『為になるから見とけよ』と、昭和の喜劇役者だった藤山寛美さんの『松竹新喜劇』のビデオを貸していただき、何度も見て勉強しました」

 厳しい芸の世界で、弟子が師匠にものを尋ねることはご法度。志村の弟子について間もなかったげそ太郎氏は、思わずしてしまった質問で志村の機嫌を損ねてしまったという。

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16歳のレオンが見たロンドン・ファッションウィーク(若月美奈) - 繊研新聞

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ロシアによるウクライナ侵攻が始まる直前、パンデミックの終結を祝うようなムードで22〜23年秋冬ロンドン・コレクションが開催された。

誕生日を迎えて16歳になったレオンも再びコレクションに駆けつけた。COVID パスのチェックが最優先で、それをクリアすれば比較的簡単に会場に入れた前回と違い、インビテーションチェックも厳しく入場できないショーもあった。

もっとも、バックステージや展示会取材など新しい体験もし、コレクションをより幅広く知ることができた。今回、レオンは何を見て、何を感じたのだろうか。Z世代の本音を探る。

レオンって誰?っという方は、まずは前シーズンのコレクション体験記をご覧ください。

≫≫若月美奈の過去のレポートはこちらから

——ロンドン・ファッションウィークが終わって2週間。世の中がガラッと変わってしまって、平和だったロンドンが懐かしい。

戦争の危機はまだだったけれど、30年ぶりと言われる暴風雨に見舞われて大変だった。

——そうだった。傘もコートもスカートも舞い上がる始末。それも今となっては懐かしい。学校にはロシア人やウクライナ人のクラスメートがいると思うんだけど、どう?

ニュースではいろいろ見るけれど、学校ではそれほどの変化はないと思う。ロシア人とかウクライナ人のクラスメートはいる。ロシア人の女の子がウクライナを支援するというインスタグラムの投稿をリポストしたのを見た時は悲しかった。自分がロシア人ということで非難されることを恐れたのだと思う。でも、みんなあまり話題にしていない。今年はGCSE(16歳で受ける全国統一試験)を控えていて、頑張りなさいって言う先生に、「戦争になったら試験なくなる」って言う生徒がいたりするけれど。

——パリ・コクションでは、たくさんのデザイナーがウクライナ支援のアピールをしている。英国ファッション協会も3月3日に声明を出した。批判するのはロシア政府であって、ロシア人デザイナーではないということを明記して、ウクライナ支援サイトのリンクをつけ、ロシアへの輸出を停止する意向などをアピールしている。

これからはウクライナ人だけなくロシアの一般人にとっても辛い日々が来るんだなあと思う。

——レオンはティーンエイジャーになった途端にコロナになって、次は戦争の危機。物心ついてある意味人生のとても楽しい時期にこんなことになってしまったのだけれど、その辺りはどう?

あまりそれは感じていない。僕達の世代にとって、情報はデジタルで入って来るもので、それはコロナになろうがなるまいが変わらない。大人は仕事を失うなど大変なこともあるかもしれないけれど、学生は学生であることに変化はない。

——そうか。結構クールなんだね。では、今シーズンもコレクションを振り返ってみましょう。2シーズン目ということもあり、いろいろなことが見えてきたんじゃないかな。

前回はシモーン・ロシャとかチャールズ・ジェフリーなど、一部の自分が好きなタイプのコレクションに感動したけれど、今回はある意味全部良かった。それぞれの良さが見えてきたってことかな。例えばハルパーン。とても素晴らしかった。自分の世界とは全く違うあんなグラマーなコレクションが好きって思った自分自身に何よりもびっくりした。

ハルパーン Photo: Charlie Wheeler

——ハルパーンに感動とは本当にびっくり。

クオリティーとかディテールとか素晴らしかった。きっと前シーズン見ていたらそう思わなかった。今回はショーも服自体も、もっと深く見えるようになったんだと思う。

——今シーズンのベストコレクションはハルパーン?

それは違う。なんといってもリチャード・クイン。ショーも服も全てが素晴らしい。とてもエモーショナルなショーだった。前回はシモーン・ロシャを見てものすごく感動したけれど、今回はちょっとがっかりした。期待が大きすぎたのかもしれない。というか、リチャードが良すぎたのかも。シモーンも決して悪くない。コレクションとしてはハルパーンより好きだった。

——では、4日間に見たショーをざっと振り返ってみるね。

2月18日 金曜日

15:00 コーナー・アイブス

The VSCO Girl

——まず最初はセントマーチン卒のアメリカ人新人デザイナー、コーナー・アイブスのデビューショー。金曜日だけれど学校はハーフターム(英国では春、夏、冬の長期休暇の他に、各学期の中間に1週間に中休みがある)でお休み。

最初のショーということもあってとても楽しかった。一体一体がそれぞれ違ったキャラクターを表現していて、その中にはヴィスコガール(VSCO GIRL)といったクラスメートの女の子たちが夢中になっていたソーシャルメディアのトレンドスタイルもあった。そんな身近なスタイルが新作として登場するなんて面白い。

——このコレクションは自分の生まれ育った故郷のアメリカがテーマだったのだけれど、それ以上に若い子に人気のY2K(2000年代初頭)ファッションを感じた。

今、アメリカって言葉を聞いて、まさにそれだと思った。僕たちイギリスのティーンエイジャーはアメリカから発信されるソーシャルメディアに夢中で、アメリカのトレンドがそれを通じてイギリスに入ってきている。ティックトックでもアメリカのインフルエンサーの映像を見てお手本にしている。まあ、今現在というよりロックダウン前後の傾向かもしれないけれど。あ、でも今はみんなアメリカのテレビドラマシリーズ「ユーフォリア(EUPHORIA)」に夢中。このコレクションは、イギリスにいる人がスマホを通してアメリカを覗いているような世界感を感じた。

17:00 マーク・ファスト

——このショーもローライズのフレアパンツなどY2Kを意識したショーだった。でも、デザイナーのマークは年齢的にはぐっと上で、大人目線の若者トレンドのコレクション化って感じかな。

僕のタイプじゃないけれど面白かった。

18:00 マティ・ボヴァン

Photo: Rebecca Maynes

——さて、マティ・ボヴァンはウールマークプライズを受賞するなど、注目の若手。会場には有力ジャーナリストがいっぱい集まっていた。

ショーは面白かったけれど、あまりピンと来なかった。とても強いコレクションだけれど、明快な何かがなかった。僕はどこかもっと綺麗なものを求めていたのかもしれない。そうは言っても、コレクション全体の中ではベストコレクションの1つだと思う。いろいろなことを考えさせられたショーという意味ではいいショー。つまらないショーは何も感じない。

——そういえば、マティ・ボヴァンもテーマはアメリカ。ボーイフレンドの故郷であるコネチカット州に2カ月間滞在してこのコレクションを作り上げた。なんだか頭の中がどんどんアメリカに引っ張られていく。

19:00 S.S.デイリー

——前回のドラマチックなショーに続く2回目のショー。比べてどうだった?

好きだった。もし、前回のショーを今見たらもっと理解してもっと好きだったかも。続けて見るといろいろと見えてくる。

20:00 ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション

DIRK VAESSENさんのフットウエア Photo: Roger Dean

——そして1日目の最後はMA(修士課程)の卒業ショー。ウェアだけでなく靴やファッションアーティファクトというアートとファッションの間のようなコースの作品もあった。

僕は3番目に登場した靴のコレクションが一番好きだった。木の靴でちゃんと歩けないけれど、引きずって歩く様子からいろいろインスピレーションをもらった。

2月19日土曜日

12:00 アルワリア

——さて2日目。朝一番のネンシ・ドジャカはどうして来なかったの?

寝てた。

——そっか。で、その次のユードン・チョイが終わった時に会場の外で私と合流した。そこで知り合いができたんだよね。

彼のことは前シーズンから知っている。ショーが終わるとフォトグラファーからデーターを受け取って、オフィスに行ってサーバーに落とす仕事をしているそう。次から次へと会場を回るけれど、ショーは見ないでオフィスとの往復だけ。面白くないって言っていた。彼はセントマーチンの学生。

——そうだよね。学生アルバイトでもなければなかなかできない仕事。そうやって、コレクションにはいろんな仕事をしている人がいることもわかってきたね。というわけで、この日最初に見たのはアルワリア。このデザイナーもさまざまな賞を受賞している注目の若手。ナイジェリアとインドのハーフ。

実はあまりよく覚えていない。床に造花のバラの花びら散らばっていたのは覚えているけれど。クロスカルチャーってみんなやっていて新鮮じゃない。というか、服はクロスカルチャーだけれど、そこから訴えかけるものがあまりなかった。

——うーん、手厳しいね。

13:00 エフティシア

——このブランドは前回はカジュアルに振れたけど、ブランドのオリジンである若手デザイナーの作るオフィスウエアに戻った。

前回より今回の方が良かった。微妙なディテールで差別化したオフィスウェアってアリだと思う。

16:00 ロビン・リンチ

——その前のモリー・ゴダードはトライしたけれど入れず、次に見たのはロビン・リンチ。ショーがはじまった時には結構いいねって言ってたけれど、終わった時には弱いなって一言。

悪くない。リアルクローズとしてこういう服もアリだと思う。

17:00 ハルパーン

——そして問題のハルパーン。ギラギラのハルパーンスタイルに戻った。

昔のセレブリティーを思い出した。別世界を見ている面白さかな。

——そういえば、このデザイナーもアメリカ人。

19:00 ラブラム・ロンドン

——続いて、黒人デザイナーによるクロスカルチャーなコレクション。

正直、このショーも服のことはよく覚えていない。最初にライブミュージックの演奏があって、向かい側に座っていたケイト・モスの娘のお父さんであるジェファーソン・ハック(デイズドメディアの共同創始者)が目を瞑ってその世界に陶酔している姿を見て、僕もそうしなければいけないと目を瞑ったけれど、長いから飽きちゃった。

20:00 リチャード・クイン


——2日目の締めくくりは今シーズンのベストショー。どこがそんなに良かったの。

ショーも服もオーケストラによる音楽もすべてが好きだった。ピンクの部屋が非現実的で、ロボットのようなモデルがとてもストロング。映画「2001年宇宙の旅」(1968年)の最後の場面を思い出した。それまで日常の中にいるのだけれど、突然非現実的な世界に入る。普通に街を歩いていた自分が非現実的なショーの世界に飛び込んだようで、そう思ったのかな。日本のアニメ映画「メモリーズ」(1995年)の「彼女の想いで」も頭をよぎった。

——終わった時にモデルが歩くときの衣擦れの音に感動したって言ってたよね。

布地の音だけでなく、スパンコールが擦れる音も聞こえた。ファッションショーって見るだけじゃなく、音楽だけじゃなく、部屋だけじゃなく、音でも感動できるんだと思った。60年代風だったり、フェティッシュな場面があったりとてもドラマチックだけれど、どこか悲しい。最後に子供みたいに小さいライラ・グレース・モス(ケイト・モスの娘)が花束持って出てきたのもとても良かった。

ライラ・グレース・モス

——今回は、デカダンなネオクラシックというこのデザイナーの原点に戻ったようなコレクションで、パワーがあったね。それにしても、あの人数制限の厳しいショー会場にどうやって入ったの?

4人チケットない人が入り口にいて、PRの人はスペースがあれば入れてあげると言っていたけれど、最後まで誰も入れてもらえなかった。そして最後の最後に、その人が一瞬中に入った時、警備員に「そこに1人分のスペースがあるから入っていい?」って聞いたら、僕だけ入れてくれた。

2月20日日曜日

11:00 セントラル・セントマーチン美術大学MAショー

——3日目の日曜日はセントマーチンの卒業ショーでスタート。

すごくカオスなショーだった。同時に違う人のコレクションがあちらこちらに登場して。服はアップサイクルがいっぱい。ラフ・シモンズっぽい服があったり、キャロル・クリスチャン・ポエルの手袋のディテールと全く同じデザインが出てきたのには驚いた。えー、それっていいのって思ったけど、自分の好きなデザイナーに敬意を表しているっていうことでアリなのかな。

——コピーしているというより、無意識にどこかで見たものを出してしまうっていうこともあるかもしれない。

17:00 ステファン・クック

——日曜日はショーの中休みがあったので次は夕方のステファン・クック。

微妙なディテールとか美しかった。クレバーだけどエモーションはない。でも、着てみたいと思った。

——メンズだけれど、私も着たいと思った。

18:00 シモーン・ロシャ

——そしていよいよシモーン。

うーん。強いショーだったけれど…

——期待はずれだったんだよね。今、インビテーションってほとんどデジタルで、フィジカルのものは届かないのだけれど、シモーンは郵送されてきた。4つ折りにされた紙を広げると、白い羽根が1枚入っていた。今回のショーは「リルの子供たち」というアイルランドの神話がテーマだったのだけれど、それは嫉妬深い継母によって、アイルランド王の2人の娘と2人の息子が白鳥に変えられ、900年後に人間に戻ると死んでしまうというお話。羽根はそのメッセージだった。

僕はきっとそのテーマがよく理解できいなかったからピンと来なかったのかもしれない。でも、服自体は前回とそれほど大きな変化はなかったよね。

——シモーンは揺るぎないシモーンのスタイル、シモーンのアイテムというものがあって、毎回違ったテーマを掲げてそれにそってアレンジしていくクリエイション。もちろん少しずつその土台となるものも変化してはいるのだけれど。きっと、もう1シーズン見るといろいろ見えてくると思う。新しいデザイナーの良し悪しは3シーズン見てから判断するものだって言われているし。

ショーが終わったらバックステージに行った。シモーンがコレクションを説明しているのはよく聞こえなかったけれど、ドーバーストリートマーケットのエイドリアンさんもいたりして、すごく楽しかった。

19:00 ファッション・イースト

——そして、次の新人合同ショー、ファッション・イーストに行こうと外へ出たらものすごい雨と風で、傘なんてさせなくてびしょびしょで、不便な東ロンドンの会場へ行くのは諦めて帰ろうと思った。でも、レオンがGoogleマップで調べて、地下鉄乗り継いで24分で行けるから行こうって連れて行ってくれた。で、到着して席に着いたらショーが始まった。感謝。

でも、僕は入れてもらえなかった。外からなんとなく見えたのと、バックステージで服を見た。ショーはどうだった?

——悪くないけど、3ブランドどれもこれぞといった強さはなかったかな。ファッション・イーストってこれまで何人も優秀なデザイナーを発掘してきたので、期待したいところだけれど。

2月21日 月曜日

13:00 ヴィヴィアン・ウエストウッド

——4日目はヴィヴィアンの展示会でスタート。結局午後からだったけれど、学校は行かなかったんだよね。

事前にワークエクスペリエンスということでお休みの許可とってあったし、行ってもすぐに出なければならないので行かなかった。

——で、初めてのショールーム取材はどうだった?

ジュースがすごく美味しかった! 

——え、それだけ?

面白かったけれど、感動しなかった。パリで発表するラインと違って、このラインは広く売るためのもの。今回は寅年にちなんでタイガーが1つのテーマになっていたけれど、中国人マーケットを意識したものだよね。ここ最近、ヴィヴィアンってまたとても人気が出ている。でも、みんなが好きなヴィヴィアンって、昔のヴィヴィアン。だから今回も過去のコレクションのテーマを復刻させている。

——今回のテーマである「ワイルドビューティー」は2001年秋冬コレクションからの引用。実は前回は98年春夏コレクションからの引用だった。なんだか毎シーズン原稿書く時に、本棚から昔の掲載誌を引っ張り出して確認している感じがする。でもね、服や物だけでなく、アイデアやデザインのリサイクルってアリだと思う。素晴らしいものは過去に葬らずに、リサイクル、というよりアップサイクルして広く紹介するべきだと。

14:00 スプライヤ・レレ

Photo: Shaun James Cox

——このデザイナーは私も久しぶりに見た。ファッション・イーストでデビューした時は、インド人らしいボディに布を流したデザインが特徴だったけれど、ずいぶん変わった。

今のファションソサエティーにパーフェクトフィットする服だと思う。今みんなが好きな服だから、インフルエンサーにもうける。会場にもヴィクトリア・ベッカムが見に来ていたりして。僕は好きじゃないけど、いい服なんだと思う。

——素晴らしいデザイナーって、人々が自分がそれを求めていたことに気づかなかったような新しい服、新しい価値観をクリエイトする人だって言われるけれど、それは何百人、何千人に1人でそうそう現れないもの。そんな天才には届かないけれど、優等生デザイナーはいっぱいいて、彼女はその1人だね。

16:00 ポール&ジョー

——このコレクションはハイウエストのバランスが新鮮だった。デザイナーのソフィーの息子、エイドリアンによるメンズのデビューもあった。

レディスは、ショーで見る以上に実際に女性が着たらとても綺麗な服なのかと思う。ショーの後、賑やかなバックステージも入れて楽しかった。

19:00 オズワルド・ボーテング

——その後、フェン・チェン・ワンのプレゼンテーション見て、レジーナ・ピョウに行ったけれどレオンは入れず、最後にオフスケジュールのオズワルド・ボーテングを見た。サヴォイシアターでの大掛かりなショー。

これはセレブレーションだった。アーティストも登場してロックダウンから脱したことを祝うようなイベント。でも服はオールドファッションだった。

——このデザイナーは90年代に活躍して、ジバンシィのメンズのクリエーティブディレクターも務めた。パリのラグジュアリーブランドが最初に起用した黒人デザイナー。それにしても、今回のショーは90年代そのままの感じが否めなかったな。なんたって1時間押しでスタートするあたりもバリバリ90年代。

着物風のジャケットがあったりして、小さい頃飛行機の中で見た通信販売の雑誌に出てくる服みたいだった。

——そして、私は原稿書かなければならないので帰ったけれど、レオンはパーフェクトマガジン主催のパーティーに行った。翌日の最終日はほとんどショーがなくて、実質的にこれが打ち上げみたいなパーティーだったから、そこで終了っていうのはいい流れだったね。

楽しかった。来シーズンデビューショーをするヘンリー・スタンフォードという若いデザイナーと知り合い、ショーに招待してくれることになった。今回のファッションウィークは入れないショーもあったけれど、それはそれでいい経験をしたと思う。

——で、こうしてコレクションを振り返ってみて、今どきの3つの話題に全く触れていないことに気がついた。プラスサイズモデル、ジェンダーニュートラル、そしてサステイナビリティー。とりわけプラスサイズモデルはあらゆるショーに登場して、ものすごい変化を感じた。前シーズンからショーを見はじめたレオンにとっては普通に映るのかなあ。

確かに今回は前回より増えた。そういえば、ロックダウン中、僕のまわりの若い子はソーシャルメディアを通してボディーポジティブなことに夢中になっていた。レイシズムなどもそうだけど、そこではいろいろな人がいろいろな意見を発してそれを共有できるので、どんなに影響力のある人の発言をも上回るパワーがある。だから、そういうことが物凄いスピードで進んでいる。

——シモーン・ロシャが男性モデルをさりげなく混ぜていたり、マティ・ボヴァンはレディスなのにモデルの大半が男性だったりしたけれど、全く違和感なかった。ジェンダーニュートラルもそうやって一気に進んだ感じ。

男性が女性の服を着ると、女性の服ってどういうものか考えさせられて面白い。女性が着ていたらそんなこと考えない。

——なるほど。ダイバーシティーもそうだけどサステイナビリティーも今回全く話題にしなかったのは、少なくとも私たちの意識の中では、この1年でそれらがすっかり当たり前のことになったということかもね。

≫≫若月美奈の過去のレポートはこちらから

あっと気がつけば、ロンドン在住が人生の半分を超してしまった。もっとも、まだ知らなかった昔ながらの英国、突如登場した新しい英国との出会いに、驚きや共感、失望を繰り返す日々は20ウン年前の来英時と変らない。そんな新米気分の発見をランダムに紹介します。繊研新聞ロンドン通信員

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