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Wednesday, March 30, 2022

将棋駒でウクライナ支援 山形県天童市 [ウクライナ情勢] - 朝日新聞デジタル

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 将棋駒の名産地として知られる山形県天童市の天童商工会議所は、ウクライナの国旗や国花をあしらった飾り用の「根付(ねつけ)駒」を開発した。ロシアによる軍事侵攻で多くの国民が避難を余儀なくされた同国支援のためだ。現地の様子に心動かされた職人たちも協力した。

 根付駒は縦3センチ、最大幅2・6センチ、厚さは最大7ミリ。高級駒に使われる黄楊(つげ)材だ。スマートフォンやバッグの飾りになるようにストラップが付く。

 表面はウクライナ国旗の青と黄の2色が塗られ、「馬」の字を反転させた天童独自の縁起駒「左馬」と、ウクライナの国花のヒマワリと「平和」の文字が刻まれたデザインの2タイプがある。

 「戦いをゲームに転化した将棋によって平和の願いを発信したい」

 同商議所の賑(にぎ)わい創出プロジェクト委員会でコーディネーターを務める松田道雄・尚絅(しょうけい)学院大教授(61)は、そう話す。

 「将棋の聖地」をめざす同商議所はこれまで、「コマノミクス」と銘打った事業で、通常の将棋より少ないマス目で対局できる「66(ろくろく)将棋」や駒の形の器に盛られた「将棋ざるそば」などを開発してきた。

 ロシアがウクライナに軍事侵攻をした直後、松田教授が新たなコマノミクスの事業として根付駒による戦災地の支援を提案。将棋駒を作る天童市内の二つの事業所に制作を依頼した。

 そのうちの一つ、将棋駒専門店「ホリコシ」の社長、後藤毅さん(45)は侵攻が始まった日、職場で従業員からツイッターを見せられた。ウクライナの将棋道場で現地の愛好家が自社製の駒を使い、将棋に情熱を傾ける様子が日本語でつづられていた。

 「それを見て感動しました。ウクライナの人たちを支援したいと考え始めたころに根付駒の依頼が舞い込み、うれしかった」

 根付駒は市内の道の駅天童温泉で展示。両事業所が5月末まで受注販売する。1個1100円(税込み)。収益の一部(1個あたり200円)を国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じてウクライナ側に寄付する。

 「『戦う』や『攻める』といった行為と言葉を人間の文化として作り上げた将棋で、世界に反戦と平和を訴えたい」

 松田教授らの思いだ。(辻岡大助)

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