「志村は笑いの王様だった」。ザ・ドリフターズの加藤茶(79)、仲本工事(80)、高木ブー(89)による大座談会「志村けん三回忌だョ!全員集合」を全文転載します。(「文藝春秋」2022年6月号より、全2回の2回目/前編より続く)
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キャンディーズとの共演
仲本 決め事で言えばさ、俺たちはスタジオに入ってるお客さんだけを笑わせるって考えだったよね。テレビの向こうの視聴者はもういいと。とにかく目の前のお客さんを笑わせて、その雰囲気を撮ればいいってみんなで言ってたよ。
高木 それこそ体操コントなんか、スタジオのお客さんが「成功するのか」ってハラハラ応援しながら見てたよね。仲本さんは倒立したり、バック転やバック宙もやってた。今思うと、ずいぶん本格的だったよ。
仲本 やってたね。
加藤 あのコーナーはゲストもたくさん出たよな。
仲本 ピンク・レディーと組体操したり、西城秀樹とトランポリンしたり。キャンディーズも何回も出てくれたね。
加藤 キャンディーズはいつも喜んでやってくれたのを覚えてる。それが一番なんだよ。どんなにつまらないものでも、嫌な顔しないで笑ってやってくれると客はウケちゃうからさ。
仲本 嫌がる人もいたけどね。
加藤 ああ、「私はできない」って、リハーサルで帰っちゃったりしてな。こっちもそれなら仕方ないっていう感じで。でも俺たちは、ゲストができないことや、難しいことは絶対にやらせなかったよな。
仲本 本人ができる範囲のことをやってくれれば、こっちで受け止めるっていう考えがあった。
加藤 そうそう。
仲本 まあ、体操やるにしろ、三味線やるにしろ、たとえコントでも基礎がきちっとできていないとさ。やるからには本物でないと、それを壊したときに面白さが出ないんだよね。だからもう、みんな必死に前の日から稽古してたよ。
加藤 稽古はたくさんしたよな。何てったって生放送だから、本番で転んでぶつかって、ケガが一番怖い。痛そうな顔して深刻な雰囲気になると客も冷めちゃう。よくやってたと思うよ。「全員集合」は16年続いたけど、お蔭で大きなケガは1回もなかった。
仲本 小さい捻挫みたいなのはあったけどね。
加藤 今の芸人たちは、「まあ、できるだろ」ってな感じで、ろくに稽古もしないから、ケガするんだよ。
仲本 そういうニュースが多いよ、最近は。
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