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Tuesday, June 29, 2021

[TKUニュース 21.06.29 18:30 ] 7月豪雨からまもなく1年 宿泊客の命を守った温泉旅館の今(熊本) - テレビ熊本

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去年の7月豪雨からまもなく1年。あの日、ほとんどの旅館が宿泊客の命を守るために奮闘しました。そこで結ばれた客との絆。復旧に向けて歩みを進める温泉旅館の今をお伝えします。
真新しい法被に身を包み笑顔を見せる女性たち。
発災からわずか20日後に撮った写真です。
人吉市内10件の温泉旅館の女将たちで作る『さくら会』。
豪雨災害で甚大な被害を受けながらも、ただ一つとして『廃業』を選択する旅館はありませんでした。
【あゆの里 有村政代さんON】
「お互いにお元気なのかなとかそういう近況が全然分からなかったので、最初に会ったときは涙が出るくらい感激しましたね」
人吉の観光を支えてきた温泉旅館。
あの日、壊滅的な被害の中で最優先したのは『宿泊客の命』でした。
球磨川沿いに立つ『あゆの里』も当時100人の宿泊客が取り残されていました。
従業員もほぼ全員が被災。
それでも不安に駆られる客に寄り添い続けました。
「幸いにガスがあったんです。電気はだめだけどガスでご飯を炊いて、社員が団結して作り上げて、真っ暗な状況で電気もつきませんので、非常階段から運んで1部屋1部屋お届けした」
そして翌日、バスを手配し客の命を守り抜きました。
『あゆの里』だけではなく、他の旅館も同じでこの豪雨による宿泊客の人的被害は1件も出ませんでした。
そして始まる復旧に向けた長い闘い。
しかし、客が帰った後思わぬプレゼントが残されていました。
「大変な時に準備いただいてありがとうございます」「このことは一生忘れません。本当にありがとうございました」
客室に残されていた感謝のメッセージ。
中には、復旧活動の足しにと現金も置いてありました。
「社員みんな涙を流していました。お見送りしてホッとしましたね。それから自分のことを、それぞれ家も被災しているところもあるもんですから、そういう準備に向かったわけです」
たくさんの支えと励ましの声により徐々に元の姿を取り戻しつつある『あゆの里』。8月30日に、ようやく営業再開する予定です。
「球磨川と人吉城址(じょうし)の眺め、これは最高です。だからここを守っていきたい。どんどんお客さまに来ていただくのをお待ちしています」
こちらは明治時代から続く『芳野旅館』です。
【田口善浩支配人ON】
(1年たちますけどまだ?)「そうですね。ちょっと仮張りの状態なんですけど」
(まだ骨組みなんですね?)「そうですね。泥出しして壁落としした状態のままですね」
母屋をはじめ、建物の大部分が国登録の有形文化財に指定されているため復旧には時間がかかります。
「旅館は商品が建物で来てもらわないと売ることができない。建物が復旧して来てもらって初めて商売として成り立つ。そのもどかしさはすごくある」
それでも、もう一度再建へ動き出したのには理由がありました。
「泥まみれになった状況を見たときは、もうダメかなと思ったし、自力で再建できるのかという不安もあったので、(廃業を)決断するならその時かと思ったこともあった。でも温泉が出ていたので、それを見た時にやれるかなと思った。代々繋いできたものなので絶やすわけにはいかないというのと、待っているお客さんがいらっしゃるのでそれが一番の励みになっている」
たとえ時間がかかってももう一度この場所で。
現在は軒先におしゃれなコンテナを構え自慢の料理を提供しています。
「町の人も、芳野さん復旧に向けて動いてるね、と見てもらえる。これで儲けようとかではないが、少しずつ進めてるというのを見てもらおうかなとやっている」
『芳野旅館』は今年の秋にも一部で営業を再開。
受け継いできた文化財を最大限残しながらリニューアルし来年秋の全面再開を目指します。
あの日から間もなく1年。『さくら会』に所属する10軒の旅館のうち、再開しているのは4軒。
全ての旅館が復旧するにはもうしばらく時間がかかります。
これからも球磨川とともに。また全国からの客を笑顔でおもてなしができる日をそれぞれが待ち望んでいます

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