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Sunday, December 25, 2022

バイトで生計、過労で倒れ家賃払えず…どうすればいい ... - 東京新聞

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 突然の病気やけが、予期しなかった妊娠など、誰でも「この先どうすれば」とピンチに陥る可能性がある。「そんなとき、1人で頑張らなくてもいいと若者たちに伝えたい」。NPO法人「Social Change Agency」(東京都文京区)代表で社会福祉士の横山北斗さん(38)が、セーフティーネットの仕組みを物語仕立てで紹介する「15歳からの社会保障」(日本評論社)を出版した。 (早川由紀美)

「憲法が保障する生存権を実現するために社会保障制度はある」と説明する横山北斗さん=東京都文京区で

「憲法が保障する生存権を実現するために社会保障制度はある」と説明する横山北斗さん=東京都文京区で

 本には10人の架空の人物が登場。突然の災難に見舞われたり、人生の岐路に立たされたりする物語を通じて、社会保障制度を紹介している。

 アルバイトで生計を立てながら、奨学金で学費を払っていたサトシは、無理がたたって倒れ、救急車で搬送される。両親は離婚し、育ててくれた母は亡くなっている。頼る当てがなく、家賃が払えなくなると頭を抱えるサトシに、大学の先生が市町村ごとにある自立相談支援機関の存在や、「住居確保給付金」などの制度を教えてくれる。

 自立相談支援機関では、「高等教育の修学支援新制度」や「無料低額診療事業」を教えてもらい、無事サトシは大学を卒業する—という筋立てだ。

 横山さんは社会保障制度の知識の重要性を自分の人生の中で味わった。中学生のときに小児がんになり「小児慢性特定疾病医療費助成制度」を利用した。入院していた病院の看護師長が両親に教えてくれたという。

 大学卒業後は医療ソーシャルワーカーとして病院に勤務し、入院患者や家族の困り事の相談に乗った。失業し、家賃が支払えなくなりインターネットカフェで暮らしていた人が、救急車で搬送されてきたこともあった。「大学では社会保障はセーフティーネットと学んだが、探さないと使えないという現実を突き付けられた」

 2年ほど前に、社会保障制度がどういうときに使えるかを義務教育段階で教える必要性をツイッターで訴えた。それを見た編集者から声をかけられ出版に至った。

 本では、社会保障制度は社会の実情に応じて「変える」「作る」ことができることにも触れている。「さまざまな人が声を上げ、政治に働きかけてきた歴史がある。自分たちもその主体になれると知ってほしい」と願っている。1650円。

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