Pages

Wednesday, July 20, 2022

「崩れ去る企業文化に危機感」、日本電産の永守会長が明かしたCEO復帰のワケ - ITpro

kukuset.blogspot.com

全1742文字

 「決算説明に入る前に、私が今回CEO(最高経営責任者)に戻った経緯について説明したいと思う」──。2022年7月20日にオンラインで行われた日本電産の2023年3月期(2022年度)第1四半期(4~6月)の決算会見。その冒頭、決算内容の説明に入る前に、同社の永守重信会長兼CEOは自身が2022年4月にCEOに復帰した理由について語り始めた。

 永守会長がCEOを譲った後、同社は業績も株価も悪化。だが、それ以上に同会長は、創業以来築き上げてきた企業文化、すなわち、「三大精神」が継承されなくなるのに耐えきれなかった。三大精神とは、[1]情熱、熱意、執念、[2]知的ハードワーキング、[3]すぐやる、必ずやる、できるまでやる、というもの。創業以来の約50年間、日本電産の成長の“エンジン”となってきた。三代目のCEOとして、永守会長はこの企業文化や精神の再強化を図る。

 同会長が語ったCEO復帰の理由は、以下の通り。

日本電産でCEOを兼任する永守重信会長

[画像のクリックで拡大表示]

日本電産でCEOを兼任する永守重信会長

第1四半期の決算発表の冒頭でCEO復帰の理由を語った。(写真:日経クロステック)

悪化する業績以上に心配したもの

 「私は、1973年に自宅で会社を創業して以来、ずっとCEOをやってきました。2021年に新しいCEO、現在の関(潤)社長が決まって、私も安堵していました。2021年に出版した本の中にも『やっと一流の人物が見つかった。これで私もCEOとはお別れである。今後は会社半分、京都先端科学大学などの財団の活動半分で仕事をしていきたい』ということを書きました。そして、その通りに行くものだと思っていました」

 「しかし、昨年の始まった決算を次々見ていると業績が非常に悪化していくという状況になりました。業績よりも私が心配したのは、企業の文化の継承です」

 「私は1973年の4月に私を含めて4人、3人の社員と共に自宅の納屋で創業し、それ以来50年近くかけて『日本電産というのはこういう会社です』という企業文化をきっちり作り上げてきました。『すぐやる、必ずやる、できるまでやる』『情熱、熱意、執念』、『立てた計画は必ず達成する』といったことをしっかり決めてやってきました」

 「ところが、この2年近く、私は非常に苦しい日々を送っていました。自分が選んだ後継者ですから、任命責任というのは重大です。ですから、できる限りそれを任せなければいけないと思って見ていました。しかし、残念ながら業績はどんどんどんどん悪くなり、株価は下がり、時価総額も下がっていきました。それ以上に、『決めたものは必ずやり抜く、どんなことがあってもやり抜く』という企業文化が崩れ去っていく姿を見て、私は非常に危機感を覚えました」

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 「崩れ去る企業文化に危機感」、日本電産の永守会長が明かしたCEO復帰のワケ - ITpro )
https://ift.tt/vljt2yz

No comments:

Post a Comment