2020年1月15日午前7時ごろ。兵庫県西宮市の会社員、吉田浩さん(50)は出社に備え、着替えているところだった。
突然、インスタグラムのライブ配信に招待された。
「久しぶり!」
画面の向こうに新庄剛志(50)がいた。
同学年の2人はかつて、阪神タイガースでプレーした仲間だった。同期で入団し、同じ外野手でもあった。
ただし、音信が途絶えて13年が経っていた。
新庄は日本を離れ、インドネシアのバリ島での暮らしを楽しんでいた。
吉田さんは、新庄をどこか遠い存在に感じていた。
大学生の長男と新庄の話題になったことがあったが、今さら連絡は取れないと思っていた。
新庄のインスタグラムをフォローして、それを見て楽しむだけで十分だった。
それが思いがけず、旧友とつながった。
スマートフォンの画面越しに話をして思った。
「何年会っていなくても、普通に会話している。こんなもんなんだな」
そこから、2人の新たな関係が始まった。
◇
吉田さんは阪神時代、高卒3年目でブレークした新庄を、一番近い場所で見ていた。
1990年代。チームは低迷し、「暗黒時代」と言われた。
ファンやマスコミの注目は、数少ないスター選手だった新庄に集中した。
新庄が寮に住んでいた頃は、夜遅くまで女性ファンが出てくるのを待っていた。報道陣に何かを語れば、それが翌朝の在阪スポーツ新聞の1面になった。
いつも息苦しそうだった。
2軍暮らしが長かった吉田さんは、深夜にラーメンや焼き鳥に誘い、愚痴を聞いてあげた。
ライバル意識は次第に薄れていった。並外れた身体能力には敬意すら覚えていたし、子供のように純粋な性格も好きだった。
◇
2人が再びつながってから13日後。
48歳の誕生日を迎えた新庄…
からの記事と詳細 ( 13年の空白を解いた涙 新庄剛志のコーチ打診を断った旧友の思い - 朝日新聞デジタル )
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