〈食卓ものがたり〉へきなんサラダたまねぎ（愛知県碧南市）：中日新聞Web - 中日新聞

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手作業でへきなんサラダたまねぎを収穫する小沢利英さん＝愛知県碧南市で

　三河湾に注ぐ矢作（やはぎ）川下流に広がる白い砂地の畑。踏み出した瞬間、足がずぼっと沈んだ。「この軟らかさが、いいタマネギを育てる」と、生産者の小沢（こざわ）利英さん（５９）は胸を張る。根を広げやすい分、水分をよく吸収できるのが理由の一つ。水はけがいいため、根腐れなどの病気になることも少なく、毎年、安定した収穫が望めるという。

　愛知県碧南（へきなん）市は、東海三県で最多のタマネギ生産量を誇る。早春に出回る早採りの新タマネギは、水分が多いのが特徴。ＪＡあいち中央の安面（あんめん）圭悟さん（３５）によると、中でも辛味の少ない極早生（わせ）種を選んでブランド化したのが「へきなんサラダたまねぎ」だ。

　畑を訪れた三月下旬は収穫が始まったころ。実がみずみずしく軟らかいため、収穫は機械を使わず、全て手作業だ。地面から突き出た高さ三十～四十㌢の葉を引っ張ると、丸々とした新タマネギがすぽっと顔を出した。

　同市周辺で、収穫時期が一年のうちで最も早い極早生種の生産が始まったのは二十年ほど前。北海道をはじめ大産地との競合を避けるのが目的という。

　「サラダ」という名の通り、地元では生で食べることがほとんど。スラ...

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