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Sunday, January 30, 2022

サラ・ジェシカ・パーカーが語る、「セックス・アンド・ザ・シティ 新章」の裏側。 - VOGUE JAPAN

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スタジオでの撮影から1時間後、サラと撮影クルーはニューヨークの街頭をバックに写真を撮ろうと、スタジオから数ブロック東、23丁目と8番街の交差点を訪れた。また別のリバティーンのつばの大きなハットをかぶり、同ブランドのキラキラと輝くコート、シアーなビーズ刺繍のプラダのドレスにミスマッチなホログラムパターンのSJPのパンプスという姿でサラは車から降り、近くの横断歩道へ向かう。カメラが見つめる中、この横断歩道を何度も往復する。すぐにこの光景を目にした人たちが集まってきた。その大半は20代から30代の女性だ。誰もがスマホを取り出し、このシーンを記録しようとしている。「ちょっと待って、こんなのゾーイはとても信じてくれないわ」と、ある女性は動画を撮影しながら、独り言をつぶやいていた。「サラ・ジェシカ、本当にきれいだよ、すごい!」と、若い男性が叫ぶ。「もう死にそう!」とジェネレーションZの女性が友人に感極まって話しかける。

サラがニューヨークの街角を闊歩している姿を見ていると、世の中がもとの姿を取り戻しつつある、ニューヨークが戻ってきた、という感慨が湧き上がる。サラとニューヨークは、エルヴィス・プレスリーにとってのメンフィスと同様に、特別な関係にある。髪を風になびかせ、フェンディのライムグリーンのスパンコールつきバッグを揺らすその姿は、キャリーが強盗にマノロとパープルのバゲットを奪われる、「SATC」の20年前のシーンから、少しも時が経っていないかのようだ。

だがもちろん、月日の流れは止められない。撮影から1週間後、私は再びサラと話をしていた。ちょうどこのとき、オリジナルの「SATC」と続編の両方で、ファンに大いに愛されたキャリーの最高の親友、スタンフォード・ブラッチを演じたウィリー・ガーソンが亡くなったとの一報が入ったからだ。ウィリーはがんを患い、闘病生活を送っていた。しかもこのわずか数日前には、SJPでサラのパートナーだったジョージ・マルクマスも、ビリーと同様にがんによりこの世を去っていた。電話口のサラの声は、数十年にもわたり公私両面で親しかった友達がふたり、立て続けに命を落としたことに大きなショックを受けているように聞こえた。

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