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Friday, May 29, 2020

印象派よりもバロック美術が好き? 休館中の美術館を訪れた"人間のような"ペンギンたちの姿が話題 - Business Insider Japan

ペンギン

The Nelson-Atkins Museum of Art

わたしたちが自粛生活を続ける中、世界中のペンギンたちは楽しい時間を過ごしている。水族館でシロイルカと会ったりケープタウンの街をぶらぶらしたり、美術史の授業まで受けている。

アメリカのミズーリ州にあるカンザスシティ動物園のペンギンたちは先日、ネルソン・アトキンス美術館を訪れ、バロック美術や印象派の傑作を楽しんだ。

3羽のフンボルトペンギンたちはカラバッジョやモネの作品を見て回り、その好みで美術館の館長を驚かせた。

美術館を見て回るペンギン

The Nelson-Atkins Museum of Art

美術館のジュリアン・ズガザゴイティア(Julián Zugazagoitia)館長は最初、ペンギンたちがモネの『睡蓮』を気に入るだろうと思っていたとInsiderに語った。

「ペンギンたちに『睡蓮』を見せたいと思ったのは、わたしたちのお気に入りの作品であるということと、とても穏やかで心地よい作品だからです」とズガザゴイティア館長は話した。「この絵の心地よさにペンギンたちが反応するかと思ったのですが、ペンギンたちはうろうろして、特に足を止める様子はありませんでした」という。

睡蓮とペンギン

The Nelson-Atkins Museum of Art

ペンギンたちはむしろバロック美術が気に入ったようだ。

「あちらの方が心地よさそうに見えました」とズガザゴイティア館長は語った。「より長い時間、熱心に見ていたようです。あちらの方が部屋は暖かく、壁は赤く、絵の中の動きも多いんです」という。

その上で館長は「ペンギンが人間との交流を楽しむように、絵の中の人間の姿を認識し、それを見ていたかどうかは分かりません。単純に巨匠の作品が好きだったのかもしれません」と付け加えた。

バロック美術を見るペンギン

The Nelson-Atkins Museum of Art

ペンギンたちを美術館へ連れて行こうというアイデアは、実はエイプリルフールのジョークとして始まった。

4月1日、ズガザゴイティア館長がカンザスシティ動物園のランディ・ウィスホフ園長に電話をかけ、営業再開に向けたプランを尋ねた。

「カンザスシティでは、特にアートや非営利組織の関係者の結束が固く、友好的な関係にあります。わたしたちはどうやって営業を再開するか、足並みを揃えるために話し合っているんです」とズガザゴイティア館長は語った。

「経営はどうなっているか、営業再開についてどう考えているか聞くために電話しました。その時、わたしがふざけて『そうだ、君のところのペンギンたちを何羽か美術館に連れてきたら? 』と言ったんです」

ペンギン

The Nelson-Atkins Museum of Art

「クレイジーなアイデアだと思われるだろうと考えていました。でも、彼は『もちろんだよ。いつやりたい?』と答えたんです。友人とのおふざけが現実になりました」

ペンギンの訪問計画は、動物園と美術館、両方のスタッフが協力して進めた。

「わたしたちはペンギンとアートの安全を一番心配していました。それがどのエリアなら大丈夫かを判断する決め手になりました」とズガザゴイティア館長は語った。

見て回るペンギン

The Nelson-Atkins Museum of Art

見学中は、飼育員たちがペンギンを後ろから見守っていた。

そして、ズガザゴイティア館長はペンギンたちの動きが美術館の普段の客(つまり人間)とよく似ていることに驚いたと言う。

「館内をうろうろし、こっちをちょっと見て、あっちをちょっと見て…… というペンギンたちの反応が美術館を訪れる人たちと本当によく似ているんです。大きな美術館では、人が集中して見る時間は平均で8~10秒と言われていますが、ペンギンたちもそのくらいだったと思います。思った以上に人間的でした」と館長は話した。

ペンギンたちはペルー出身のため、ズガザゴイティア館長はスペイン語で作品の説明もしたという。

ペンギン

The Nelson-Atkins Museum of Art

「動物の世界のことはよく分かりませんが、ペンギンたちを見ていると『おお、注意を払ってるな、関心を持っているな』と感じました」

美術館がペンギンたちの5月6日の訪問の様子を捉えた動画をYouTubeに投稿したところ、視聴回数は一気に伸び、海外でも話題になったという。

「一番のサプライズは、動画を楽しんだと人々からメールやコメントをもらったことです。明るくて、ちょっと変わったこと、ちょっとした楽しみを持つことが良いとされる時代なのでしょう」とズガザゴイティア館長は言う。

「今回のことは、思いがけない喜びとちょっとした楽しみを提供したのだと思います。動物園と美術館は、普段は物理的に離れていて、同じ日に訪れることはないでしょう。でも、わたしたちはこの2つを結びつけ、それが最高のサプライズになりました。ペンギンたちもとてもかわいくてお行儀が良く、素晴らしい1日でした」

ペンギン

The Nelson-Atkins Museum of Art

ネルソン・アトキンス美術館は5月29日現在、一時休館中だが、スタッフたちはその創造力を美術館のウェブサイトに注いでいるとズガザゴイティア館長は話している。

「この非常に困難な時期だからこそ、わたしたちは想像しなかったようなことを試してみたり、実行することができます。美術館にならって充実した面白いウェブサイトを提供することは、わたしたちにとって重要であり、これが人々の好奇心や思考力を刺激し、営業を再開した時にはもっと見に行きたいと思ってもらえることを願っています」

ペンギンたちが証明したように、美術館で過ごす1日には常に何かしらの学びがあるのだ。

[原文:A museum let a group of penguins wander its empty rooms, and they couldn't take their eyes off the paintings

(翻訳、編集:山口佳美)

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