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Sunday, January 28, 2024

宇宙で栽培されたレタスを食べるのはリスクあり - GIZMODO JAPAN

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宇宙ではサラダを食べるのも一苦労。

ランチタイムにサラダを食べる人は多いでしょう。でも、宇宙に行ったらサラダは食べない方がいいかも。というのも、宇宙で育った植物は細菌の量が多いみたいなんです。

宇宙サラダは人気メニューだが健康的ではないらしい

国際宇宙ステーションにはVeggieと呼ばれる宇宙ガーデンがあり、そこではレタスや白菜、レッドロシアンケールなどの野菜が栽培されています。それらは水分補給もできるし新鮮で歯応えもいい、パウチに入った食べ物が続く国際宇宙ステーションの宇宙飛行士たちにとって、癒しにもなっています。

ところが! 非常に残念なニュースが入ってきました。新しい研究によると、宇宙空間を模した微小重力環境で育てられた植物は大腸菌やサルモネラなどの菌に対して弱い可能性があるとわかったんです。

Scientific Reportsに掲載された最近の論文によると、「クリノスタット」と呼ばれる模擬微小重力実験装置の中で植物を回転させながら育てると、植物は平衡感覚を失いどっちが上か下かわからなくなったそうです。

植物は重力を感知する細胞を持っていて、そのおかげで根を下に茎を上に伸ばすことができます。また、葉や茎には「気孔」という小さな穴が空いていて、開閉することで二酸化炭素や水、酸素の交換をします。また、細菌などのストレスを感じると防御するメカニズムも持っていますが、植物が重力を混乱すると、ストレス要因があるのに気孔が開いてしまい防御機能が効果を発揮しにくくなったそうです。

この実験から、ISSのような模擬微小重力条件のもとでは、サルモネラなどの細菌が葉の組織から簡単に侵入できると結論づけました。

栄養素は同じだけど細菌量は高いみたい

2020年に発表された別の研究では、2014年〜2016年にISSで栽培された最初のレタスを収穫して分析した結果、栄養素の量は地球で育てられたレタスと同程度だったものの、細菌の量は高いように見えると報告されています。

ISSのVeggieシステムでは、土に変わる新素材のセラミックソイルと肥料が入ったピローにあらかじめ植えられた種を真空パックされた状態のものが使われています。ピローは、植物に水を供給するようにデザインされた根マットの上に置かれ、伸縮自在のロープで固定されます。こうした努力があっても、人間が同じ空間にいれば植物に感染する細菌や病原体が入ってきてしまうんですね。

宇宙で安全なサラダを食べるために

研究者たちは、植物の遺伝子を操作して宇宙で気孔を広げないようにする提案をしています。実は、すでに異なる遺伝子を持つ複数のレタスを模擬微小重力環境でどのような反応を見せるかの実験を行なっているのだとか。

「たとえば、もし気孔が閉まっているものをすでにテスト済みの開いてしまっているものと比較できれば、2つの異なる品種の遺伝子を比較できるかもしれません」と、デラウェア大学の植物生物学教授であり論文の共著者であるハーシュ・バイス氏は言います。

「感染症のアウトブレイクが原因でミッションが失敗するのは避けたいです」

宇宙のサラダにそんなリスクがあるなんて……。なんだか地球で食べるサラダに感謝したくなりました。

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