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Tuesday, August 30, 2022

「基地を笑う」はタブーか 沖縄の芸人がネタにする「人間の愚かさ」:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

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聞き手・田中聡子

 誰かの容姿をからかったり、暴力を振るったりするお笑いが問題視され、「人を傷つけない笑い」が求められるようになりました。「笑いがやりにくくなった」という愚痴も聞こえてきます。米軍基地をネタにしたコントをつくる沖縄のお笑い芸人の小波津正光さんに「タブーに挑む理由」を尋ねると、意外な答えが返ってきました。

こはつ・まさみつ 1974年生まれ。93年に演芸集団FEC入団。「基地を笑え!お笑い米軍基地」の脚本・演出を担当。

「沖縄の日常がコメディー」の理由

 ――「米軍基地のある沖縄」という笑いにくいテーマをネタにしています。難しさはないですか。

 「そもそも僕は、米軍基地をタブーだと思っていません。沖縄には当たり前のように基地があります。ネタにしていることも、沖縄の日常ばかりです。それが面白いのは、沖縄で起きている日常がコメディーだからです。基地反対運動の参加者が『基地のパーティーに行く』と言ってずっこける、死にかけているじいちゃんの遺言が飛行機の音に何回もかき消されて聞こえない。僕らのそんなコントも、『基地反対』と言いながら、基地で働くことに憧れたり、飛行機の音で学校の授業が聞こえなくなったりという沖縄の矛盾や悲しい現実を、大げさにしているだけです」

 「それを見て大笑いする沖縄の人たちにとって、僕らのコントは『人を傷つける笑い』じゃなくて『共感する笑い』だと思っています。笑っている沖縄の人たちは、『そうそう』『分かる分かる』と認めて、自分を棚にあげて笑っているのでしょう」

 ――以前コントを見た時、「自分は笑っていいのか?」という思いを抱きました。

 「本土の人がそう感じるのは…

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