囲碁AIのアルファ碁がトップ棋士に勝利したのは2016年のことだ。AIによる音声認識も日常生活に
AIは人間の知能を超えたのだろうか。本書によれば、答えは「ノー」だ。我々はトップ棋士に勝つことはできなくても、碁盤に碁石を置くことならできる。時間はかかるし精度も低いかもしれないが、辞書を片手に翻訳をすることもできる。それだけではない。翻訳をまとめた紙をホチキスで留めて、学校の先生に提出したりすることもできる。残念ながら、それらすべてをこなすAIは存在しない。我々は、不正確でいい加減かもしれないが、日常的なさまざまな事柄を遂行することができるし、未知の状況に陥っても学習することができる。トップ棋士を破ることができたAIは、書類をホチキスで留めることすらできない。
本書によれば、現時点における我々とAIの差は学習の仕方にある。我々は常に学習していて、脳内の世界モデルを常に更新している。現在のAIシステムの多くは、長い訓練プロセスを経て、完成品として運用される。これでは、絶えず変化し続ける現実世界に適応できない。
では、我々はどのようにして学習しているのだろうか。どのようにして英語の文章を見て、辞書を引きながら翻訳し、それをプリントアウトして、ホチキスで留めるのだろうか。本書はそれを「一〇〇〇の脳理論」という理論で説明する。脳の――とりわけ大脳新皮質の仕組みを理解する上で、目から
我々はみな、一流の研究者たちが何億円もかけて研究しても
からの記事と詳細 ( 『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論 (原題)A Thousand Brains』ジェフ・ホーキンス著(早川書房) 2860円 - 読売新聞オンライン )
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