政府の長期債務が1000兆円を超えたが、社会の危機感は希薄だ。安倍元首相の「日銀は政府の子会社」発言はその象徴だ Photo:123RF
国の長期債務、1000兆円超える
「財政危機」への危機感薄い国民
国の長期債務が今年3月末時点で1017兆1072億円と、1000兆円を超えたという。
GDPの2倍近い債務を国が抱え込んでいることになる。メディアはその意味するところを明言はしないが、「このままじゃまずい」という財政の状況に対する直感的なものも含めた緊張感があるからこその報道だろう。
だが、ネット上の反応を見ている限り、議論はたいして盛り上がっていない。
それもそのはずだ。内閣府の『国民生活に関する世論調査』を見てみると、上位に並ぶのは、社会保障やコロナ対策、景気対策、といった具合で、「政府に対する要望」の中で「財政健全化」は15位だ。
多くの国民は財政危機にあまり関心を寄せていない。なぜ国民は、GDPの2倍近い国の債務に関心を持たないのだろう。
そんな中で飛び出したのが、安倍晋三元首相の「日本銀行は政府の子会社」「(政府の借金は)心配する必要はない」発言だ。
日本の危うい状況を象徴しているように思う。
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