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Sunday, March 27, 2022

auケータイの顔が振り返る、3G端末「カンブリア爆発」の理由 - ITpro

kukuset.blogspot.com
3G、終わりの始まり

KDDI 砂原哲さん、近藤隆行さんインタビュー(前編)

堀越 功

日経クロステック

高槻 芳

日経クロステック/日経コンピュータ

全3764文字

 KDDI(au)の3Gサービス終了まであと数日に迫りました。本特集で触れた通り、3G時代は日本が端末開発で世界の先端を進み、独自のコミュニケーション文化を生み出すなど世界をリードしていました。なぜ日本は世界をリードでき、独自の端末やコミュニケーション文化を生み出せたのでしょうか。長らくauケータイの開発に携わってきたKDDI 5G・xRサービス戦略部エキスパートの砂原哲さんと、KDDIパーソナル企画統括本部プロダクト企画部企画1Gマネージャーの近藤隆行さんに、当時を振り返ってもらいました。(聞き手=日経クロステック堀越功、高槻芳)

KDDI 5G・xRサービス戦略部エキスパートの砂原哲さん(左)とパーソナル企画統括本部プロダクト企画部企画1Gマネージャーの近藤隆行さん(右)

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KDDI 5G・xRサービス戦略部エキスパートの砂原哲さん(左)とパーソナル企画統括本部プロダクト企画部企画1Gマネージャーの近藤隆行さん(右)

砂原氏は映像プランナーなどを経て1998年に第二電電(現KDDI)に入社。2002年にau Design projectを立ち上げ、2003年の「INFOBAR」を皮切りに70機種を超えるau Design project/iidaブランドの製品企画・プロデュースを手掛けた。現在は東京芸術大学とテレビ朝日とタッグを組み、次世代スターアーティストを発掘するYouTube番組「推しスタ」などに取り組む。近藤氏は1991年に中国セルラー電話(現KDDI)入社。初担当となったau初のカメラ付き携帯電話「A3012CA」(カシオ計算機製)を皮切りに、タフネスモデルのG'zOneシリーズや高画素カメラ搭載のEXILIMケータイなどを手掛ける。2021年には9年ぶりの復活となった「G'zOne TYPE-XX」のトータルプロデュースを担当し、話題を呼んだ(写真:日経クロステック)

メール文化を花開かせた、ポスト団塊ジュニア世代

 まずはこちらの写真を見てください。東京都多摩市にある「KDDI MUSEUM」の「au Gallery」の様子です。こちらでは2000年のauブランド発足以降、同社が扱ってきたすべての端末が展示されています。

 展示を見てひと目で伝わってくるのが、3G全盛時代のケータイがそれぞれユニークで、生物進化の「カンブリア爆発」のような多様な生態系を生み出していたことです。

歴代auケータイ/スマホがずらりと並んだ、KDDI MUSEUMの圧巻の展示

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歴代auケータイ/スマホがずらりと並んだ、KDDI MUSEUMの圧巻の展示

(写真:日経クロステック)

※KDDI MUSEUMは新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、2022年3月下旬時点、新規の見学予約受け付けを停止中

日経クロステック堀越(以下、堀):3G時代は、実に多様な端末が生まれていたことがひと目でわかります。スマホ全盛の現在からは考えられないほどです。当時なぜこれだけ多様な端末が登場し、さらには日本独自のコミュニケーション文化を生み出せたのでしょうか?

砂原哲さん(以下、砂):当時は業界の構造として、通信事業者を中心とした垂直統合だった点が大きかったと思います。端末のビジネス構造が今とは異なっていました。メール文化の走りは1990年代中盤でした。女子高生発の文化があり、PHSや初期のケータイに取り入れられました。3G時代にメール文化が花開いたのは、当時の若い世代であるポスト団塊ジュニア(1975年〜1981年ごろに生まれた世代)の文化と、ケータイの進化がリンクしていたからではないでしょうか。

堀:先日、NTTドコモが公開した「iモード卒業公演」の動画を見て気づいたのですが、この時代、一人1台の通信手段が手に入ったことで、コミュニケーション文化の爆発が起きたのではないかと感じました。

砂:そうですね。一人1台の端末が手に入り、メッセージを自由に送れるようになったのがこの時代です。それ以前は、部屋に固定電話の子機が入り、ポケベルで連絡を取り合っていました。彼女と連絡を取るのも大変でしたよね。メール端末が元気だった時代です。

日経クロステック高槻(以下、高):メールは非同期コミュニケーションなので、電話と異なり、いつでもつながるようになった点が画期的でした。

砂:確かにそれ以前は、電話する時間を決めなければならなかったり、長電話をする必要があったりしましたね。

堀:子供が中学生になるので、最近スマホを与えたのですが、ずっと友だちとLINEをやっています。それを見て、これまでつながらなかった相手といつでもつながるということは、最初のキラーサービスになるんだなあと思いました。

近藤隆行さん(以下、近):この時代のこの端末(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製「C1002S」)を見てください。こちらパネルの着せ替えができたんですよ。

ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(現ソニー)製「C1002S」 (2001年発売)

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ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(現ソニー)製「C1002S」 (2001年発売)

さまざまなデザインのパネルを着せ替えできた機種(写真:日経クロステック)

砂:ファッションとしてのケータイの価値が生まれだした時代ですね。

高:ソニーだからインターフェースもジョグダイヤルですね。懐かしい。

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