今後の事態は予断を許さないが、国際政治の常識が崩壊し、安全保障秩序が大きく揺らいでいるのは間違いない(写真はウクライナのオデッサで、歴史的建造物を守ろうとするウクライナの兵士) Photo:Scott Peterson/gettyimages
国家主権尊重の国際合意廃棄を
止められなかった二重のショック
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、首都の制圧を目指す動きは世界に衝撃を与えた。
冷戦構造崩壊以降、これまでいくつか深刻な地域紛争や内戦が起こり、そのいくつかは日本の政治・経済にも少なからず影響を与えるものだったが、それでもほとんどの国民にとって、“遠くの国の出来事”だった。
しかし今回の事態に対する世論調査を見ても、日本にも直接影響が及ぶ問題と感じている人が多数を占めているようだ。
今回の「危機」は何が特別なのか。
簡単に言えば、近代国家同士の関係の一番の基礎である、お互いの「主権」を尊重するという原則をロシアが完全に無視したことと、それに加え、アメリカなど西側諸国がそれを手をこまねいて見ているしかないことがショックだったのだ。
今後の事態は予断を許さないが、国際政治の常識が崩壊し、安全保障秩序が大きく揺らいでいるのは間違いない。
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