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Thursday, December 2, 2021

自分たちのパーパスをどのように定義すべきか 「なぜ」を明確にするための5つの指針 | HBR.org翻訳リーダーシップ記事(1/7) - DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

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Illustration by Mark Harris

ミルトン・フリードマンはかつて、「企業の唯一最大の目的は株主利益の最大化である」と主張した。しかし、現代のリーダーの多くが、自社にとってのパーパスとは、世界にポジティブな変化をもたらすことだと考えるようになった。とはいえ、美しい言葉で表現されたパーパスが掲げられていても、それが実効性を持ち、コモングッド(共通善)に貢献できているとは限らない。ベスト・バイの会長兼CEOとして同社を復活に導いた筆者は、パーパスには「なぜ」の追求が欠かせないと指摘する。本稿では、同社でパーパス制定に取り組んだ経験から、適切なパーパスを見出すための5つの方針について論じる。


 2015年にベスト・バイの会長に就任(同社のCEO職と兼任)してすぐ、筆者はすべての取締役を訪問することにした。ミシガン州では、当時ドミノ・ピザのCEOだったパトリック・ドイルと、彼の同僚の一人と対面した。

 この訪問で最も印象的で、ベスト・バイに最大のインパクトを与えることになったのが、議論の最後にパトリックの同僚から投げかけられた質問だった。

サイモン・シネックがTEDトークで、優れたリーダーはどうやって行動を促すかについて語っているのを見たことがありますか」と、彼は尋ねた。筆者は見ていないことを認め、すぐにそれを見てみた。シネックはこう述べていた。「人々はあなたが『何を』するかではなく、『なぜ』それをするのかに動かされる」

「なるほど!」と思った瞬間だった。

 筆者は何年もの間、企業のパーパスとは何か、私たち一人ひとりが人間としての意義を探求するうえで、仕事がどのような役割を果たすかを思案していた。哲学的な探究によって、個人と企業の両方のパーパスが持つ力を確信していたが、シネックの考え方は、当時のベスト・バイには、企業として「なぜ」を明確にすることが重要であると気づかせてくれた。

 今日、企業リーダーの多くは、自社にとって広義のパーパスとは、株主価値の最大化だけでなく、世界にポジティブな変化をもたらすことだと思っている。

 たとえば、経営幹部の10人に8人以上が、目的意識をしっかりと共有することで、従業員満足度を高め、事業変革を促進し、顧客ロイヤルティを高められると考えている。また、パーパスは企業が不安定で予測不可能な環境を乗り切るのを助け、より高く、より持続可能なパフォーマンスを実現することを、ほとんどの経営幹部が理解している

 したがって、企業の「なぜ」を定義し、それを意思決定や業務運営の指針にすることは、ビジネスを行ううえでの基本となる。

 ベスト・バイのパーパスは、会社が成長し、進化していくうえで中心的な役割を果たしており、それはいまなお変わらない。パーパスが、それまでやる気を失い、不安を感じていた従業員を奮い立たせ、2012年以降、会社の株価を約10倍に上昇させた。

 パーパスを企業の指針にするというアイデアを理解するのは簡単だが、それを実現するのははるかに難しいことを、筆者は経験から知っている。最初のステップは、適切なパーパスを明らかにすることだ。

 筆者は、ベスト・バイは「なぜ」の明確化に注力する必要があると判断した後、1つの疑問が生じた。「どうやってそれに取り組むべきか」だ。その経験から筆者は、強力な企業のパーパスを定義するには、以下に紹介する5つが重要であることを学んだ。

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