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Monday, November 22, 2021

宇宙飛行士の向井千秋が語る「男女問わない」ことの意義と「女性初」の言葉に思うこと。 - VOGUE JAPAN

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──のびのびと突き進める環境は、人の可能性を広げますよね。

人生は有限だから、自分が歩んでいく道は自分で決断しないと。人生って選択の繰り返しだし、あとで振り返ったときに違う道に進んだら違う人生があったかなと思うこともたくさんある。だから、まずは自分が何を好きなのかをよく考える。STEMに限らず多くの人が、ほかの人が選んだ道じゃなくて、自分で選んだ道を行ってくれたらいいなと思います。

──一方で、制度的・社会的な壁もあります。都立高校の男女別定員制度で女子が高い合格点を求められたり、女性の宇宙服が足りず宇宙遊泳ミッションを諦めなければならない人がいたり。こうした状況を変えるために、何ができますか?

全て何かを一方的に見るのではなく、違う立場から多角的に見る必要があると思う。それによって、社会があらゆることをカバーできるとまではいかないにしても、より多くの人が生きやすくなり、尊厳のある生活ができるようになっていくのかなと思います。同じ地球で悲しんでいる人がいて、その人の悲しみは何なんだろうと自分なりに想像し共感できる人が、真に国際性のある人だと思います。

──共感力が世の中をよりよくするということですね。

自分だけが富を得ても、長い目で見たときには損をする。例えば、ゴミが多い場所に豪邸を建てても、そこから見える景色はゴミだらけ。それより、みんなで環境をよくしていければ社会全体がよくなる。多様性も同じで、女性を取り巻く環境だけをよくしてもどこかで頭打ちになる。東京理科大学でも、シングルマザーだけでなくシングルファーザーも支援しよう、ジェンダーの平等だけなく介護をしている人や病気と闘っている人の機会の平等も向上しようと取り組んでいます。そうやって全体をよくしていきたい。

Profile
向井 千秋
1952年、群馬県生まれ。宇宙飛行士。医学博士。1985年に日本人初の宇宙飛行士に選ばれ、1994年と1998年にスペースシャトルに搭乗し、ペイロードスペシャリストとして数々の実験を行った。現在、東京理科大学特任副学長兼スペースシステム創造研究センタースペース・コロニーユニット長。

Text: Asuka Kawanabe Editors: Maya Nago, Mina Oba

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