主催者推薦で好調発進
女子ゴルフのTポイント×ENEOSレディスゴルフトーナメント(3月19～21日、鹿児島高牧CC)の初日に5バーディ、ノーボギーの67で4位タイ発進した宮田成華(みやた・なるは)。 【写真】宮田成華、圧巻の美貌…！ 2日目は降雨によるコースコンディションの不良で一時中断となった末、サスペンデッドとなった。 最終組から1つ前の組の宮田は16番まで回り、1バーディ、3ボギーの通算3アンダーで、暫定30位タイに後退。優勝争いから遠のいたとはいえ、昨年からの好調は目を見張るものがある。 1997年11月生まれの23歳。渋野日向子ら98年生まれの“黄金世代”よりも一つ上の世代になる。 「下からの圧は感じませんが、勢いは感じます。でも『私たちの世代もがんばろうね』と話しているんです」 そんな宮田は今季、クォリファイングトーナメント(QT=予選会)ランキング185位のため、レギュラーツアーの出場権は持たない。 今回の試合も主催者推薦での出場ではあるが、「昨年のいい流れのまま、今年はチャンスを生かしたい」と意気込む。 確かに昨年は安定感抜群のゴルフで、自信を深めた年でもあった。コロナ禍の中で開催された昨年のレギュラーツアー出場は6試合で、すべて予選を通過。5位タイを2回と結果を残し、2021年を迎えている。 宮田の経歴を見ると苦労人だ。2017年に単年登録でプロ転向しているが、主な主戦場は下部のステップ・アップ・ツアー。それにプロテストには3度も失敗。2019年に受けた4度目のプロテストでようやく合格を手にし、今に至る。 ちょうど4年前、彼女がプロになったばかりのころ、下部ツアーの試合会場で練習日に話を聞いたことがあった。
体幹の強さと体のしなやかさ
ピンと伸びた背筋がとても凛々しく見える選手がいるなと思い、声をかけたのが宮田だった。 「背筋がいいのは子どものころ、クラシックバレエをやっていたからですね」と言うので、なるほどと思った。 普段はキャップをかぶっているので分かりづらいが、広いおでこもチャームポイント。 幼少期に水泳、クラシックバレエなどをやってきたことから「姿勢と体幹、肩回りの柔らかさはゴルフに生かされていると思う」と話す。 ゴルフを始めたのは10歳のときで、「ゴルフ体験のプリントが配られたので、それを見てから行ってみよう思ったのがきっかけです」と本人談。 中学時代はバスケットボール部に所属したが、ゴルフも両立させた。 「ゴルフ部に入ると決めて学校(共立女子第二高校)を探したんです。バスケはもともと体力をつけたくて始めたので、中学で終わりと決めていました」 最初は球が当たるのが楽しくて夢中だった。得意クラブはドライバーだ。しかも「平均飛距離は250ヤード」の飛ばし屋で「ゴルフを始めたころから飛ぶほうでした」と笑っていた。 体幹の強さと体のしなやかさが飛ばしの要因だろう。攻めのゴルフを身上とし、オフはショットの精度とバリエーションに磨きをかけてきたというが、ようやく結果に表れ始めた。 現在の好調を維持できれば、限られた試合数の中でも今年は上位フィニッシュや優勝争いが増えそうな予感。これからはツアー初優勝への期待も高まりそうだ。
金 明昱（スポーツライター）
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