1月16日、10人のネパール人登山家のチームが、世界第2位の高さを誇るK2の冬季登頂に史上初めて成功した。K2はその厳しい環境から、登るのが世界一難しい山とされ、死亡率も非常に高い。 【画像】【続きを読む】「冬のK2登頂」はこうして達成された─ネパール人登山家たちの「誇りをかけた挑戦」 今回、冬季登頂を達成した彼らは、もとは別のチームだった。極限の環境の中で互いに助け合い、同じ願いのもと、ともに頂上を目指すようになったのだ。ベースキャンプから登頂に至るまでの詳細を含む、彼らの過酷な道程を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じた。
凍傷のリーダーの決意
1月16日の正午近く、登山家たちはK2の最大の難所として知られる、「ボトルネック」に入ろうとしていた。 この時点で、世界第2位の標高で知られるK2の冬季登頂を果たした者は歴史上いなかった。空は澄み、風は穏やかで、ここから始まる、最後にして最も危険な挑戦の先に、彼らが目指す山頂はあった。 もしボトルネックを踏破することができれば、ニムダイの名で知られる37歳のニルマル・プルジャ率いる10人のネパール人登山チームは、K2の冬季登頂に、史上初めて成功するチームになると思われた。 しかし、指先に凍傷を負ったプルジャはわかっていた。今はそんなことは考えず、ただ一歩一歩に集中することが最善なのだ、と。
同じ日に起きた有名登山家の「滑落死」
中国とパキスタンの国境にまたがる、きらめく氷河と岩でできた8611mのK2。1950年代以来、この山は死亡事故が多いことから、「非情な山」として知られてきた。登山家の4人に1人がこの山で命を落としているのだ。対して、エベレストでの死亡率は1990年以来、およそ1%だ。 失敗はほんのわずかの差で訪れる。1月16日、その事実は再認識された。世界に14座ある8000m峰のうち、10の山で無酸素登頂を成功させたスペイン人登山家のセルジ・ミンゴテが、K2の山頂よりかなり低い地点で滑落、死亡したと報じられたのだ。 この悲劇が起きる数時間前、プルジャらのネパール人チームは、ボトルネックを通過しようとしていた。ボトルネックは、セラックと呼ばれる不安定に突き出した氷崖の下にある、砂時計の形に似た岩の溝だ。 セラックからは頻繁に、巨大な氷の塊が落ちてくる。ここにたどり着く前から、登山家たちはその前兆とも言える氷の瓦礫が一面に広がっているのを目にしていた。 「家屋ほどの大きさのある氷塊もありました」。1月19日、プルジャはベースキャンプでそう話した。 「それを見て怖じ気づく人もいるでしょう。でも、うまくいくときはうまくいくものです。私にできるのは山に祈ることだけ。今回、私たちはあの場所を通過したいと強く願い、山がそれを許したのです」
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