能力重視の閣僚起用
9月16日に臨時国会が招集され、菅義偉政権が誕生した。注目された内閣の布陣は、多くの大臣が再任され、安部政権の継続性が強く打ち出された。コロナという非常事態への対応する中で、政権の継続性を重視したと評価できる。
首相の右腕となる官房長官は加藤勝信氏となったが、かつて菅氏とは官房副長官として一緒に働いた経験がある。加藤氏が公衆衛生政策を担当する厚生労働大臣で、コロナ問題という最優先課題に正しい対処を下すために、官邸の布陣を強化した意味合いが大きいだろう。また、田村憲久厚生労働大臣、上川陽子法務大臣ともにいずれも同職の経験者で、能力重視の閣僚登用と位置づけられる。
〔PHOTO〕Gettyimages
更に、前防衛大臣で将来の首相候補とされる河野太郎氏は、行政改革・規制改革担当大臣に横滑りとなった。能力とともに発信力が高い河野氏が、権益者からの強い抵抗が想定される幅広い組織改革に適任という判断とみられる。また、劣化している行政機能強化への対応として、デジタル庁創設に向けて平井卓也氏がデジタル改革IT担当大臣として任用された。
コロナ危機時の中にあって「国民のために働く内閣」として始動するために、自民党の結束に配慮しながら総選挙に備えた布陣だろう。総選挙の時期はコロナの状況が左右するが、このままの状況であれば年内の早い時期に総選挙が実現する可能性が高い、と筆者は考えている。
菅政権に対する国民の信任を問う政治的な理由が存在し、また政権基盤を強化する為に早い時期に国民の支持を得ることは、菅政権が目指す改革を進める政治資源になるからである。
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