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Tuesday, July 14, 2020

赤いSuicaと青のSuica? Suicaって緑じゃないの? それってお得?(山崎俊輔) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

Suicaといえば緑のはずが 「赤いSuica」「青いSuica」?

キャッシュレス決済、電子マネーの利用件数や利用シーンではトップクラスにあるのがSuicaです。JR東日本が発行しており乗車券として先に普及したICカード形式のSuicaだけでなく、スマホに設定するモバイルSuicaでも利用できます。

Suicaといえばペンギンのキャラクターと緑のカラーが印象的です。しかし、「赤いSuica」「青いSuica」もあることをご存知でしょうか。

「カップラーメンじゃあるまいし! だってそんなカード、見たことがないよ!」という人は半分正解です。なぜなら赤いSuicaや青いSuicaの「ICカード」は存在しないからです。

それぞれ「楽天ペイのSuica」「みずほ銀行のSuica」です。そしてどちらもスマホに設定するモバイルSuicaの形式を取っています。

実はSuicaが独自に発行するスタイルを崩しているのはとても珍しいことで、特に楽天との提携は話題となっています。

しかし、この2つのSuica、お得なのでしょうか。

楽天のSuica、みずほ銀行のSuica レアキャラだがそれぞれに魅力あり

○青いSuicaことMizuho Suica

まず「青いSuica」です。これは「みずほWallet for iOS」というアプリを活用して実現します。

このアプリ、みずほ銀行のモバイルバンキングユーザーが活用するもので、「Smart Debit」と「Mizuho Suica」という支払い方法を設定することができます。ただし、アプリはiPhone用のみ提供されています。

スマートデビットのほうはQUICPay+の仕組みを使ってコンビニ等で電子マネー支払いをする仕組みです。こちらは銀行預金残高から直接支払われるのでチャージが必要ありません。ただしポイントもつきません。

みずほSuicaのほうは一般的なモバイルSuicaのようにふるまいます。あらかじめチャージして利用するのもSuica的ですが、みずほ銀行口座からチャージする限定仕様です。

こちらはJREポイントが貯まります。みずほSuicaの発行はJR東日本となっているからです。

管理は面倒になりますが、普通のモバイルSuicaとみずほSuicaを同時に設定することもできるようです。

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○赤いSuicaこと楽天のSuicaは

さて赤といえば楽天のシンボルカラーです。赤いSuica、いつもの緑のSuicaを見慣れている人にとってはインパクトのあるイメージです。

先ほどのみずほはiPhoneのみですが、こちらは逆にAndroidスマホのみになります。楽天ペイ(楽天のQRコード決済)のアプリをまず設定し、そこからSuicaを発行することになります。

ただし、Suica発行のためには楽天カードが必要になります。楽天ペイ自体は楽天カード以外のクレジットカードでもチャージ用にひもつけすることもできるのですが、Suica連携についてはカードが楽天のものに限定されるわけです。

なお、すでにモバイルSuicaが発行されている場合、楽天ペイアプリからSuicaへチャージする連携(もちろん楽天カードを指定する)の設定を行うこともできます。

楽天カードからSuicaのチャージで楽天ポイント(0.5%相当)が貯められることになります。プレスリリースでは「楽天ポイント」をSuicaにチャージすることも将来行えるようになるとのことです。

ところでiPhoneユーザーの場合、楽天ペイアプリから設定をすると、楽天カードを使ってモバイルSuicaにチャージ、楽天ポイントを貯めることができます(赤いSuicaにはならない模様)。

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Viewカード+通常のモバイルSuicaとどっちが魅力的?

さて、青いSuicaと赤いSuicaを解説したところで、「これは緑のSuicaと何が違うんだ?」という問題が生じます。お得度合いを整理してみましょう。

○ViewカードとモバイルSuicaではダメ?

まず、普通にモバイルSuicaを設定して、普通にJR系のクレジットカードであるViewカードを発行するとどうなるでしょうか。

この場合、ポイント還元率は1.5%になります。ViewカードについてもビックカメラSuicaカードにしておくと年1回の利用で年会費も無料になります(基本年会費は524円)。

また定期券の発行などはモバイルSuicaのみで、青いSuicaも赤いSuicaも定期を作ることはできません。グリーン車席もやはり、緑のSuicaのみとなります(「緑」の席だけに!)。

となると、すでにViewカードを持ってモバイルSuicaを利用している人にとっては、赤いSuicaも青いSuicaもあまり魅力はないことになります。

また、今はViewカードを発行していない場合であっても、普通にJRを利用して通勤して、Suicaを利用している人はモバイルSuicaへの切り替えとViewカードを発行したほうがお得といえます(ルミネやニューマンなどのJR系駅ビル利用が多い方は年会費1048円かかっても5%オフになるルミネカードという手もあります)。

となると、あまりJRの利用が少ない人、基本的には日常使いとしてコンビニやスーパーなどのSuica決済を想定している人、にとって赤いSuicaや青いSuicaの利用シーンが考えられます(もちろん必要であれば、普通にJRに乗ることもできます)。

○楽天ペイと赤いSuicaの違いは?

もうひとつ、比較で気になるのは「楽天ペイ」と「赤いSuica」の差別化です。赤いSuicaを普通に設定すれば、それは楽天ペイの設定をするのと基本的にセットになるからです。

楽天ペイはQRコード決済のひとつです。QRコード決済の普及率はSuicaにはかなわないため、利用したくても利用できないシチュエーションが時々あります。そうなると「楽天ペイと赤いSuicaの併用」はアリということになります。

ところが、Android系スマホには楽天Edyも設定できます。こちらはFeliCaチップを使う決済方法としてはSuicaのライバルそのものです。そしてほとんどのお店ではSuicaも楽天Edyもどちらも対応していることが多いのです(トータルではSuicaのようが使えるお店は多い)。

差別化がはっきりしておらず、ちょっとわかりにくさがあるという印象です。

結論としては緑のSuicaが最後は勝つ?

もちろん、こうしたメリットデメリットは青いSuicaも赤いSuicaも承知のことでしょう。

それでも「みずほ銀行の預金者にワンストップでSuicaチャージを提供する」とか「楽天経済圏に暮らしている人に、楽天ポイントにSuicaの利用分も集約できる」というようなメリットをユーザーには提供できれば価値あり、と見ているのではないでしょうか。

一方で、これ以外の「○色のSuica」というのはあまり考えにくいように思います。たとえば、nanacoやWAONがSuicaとクロスオーバーすることは考えにくいですし、わざわざPayPayやd払い等と組むことも考えにくい感じもします(といって、何が起きるか分からないのがこの業界ですが)。

結論としては「緑のSuica」で困ることはなさそうです。しかしみずほ銀行の預金者や楽天のヘビーユーザーであれば、「青いSuica」「赤いSuica」をセットしておくのも悪くないと思います。

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