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Friday, July 10, 2020

ロボットが配膳する「非接触サラダバー」のグリルレストランに行ってみた(Impress Watch) - Yahoo!ニュース

 株式会社三笠会館がプロデュースするグリル料理とサラダバーを中心としたレストラン「THE GALLEY SEAFOOD & GRILL」が2020年7月6日、玉川高島屋S.C.南館6Fににオープンした。 【この記事に関する別の画像を見る】  自動搬送ロボットを採用してオーダースタイルのサラダバーサービスを維持しつつ、「非接触(客同士、客と店舗スタッフも直接接触しない)」かつ「非対面(客とスタッフが対面接客しない)」の店舗オペレーションを開発し、「非接触サラダバー」を実現したという。早速、うかがってみた。 ■レストラン向け搬送ロボット「PEANUT」  導入されたロボットは2台で、どちらも同じかたちだが、それぞれ「ハル」と「エリザベス」という愛称がつけられていた。店員がつけた名前だ。ちなみに背面に星のシールがつけられているほうが「エリザベス」である。実際に店舗に足を運んで確かめてもらいたい。  今回、ロボティクス サービス プロバイダの株式会社QBIT Robotics によって導入されたこのロボットは、中国のサービスロボット専業メーカーKeenon Robotics製の「PEANUT(ピーナッツ)」だ。移動台車に料理などを載せられる3層のトレイが設置された形状のロボットで、大きさは500×500×1,200mm(幅×奥行き×高さ)。重量は60kg。最大積載重量は合計60kgまで(1トレイ当たりの耐荷重は10kg)。移動速度は秒速1m。移動中に音声や音楽を再生することも可能だ。  このロボットは天井に貼られた位置マーカーを頂部の赤外線センサーで絶えず確認することで自己位置を把握して指定位置へ移動する。タッチパネルを使った指示により、一度の走行で3カ所を巡回できる。障害物は超音波センサーなどで検知して自動回避できる。床の傾斜には最大傾斜角度5度まで対応する。連続稼働時間は8時間。バッテリは4時間でフル充電できる。  なお今回の店舗での実際の運用では、朝に動かしはじめたあと充電する必要が出たケースはないそうで、実際には10時間以上保ちそうだとのこと。QBIT Roboticsでの販売価格は200万円(参考価格。システム構成により価格は変動する)。  ロボットは位置マーカーを同時に3つ見ながら移動していく必要がある。「天井の位置マーカー」と言っても、飲食店の場合、天窓があったり、梁が飛び出ていたり、装飾物がぶら下がっていたりすることも多い。  今回の店舗では目立たないようにマーカーがうまく貼られていた。一部直接貼ることができない場所に設置しているマーカーボードは、万が一、落下するようなことがあっても利用客を怪我させたりする可能性が低い場所に設置されている。これらの作業はQBIT Roboticsが行なった。 ■タブレットでオーダー、盛り付けは人間、ロボットが搬送  さて実際の動きだが、ロボットは、タブレットを使った利用者からのオーダーに応じて、席までサラダを届ける。流れはこうだ。客は自分が希望するサラダをタッチパネルで指定する。一度に頼めるのは5種類までだ。決めたらオーダーする。  オーダー指示はWi-Fi経由で、店内にあるサラダバーコーナーに設置されているタブレットに飛ぶ。その指示にしたがって店員がサラダを皿に盛りつける。いわば厨房の一部が店内に出ているような感じだ。盛り付けが終わったら、ロボットのトレイに置く。そしてテーブル番号を指定してスタートを押すと、ロボットが店内を動きはじめる。これだけの簡単操作なので、スタッフとの親和性も高く、なんなく使われはじめたという。  ロボットが目的のテーブルまでやってくると、皿を取るのを促す音声が再生される。皿を取るのは客が行なう。トレイから皿が取られたことは赤外線センサーで把握する。取ったあと、ロボットの上部に手をかざすと、ロボットはホームに戻っていく。  今回はQBIT Robotics広報の尾上宏恵氏にお客さん役をお願いした。なお株式会社三笠会館 営業本部 営業企画室 販売促進チームチームディレクターの堀田瑞江氏によれば、来店客に対してはタブレットでの注文方法は丁寧に説明しているものの、「ロボットが持ってくる」といったことはあまり説明していないそうだが、今のところ、意外なほどみんな驚くこともなく、すんなり受け入れられているそうだ。  ロボットは利用者等を回避できない場合は、音声で避けてくれるようにお願いする。ここはQBIT Roboticsのオリジナルだ。楽しい飲食空間を維持することを意識したという。  今回届けられたサラダは筆者が美味しくいただいた。フレッシュで本当に美味しい。ドレッシングは和風の梅柚子、フレンチ、バジルチーズなどがあり、1種類ずつビンに入れられている。ちょっともったいない気もするが、これもまた非接触を維持するためだ。なおサラダバーなので、何度でもおかわりができる。 ■ロボットで時間を生み出し、ゆとりあるサービスを提供  「THE GALLEY SEAFOOD & GRILL」はアメリカ西海岸の『ラグジュアリーなビーチハウス』を意識した空間設計となっているレストランで、ロブスターやステーキなどのグリル料理と、オーダースタイルのサラダバーやドリンクバーを楽しむことができる。記念日はもちろん、幅広い世代が日常使いできるカジュアルダイナーだ。じつはこの店は実験的な店舗だ。  三笠会館ではロボットを使った省人化は考えていないという。「人を減らすよりは、ロボットができることはロボットにやってもらって、時間とゆとりを生み出して、人は人がすべきことに集中できるようにしたい。今後も人を減らすことは考えていません」(三笠会館・堀田氏)。またメニューについても技術を使うことでなるべく選択肢を増やせないかと考えているとのこと。  老舗の「三笠会館」と「ロボット」は、意外な組み合わせに思える。だがじつは、三笠会館の谷辰哉社長は以前から「ITやテクノロジを店舗運営に取り入れたい」という気持ちが強く、欧米の技術にもつねに注目していたそうだ。前述のように、テクノロジとの協働でゆとりを生み出し、そのゆとりを使って、レストラン本来のサービスや料理の質の向上など、人が本来なすべきことへとつなげるためだ。  そのため、もともとオールドスタイルで、保守的な利用者も多いと考えられる店舗をあえてリニューアルすることで、新しいスタイルがどんな受け入れられ方をするのかを試してみたかったのだという。この店舗にはロボット以外にもセミオートキャッシャーなども導入されているし、前述のように、タブレットで注文された内容はその時点でデータとして蓄積されていくようになっている。  なお店舗のPOSシステム、テーブルトップオーダー、キッチンディスプレイなどのITシステムは、株式会社Mt.SQUAREが手がけている。ロボットとの連携はしていない。  ただ、今回のサラダバーのオペレーションでロボット導入を決断した理由は、やはり新型コロナウイルス禍だった。もともとサラダバーを店舗で提供すること自体は決まっていた。しかし従来スタイルでの提供が難しいとなったときに「搬送ロボットを使ってみよう」という話になったのだそうだ。とくにKeenonの搬送ロボットを使うことはシンプルで店舗とも違和感が少ないフォルムから、早々に決めていたという。  Keenonのロボットは日本でも数社が扱っている。そのなかで数社によるプレゼンの結果、最終的にQBITが選ばれた。QBITが評価されたポイントは2点あるという。  1つ目は「スムーズな導入」だ。6月頭にKeenonのロボットを販売しはじめたばかりのタイミングで連絡を受けたQBITは、天井マーカーの位置決めなどすべての調整を済ませた上で、店舗側が何もしなくてもタブレットを触ればロボットが使えるところまで仕立てて納品した。  もう1点は「楽しいロボット」だったこと。QBITが志向するエンターテイメントとしての方向性が三笠会館の考え方とマッチし、店舗との親和性があると判断された。  QBIT Roboticsはカフェや居酒屋など、おもに飲食分野においてエンタメ性があるロボットサービスを展開している。省人化・合理化だけだけではなく、人とロボットが楽しく協働できる社会を目指している点が特徴で、今後も、Withコロナ時代に適合し、かつ、ロボットが居る「楽しい」店舗づくりを目指していくとしている。  今回導入したロボットも、いまはサラダバーを運んでいるだけだが、今後、バッシング(下膳)や、「お誕生日祝いのお手伝い」を担うことも検討しているとのこと。また、「出来立てのパエリアを載せて店内を巡回する」といったアイデアも出ているそうだ。楽しく快適なレストラン空間作りにロボットが役立つことを期待している。

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