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Monday, June 29, 2020

徹底したのは「正統派の山の写真」 菊池哲男さんが北アルプスの写真展に込めた思い〈dot.〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

*   *   *  今回の写真展はニコンから提案されたもので、「ミラーレス機のZシリーズ(ニコンZ 6とZ 7)で撮り下ろす」という条件でしたが、それ以外は何もなく、作品の内容は「お好きにどうぞ」というお話でした。  写真展のタイトルは「天と地の間に 北アルプス 鹿島槍ケ岳・五竜岳」と、山の名前を入れたのは、山そのものをテーマとしたい、という思いがあったからです。それをニコンのギャラリーでやることに意味がある。 目指したのはごつごつした山の感じが伝わる作品  山岳写真を含めて、最近の風景写真は自然を抽象的にとらえたものが多くなってきました。パッと見、何を写したのかよくわからない。ある意味、見せ方に凝っている。「アート」であることを意識して写している。たとえば、GOTO AKIさん(※1)の作品。評価はとても高い。  アートを意識して、作家が感じたことや写真表現を前面に押し出した作品展のほうがなんとなく「ニコンぽい」というイメージがあるかと思います。実際、純粋な風景写真の展覧会は少ないですから。特に「ニコンサロン」はそうです。  その舞台で「やっぱり山の世界って、いいよね」と感じてもらえるような写真展にしたかった。いわゆる「正統派の山の写真」を見てほしかった。それをものすごく意識しました。撮るときも、写真を選ぶときも。  山は抽象的に撮れば撮るほど、どこで撮ったのか、わからなくなっていく。山の空気感みたいなものは伝わるけれど、手触りのある山の存在から離れていく。  ぼくが目指したのは、手で触るとごつごつした感じが伝わるような作品。実際に存在する、くっきりとしたイメージです。  だからこそ山の稜線を意識して撮りました。山の上にいるときも、麓から見上げて写すときもそうです。そうすることによって山の形をしっかりと、とらえる。山には人間の顔と同じように、一つひとつ、固有の形があります。

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