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Tuesday, June 9, 2020

「それもありなんだ」と思ってもらえたら パラトライアスリート・秦由加子が短パンで休日を過ごす理由〈AERA〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

*  *  *  パラトライアスロンはスイム750メートル、バイク(自転車)20キロ、ラン5キロを行う競技だ。それを、日本のエース、秦由加子は義足や片足一本で駆け抜ける。  13歳で足を切断してから、長い間義足を隠して生きてきた。学生時代は制服のスカートの下にズボンをはいたこともあったし、足を見られたくないと体育の授業はすべて見学した。24歳でジムに入会したときは、プールサイドに一番近い出入り口を使いすぐ水の中へ。脱いだ義足はバスタオルをかけて隠した。他人の視線が怖く、「コンプレックスの塊だった」。  それが変化したのは、トライアスロンと出合ってからだ。2012年12月に初めて競技用義足を着けて走ってみると、ふわっと体が宙に浮く感覚が18年ぶりによみがえった。それまではただ歩ければいいと思っていたが、義足をもっと自分の体の一部にしたいと思った。いつしか足に似せた肌色のカバーもつけなくなり、休日には短パンで外出するようになった。 「私を見て、『それもありなんだ』と思ってもらえたら。義足でもいろんな選択肢があって、やりたいことができると、伝えていきたいなと思っています」  職場の理解を得て、昨年から競技中心の生活に変えた。それまでレース出発日の前日夜まで働いていたが、今はレース日から逆算して調整できるようになった。練習量も増やすことができ、バイクでは左足一本で20キロをこげるようになり、義足の着脱時間が減った。ランもこの4年間で約4分間タイムが縮まった。  パラリンピック初出場の4年前は6位。東京大会ではどのように戦うのか。 「自信のあるスイムを1位で上がって、そのままフィニッシュまで前を走り続けたい。心を込めて支えてくれた人たちと喜びを分かち合うのが、私の夢です」 (編集部・深澤友紀) ※AERA 2020年6月15日号

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