5月2日に山梨県が発表した新型コロナウイルス感染症で陽性となった20代女性の公表により、テレビ各局が報道。その行動が問題視されている。ネットでも「同情の余地は一切ない」「もはやテロリスト」「もう逮捕でいい」といった声が上がっている。
まず、県の発表を見てみると、以下のように「症状・経過」と「行動歴」が記されている。
高速バスの移動と友人との接触により感染が広がったことが記載されているのはいいとして、友人宅でバーベキューしたことや、整骨院に行って、ゴルフをしたということは、新型コロナの感染予防という観点から言えば発表する必要がなかったのではないか。濃厚接触者が11人中10人が陰性だったということを発表すれば済むことだ。ちなみに、山梨県の発表でここまで詳細に行動歴が記載された例は他に見当たらなかった。
県は後になって女性への批判や中傷が「インターネット上で」起きていることに対して、「女性や家族に配慮してほしい」としている(参照)。が、そもそもが行動歴をここまで明らかにしなければ済むことだった。また、ネット以上にテレビなどのマスメディアでの報道が、批判へのトリガーになっている。
例えばUTYテレビ山梨は、県の発表をそのままストレートニュースとして報道している。
都内と山梨の実家を往復した20代女性の新型コロナ感染者の濃厚接触者 11人中10人が陰性 ゴルフの練習をしていたことが判明 (UTYテレビ山梨)
ネット配信の記事に関しては、同局のサイトだと「新型コロナ感染者の濃厚接触者 11人中10人が陰性」となっている。つまり、Yahoo!ニュース向きにタイトルを変えている。明らかにネットでのアクセスを意識した変更と言えるだろう。この記事を発端にTwitterなどのSNSで陽性女性への批判が増えているから、その試みは(悪い意味で)「成功」したことになる。
さらに、デイリースポーツは5月4日に「山梨・女性が感染判明後に高速バス、虚偽も…TV一斉報道、ネットに厳しい声多く」とテレビ局の報道とネットでの反応のまとめ記事を配信。産経新聞も「山梨帰省女性 整骨院→PCR検査→ゴルフ練習→男性と会う」とまるでネットメディアのようなタイトルの記事を出している。
最近、テレビ朝日『モーニングショー』のまとめ記事を出すことが日課のようになっているスポーツ報知に至っては、コメンテーターの玉川徹氏が「自分の車で帰るとかだったらいいのかもしれないですけど、公共交通機関を使うという事も問題点。もしかすると、法律でそういう風な事に対しては、罰則がある法律を作ってもいいのかもしれないですね」という発言をタイトルに入れている(参照)。
ここで、この女性を擁護する意図はない。だが、犯罪を犯したわけでもないのにテレビ各局が時間を割いて報道して、それがネットでのバッシングを呼び起こしているというのは明らかにやりすぎだ。移動の制限といった法律を提唱するなど論外とはいえ、まるでロックダウン(都市遮断)を国民が望むようにマスメディアが誘導するというのは、それこそ政府・行政の私権の制限を容認する空気を醸成しかねず、非常に危険だ。
今回の一件は、一見ネット上での「私刑」の広がりが問題視されている(少なくとも山梨県はそう呼びかけている)ようでいて、実はメディアが率先して「私刑」を行いさらに煽るという構図になっている。もっと言うならば、新型コロナでひとたび陽性と判定されたならば、誰しもがプライバシーを配慮されなくなるということだ。本来ならば「自粛」という言葉で行動の自制を「お願いする」という行政の姿勢について議論すべきところを、叩きやすいところを叩いて、視聴率なりアクセス数を稼ぐというメディアの「暴力」を目の当たりにしていると感じるべきだろう。
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May 05, 2020 at 12:03PM
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山梨・高速バス移動女性の新型コロナ陽性発表・報道に見る「私刑」の構図(ふじいりょう) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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