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Sunday, April 26, 2020

いよいよ世界金融危機へ…コロナショックで原油価格「マイナス」のヤバさ(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

原油価格「マイナス」の衝撃

 コロナショックをきっかけに原油価格が乱高下している4月20日、ニューヨーク市場では、一時、WTI原油先物価格がマイナス40.32ドルまで下げた。

【写真】コロナショックで「住宅ローン破綻」の恐ろしすぎる現実

 本来、原油の価格がマイナスになることはあり得ない。

 原油価格の先物がマイナスに落ち込むことは未曽有の事態だ。

 それを見ても、いかに原油市場が大混乱に陥ったかがわかる。

 今回の大混乱の背景には、コロナショックで世界経済全体の原油需要が急速に落ち込んでいることがある。

 その一方、サウジアラビアやロシアなど有力な産油国は、つい最近まで原油の供給量を減らすことをしなかった。

 世界中で原油が余って、備蓄施設がほとんど満杯という事態になってしまった。

 原油価格が下落するのは、ある意味では当たり前だった。

 問題は原油価格の下落が続いた場合、世界的な信用不安が起き、それが大規模な金融危機につながる懸念があることだ。

 特に注目されるのは米国のジャンク債市場だ。

 米国の有力なシェールオイル企業は、主に信用力の低い社債=ジャンク債を発行して資金調達を行っている。

 原油価格の下落で、それらのシェールオイル企業が破綻に追い込まれることが懸念される。

 そうなると、ジャンク債市場を一段と不安定化させると同時に、ジャンク債を使った派生商品=CLO(ローン担保債権)のデフォルトを誘発する可能性が高まる。

 それは、世界的な信用収縮=金融危機を引き起こす要因となる可能性がある。

 万が一その展開が現実のものとなった時、各国が実体経済と金融市場を支えることができるか、かなり不透明だ。

マイナスに陥った原油価格の意味

 WTI原油先物価格がマイナスに陥ったことは、世界経済が過去に経験したことがないような異常事態に向かいつつあることを示唆する。

 あるベテランの商品トレーダーは、「過去40年の経験の中で、原油価格がマイナスになると想定したことすらなかった」と話していた。

 イラン情勢をめぐるトランプ大統領の発言から原油価格が反発する場面が見られたが、先行きは不透明だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界各国が人の移動を遮断せざるを得なくなった。

 需要と供給ともに寸断され、経済活動が大幅に低下している(コロナショック)。

 感染が小康状態にある中国では化成品プラントの稼働が再開されたが、他の国の石油化学業界などは事実上の開店休業状態だ。

 3月中旬以降の5週間で、米国の新規失業保険申請者件数は約2600万人(労働人口の16%に相当)も増えた。

 企業業績の悪化を受け、米国の所得・雇用環境は更に悪化するだろう。

 年半ばごろに感染が収束するかは不確実だ。

 5月最終週から9月にかけての米ドライブシーズンの盛り上がりは見込めず、原油需要が簡単に回復する展開は想定しづらい。

 また、原油の貯蔵能力には限りがある。

 足許、陸上、海上ともに貯蔵能力は限界に達しつつあるようだ。

 そのため、市場参加者の間ではOPECプラスによる日量970万バレルの協調減産では相場の安定に十分ではないとの懸念が増えてきた。

 その結果、5月物のWTI原油先物に買い手がつかなくなり、価格がマイナス圏まで下落した。

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