こんにちは。ライターの高木沙織です。
20代後半、ほんの少しだけですが某ファッション誌の読モ(読者モデル)をしていた私。それはそれは、かわいいキレイな女の子ばかりのお花畑のような世界……だと思っていたのですが、その幻想は初めてのスタジオ撮影ではかなく打ち砕かれました。
なぜって?
間近で見る読モのかわいさに圧倒される
「モデルやタレントは実物を見たら本当に驚くよ! 同じ人間とは思えない」
とは、よく言われていますよね。当時、グランドスタッフ(航空会社の地上職員)をしていた私は仕事で芸能人と接することもしばしば。主に男性芸能人や海外の俳優の方を担当していたのですが、
「男の人でもこんなに顔、小さいのか!」
と、衝撃を受けていましたもん。
では、読モは?
いや、本当にかわいい……。なかには、芸能人でしょ?と思うくらいの人も。小さな顔のなかに大きな目やぷっくりとした唇があってなんだか吸い込まれそうな感じ。しかも、みんな華奢(きゃしゃ)なんですよねー。骨格からして違うのかな。
そうそう、この世界にちょっと足を踏み入れて知ったのは、ビューティー系の撮影以外のヘアメイクはほぼ自分でするということ。それもあってか、読モのみんなはメイクがすごーく上手。肌も髪もキレイな人が多くて、努力のたまものだと感心するのと同時に私も頑張らなくてはと思わされていました。
メイクルームで受けた洗礼とは
何度かの屋外でのスナップ撮影を経てスタジオ撮影に参加する機会をいただいたのは、読モを始めて何ヶ月か経った頃。
もう、何日も前から緊張しっぱなしです。だって、スタジオでプロのカメラマンに写真を撮ってもらうだなんて成人式か卒業式の袴姿くらいしかなかったから。
確か、企画の撮影だったかな? なのでヘアメイクは自分で済ませなくてはならないことにもドキドキ。
スタジオに到着し、担当のライターさんにメイクルームを使っていいと言われ案内されると、そこにはすでにメイクを済ませたキラキラ読モが何人も。それを見てまた緊張。真っ先に目に入ったのは、当時超がつくほど有名なある人でした。
「オーラもキラキラ度も違う!」
心のなかではテンションが上がったものの、超がつくほど人見知りの私は小さな声で、「お疲れさまです」と挨拶をするのがやっと。空いている鏡の前に座り、荷物を下ろすと……。
「チッ」
ん? 今舌打ちが聞こえた?
すると案内してくれたライターさんが焦った様子で、
「高木さん、こっち使いましょうか」
と別の鏡の前に誘導するではないですか。
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