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Tuesday, March 17, 2020

サラダでも煮浸しでも 福岡・京築地域の「けいちく新たま春一番」 - 西日本新聞

 農作物のハウス栽培で四季の感覚が薄れゆく昨今。それでも初物に出合うと、なぜかうれしい。福岡県上毛町にある道の駅「しんよしとみ」でその「うれしい」を見つけた。春出しの新タマネギだ。

 でも例年、店頭に並ぶのはだいたい4月ごろ。暖冬とはいえちと早過ぎない? そのあたりを尋ねたくてきょろきょろしていると、出荷作業中の農家、若林茂樹さん(71)を発見。声を掛けると「普通の新タマネギよか、はよ育つんじゃら。食うちみるで?」と、皮をむいて渡された。

 ちょっと当惑しながらも、そのままガブリ。みずみずしさとともに、口の中に広がるタマネギの甘さ。鱗片(りんぺん)が歯で弾ける食感もいい。

 新タマネギといえば生でサラダが一般的。でも、火を入れたら、この甘さがもっと楽しめるのではと思いつき、自宅で丸のまま、だしに酒としょうゆをちょい足しして、煮浸しにしてみた。すーっと箸が通る軟らかさに高まる期待! 狙い通りの甘さをきっちり堪能できた。こりゃ、酒のあてにもいい。

 「スーパーこがね玉葱(たまねぎ)」という極々早生(ごくごくわせ)品種。野菜出荷の端境期になるこの時季に出せる野菜をと、本年度、福岡県京築地域の農家約30戸が栽培を始めた。今月下旬まで「けいちく新たま春一番」の名で、同地域の道の駅や直売所などで販売している。

 (フリー記者・都田増男)

 ▼けいちく新たま春一番 3個(約900グラム)で200円前後。道の駅「しんよしとみ」=0979(84)7077(午前8時~午後6時、喫茶・軽食は午前10時~午後4時)。

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