
不仲に陥った夫婦が、関係改善のために取る行動のひとつに「冷却期間」があります。文字どおり、お互いに一度頭を冷やして冷静になる……という目的のものですが、これってホントに効果あるんでしょうか?「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに、解説してもらいました。
冷却期間は最長1カ月!短期間に留めることが大事
筆者が運営する夫婦仲相談所には、不仲に陥った夫婦が「今後関係を修復できるか否かのジャッジ」を求めて訪れることも少なくありません。
浮気はもちろん、DV、モラハラ、長期にわたるセックスレスなどなど、不仲の原因はさまざま。そして、そのような状態では「夫といっしょの空気を吸うのが嫌だ」「妻の声が耳に入るだけでイラつく」と互いの存在に大きなストレスを感じているわけで、今後どうするかの冷静な話し合いなど到底不可能。
だから、筆者のような第三者が冷静に判断して、アドバイスをする必要が出てくるわけです。
その際、1カ月ほど妻が実家に戻るとか、夫がマンスリーマンションに住むなど「冷却期間」をとることを勧めることがあります。でも筆者の提案はあくまで短期、最長1カ月までです(それ以上長くなるとどうなるかについては、記事の後半でご案内します)。
「冷却期間」の主目的は、お互いに離れて過ごすことで「パートナーとどういう関係になりたいか」を整理をすること。相手がいなからかこそ「この人がいなくても幸せに生きることができるか? この人は私がいなくて大丈夫か?」など、相手の立場に立って考えることができるのです。
キレる夫と「冷却期間」を置いてみたら……
ひどい夫婦喧嘩の末に妻が実家に戻り、しばらくして夫が頭を下げて迎えに行くという行動は、もはや「夫婦あるあるな光景」と言ってもいいもの。これくらいのショート冷却なら大いに賛成です。
事実、筆者のところへ相談に訪れた夫婦のなかにも、短期間のクールダウンを経て夫婦仲が改善したケースがあります。
佳苗さん(仮名・30代後半)のケース
佳苗さんはコンサル会社を経営する夫、道雄(仮名・40代中盤)さんのすぐキレる性格に悩んでいました。夫がキレるきっかけは、佳苗さんのちょっとした発言。道雄さんが子どもをかわいがらないとか、飲み会が多いなどといったことを口にしようものなら、食卓の上にあったグラスを床に投げつけたり、殴る真似で脅してくるのです。実際に暴力をふるうことこそないものの、この威嚇行為は耐えがたいほどの恐怖でしたし、いつか本当に殴られるのではないかと、子どもとともに怯える日々でした。
一方、道雄さんはキレたあとどうなるかというと……何時間か経過すると何事もなかったかのように普通に話しかけてくるのです。「まるで瞬間湯沸かし器みたいな人です」と佳苗さん。
相談に訪れた夫婦に対して筆者はまず、佳苗さんに「怖いと感じる夫の行動」を具体的に書き出してもらいました。それを見て、自身の行いを反省した夫。さらに「あなたの威嚇行為を、子どもが真似たらどうするの」という佳苗さんの言葉も滲みたようです。
そこで筆者は夫婦に対して1カ月間の冷却期間を提案。夫には「このままでは佳苗さんは離婚を考えるでしょう、佳苗さんといっしょにいる意味を考えてください」と告げました。
自宅から車で20分くらいの場所に離れて暮らした夫は「妻と子どもがいない生活は寂しいことがわかった」と認識。一方の佳苗さんも、夫がキレる行動をしたり、怒らせる言葉を吐いていたと反省しました。
現在も夫婦仲は完全修復には至っておらず、週末の2日間だけ家族いっしょに過ごす状態ですが、明らかに夫の感情は以前より穏やかになったそうです。
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March 16, 2020 at 05:52AM
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