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Wednesday, May 25, 2022

【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】世界的な食料危機の本質~米国による人災 - 農業協同組合新聞

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クワトロ・ショック(コロナ禍、中国の爆買い、異常気象、ウクライナ紛争)に見舞われ、現下に広がりつつある世界的食料危機の現象的側面を述べるレポートは多いが、その本質的な背景について論じたものは少ない。米国主導の規制緩和・貿易自由化による「輸入依存病」の強要という問題である。

貧困緩和を名目に規制緩和させ輸入依存にして貧困増幅

米国は、自身は手厚い農業支援を温存し、相手国には徹底した規制緩和を要求する。米国は自由貿易とかlevel the playing fieldとしばしば言うが、彼らが求めるのは「米国(発のグローバル企業)が自由に利益を得られる仕組み」=「自由貿易」なのである。そうして、関税を撤廃させた国の農業を補助金漬けの米国農産物で駆逐してきた。

ハイチでは、IMFの融資条件(conditionality)として、1995年に米国からコメ関税の3%までの引き下げを約束させられ、コメ生産が大幅に減少し、コメ輸入に頼る構造になっていたところに、2008年のコメ輸出規制で、死者まで出ることになった。フィリピンでも死者が出た。米国の勝手な都合で世界の人々の命が振り回された。

貧困削減の名目で、米国の牛耳るIMFや世界銀行の融資の見返りに徹底した規制緩和をさせ、米国穀物に依存させ、コーヒーなどのプランテーションで現地農民から収奪し、貧困を増幅した。利益を得るのはグローバル穀物商社やグローバル食品企業である。

この規制緩和が最も徹底されたのがアフリカ(特にサハラ以南)である。小麦などの輸入先は現在米国ではないが、基本的な輸入依存体質を作ったのは、米国主導の規制撤廃の強要だった。それがもたらした脆弱性が、今回のウクライナ紛争でも露呈し、真っ先に飢餓に陥った。

米国は「安く売ってあげるから非効率な農業はやめたほうがよい」と言って世界の農産物貿易自由化を進め、基礎食料の生産国が減り、米国などの少数国に依存する市場構造になったため、需給にショックが生じると価格が上がりやすく、それを見て、高値期待から投機マネーが入りやすく、不安心理から輸出規制が起きやすくなり、価格高騰が増幅されやすくなったことが、2008年の危機を大きくした。高くて買えないどころか、お金出しても買えない事態になった。この構造が今回も問題を深刻化する原因になっている。

米国は「武器より安い武器」としての小麦やトウモロコシなどの穀物農家の手取りを確保しつつ世界に安く輸出するための手厚い差額補てん制度があり、それによって、穀物への米国依存を強め、ひとたび需給要因にショックが加わった時に、その影響が「バブル」によって増幅されやすい市場構造を作り出しておきながら、その財政負担が苦しくなってくると、何か穀物価格高騰につなげられるキッカケはないかと材料を探す。それがバイオ燃料需要への仕向けだ。

そうした中、2000年代初頭、国際的なテロ事件や原油高騰が相次いだのを受け、原油の中東依存を低め、エネルギー自給率を向上させる必要がある、そして、環境に優しいエネルギーが重要であるとの大義名分(名目)を掲げ、トウモロコシをはじめとするバイオ燃料推進政策を開始したのである。その結果、見事に穀物価格の吊り上げへとつなげた。

トウモロコシの価格の高騰で、日本の畜産も非常に苦しい状況に追い込まれたが、トウモロコシを主食とするメキシコなどでは、暴動なども起こる非常事態となった。メキシコでは、NAFTA(北米自由貿易協定)によってトウモロコシ関税を撤廃したので米国からの輸入が増大し、国内生産が激減してしまっていたところ、価格暴騰が起きて買えなくなってしまった。米国戦略の犠牲になった「人災」である。

今回の穀物価格高騰も原油高を背景にしたバイオ燃料(トウモロコシのエタノール、大豆のディーゼル)が大きな要因になっており、この需要は政策的に穀物価格高騰の増幅のために使われることがある点も押さえておく必要がある。

食料輸入途絶の怖さをメディアも報じ始めたが

途上国だけでなく、日本の輸入依存体質の形成も、まさに同じ構造であることは言うまでもない。輸入途絶のリスクが現実味を帯びる中、日本の脆弱性をメディアも報じ始めた。

テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」

4月19日、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(日経系)でも、農水省が提示している有事に食料輸入がストップしたときの国産だけによる危機対応の食事として、朝食、昼食、夕食、すべてイモを中心とした食事を再現した映像を放送し、先進国最低の37%しかない食料自給率でいいのか、と報じた。そして、「多くの食料を輸入に頼る日本。今後、自給率を上げるために必要なことは? 」と問い、「農家が赤字になったら補填する、また、政府が需給の調整弁の役割を果たし、消費者も助け、生産者も助かるような仕組みを日本にも入れること」という筆者のコメントを放映した。

4月28日の日経新聞も、「食料安保、最後はイモ頼み~不測の事態に乏しい備え」(ニッポンの統治・空白の危機感)と題した記事で、「各国が自国優先で輸出を止めた場合、日本は食料が確保できなくなる恐れがある」を筆者の言葉として紹介した。

「規制緩和・自由化が原因」と指摘すると「規制緩和・自由化が足りないから」と反論する市場原理主義者

しかし、その記事への読者コメントとして「安定した供給を可能にする自由貿易」の必要性が経済学者から語られている。「自由貿易に頼り自国の食料生産を破壊したら有事に国民が飢えるから自給率を上げるのが安全保障だ」という当たり前のことを理解してもらいたい。さらに、彼らはそれに対する反論として「自由貿易と自給率向上は両立する」と主張する。しかし、どうやったら両立するのか、その根拠となる説得的説明は未だに聞けていない。

世界的にも同様で、「貧困緩和の名目で規制撤廃・貿易自由化を強要して貧困を増幅した。原因は規制撤廃・自由化だ」と指摘すると、「違う。規制撤廃・自由化が足りないからだ」と反論する。明らかな論理破綻を市場原理主義者は反省しない。

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河合優実インタビュー「私が松尾作品を見て受けた衝撃を、同年代の多くの方にも感じてもらいたい」 - GetNavi web

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“21世紀の不幸を科学する”をコンセプトに松尾スズキ氏が立ち上げた「日本総合悲劇協会」。その第一作として1996年に発表した『ドライブイン カリフォルニア』が新たなキャストで18年ぶりに再再演される。そこでGetNavi webでは気になる出演者の中から主演の阿部サダヲさんとカンパニー最年少の河合優実さんをフィーチャー。まずは松尾作品二度目の出演となる河合さんに、前作『フリムンシスターズ』の思い出、そして今作への思いをたっぷりとうかがった。

河合優実●かわい・ゆうみ…2000年12月19日生まれ。東京都出身。2021年にブルーリボン賞新人賞、キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞などを受賞。代表作に映画『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』など。現在、ドラマ『17才の帝国』(NHK総合)に出演中。映画『冬薔薇(ふゆそうび)』『PLAN75』が6月より公開予定。

【河合優実さんの撮りおろし写真】

2年前に初めて体験した松尾さんの舞台は、私にとって挑戦というよりご褒美でした

──松尾スズキさんの舞台は2020年のミュージカル『フリムンシスターズ』に続いて2作目の出演となりますね。

河合 はい。もともと大人計画のファンだったんです。どんなきっかけで大人計画の存在を知ったのかは明確に覚えてはいないのですが、宮藤官九郎さんのドラマもよく拝見していましたし、潜在的にずっと追いかけていて。ですので、『フリムンシスターズ』への出演が決まった時は、まさか自分が松尾さんの舞台に立てるとは思わなくて、ビックリしました。

──その時の稽古はいかがでした?

河合 いろんなことが衝撃的でした(笑)。一人ひとりがモンスター級の俳優さんたちですし、皆さんすごく楽しそうにお芝居をされていて。それを見ているだけでも幸せでした。それに、私はずっと歌とダンスをしていて、舞台に立ちたくてこのお仕事を始めたので、『フリムンシスターズ』への参加は、挑戦というよりご褒美みたいに感じていて。コロナ禍でまわりの方たちがいろんなことに不安を抱えている中、自分だけこんなに楽しんでいいのかなって思っていたぐらいでした。

──3年前にデビューされ、これまでは映像の仕事が多かったかと思いますが、舞台の面白さはどんなところだと感じましたか?

河合 分かりやすい部分でいえば、稽古があるかないかというところに大きな違いがあります。約1カ月かけて稽古を重ねていくと、“このメンバーで作品をつくっているんだ!”という強い一体感が生まれる。映画も共同作業なのですが、やはり実感としては舞台の方が強いですね。私はそこがすごく楽しいですね。

──稽古自体に緊張はなかったんでしょうか?

河合 前回はミュージカルということもあり、特に私の役は歌ったり踊ったりすることが多かったので、楽しさしかなかったですね。また、それぞれが考えたお芝居を稽古場で試し、それが少しずつ形になっていく過程をみんなで見守っていくという作業にも面白さを感じていました。

──では、今回の出演も喜びが大きかったのでは?

河合 驚きました。松尾さんが『フリムンシスターズ』の公演中に決めてくださったみたいで、私が知ったのも大阪公演の大千秋楽直後だったんです。東京に着いて、大きなスーツケースをゴロゴロと転がしながら帰っている途中に連絡を頂いて。“松尾さんとの舞台が終わっちゃった……”と思っていたら、すぐに次が決まったので(笑)、最初は本当に信じられなかったですね。

──こうして再びオファーがきた要因は何だったと思いますか?

河合 え〜、分からないです。私が松尾さんにお聞きしたいぐらいです(笑)。ただ、当時「ありがとうございます。頑張ります」と松尾さんにお伝えした時、『もう21歳でしょ。大丈夫だよ、君ならできるよ』と言っていただいて。その言葉に勇気を頂きましたし、その瞬間から2022年が来るのを待ちわびてました(笑)。

稽古場で見た阿部サダヲさんは、ちょっと理解できなさすぎる生物でした(笑)

──今回の『ドライブイン カリフォルニア』は再再演になりますが、ご覧になられたことはありますか?

河合 2004年の再演版を映像で拝見しました。その後に戯曲も読んだのですが、自分が演じるエミコの役が(再演時の)小池栄子さんの声でずっと再生されてしまって。役のことを考えるたびに、小池さんの影がちらついてます(笑)。ただ、こうした“再演”って舞台特有のものですし、これまでいろんな役者さんがこの作品に挑み、歴史を作ってきたんだということをしっかりと受け止めながら、自分らしく演じていけたらなと思っています。

──作品自体にはどのような印象を持たれましたか?

河合 この作品のほかに昔の大人計画の舞台映像も拝見したのですが、基本的にずっとカオスだなと感じました。いろんな傷や不幸を背負った人間たちがそれらを一つの場所に持ってきてしまったことで、いつしか全てがごちゃ混ぜになりながら物語が進んでいくという印象があって。前回の『フリムンシスターズ』は珍しくハッピーエンドでしたけど、この『ドライブイン カリフォルニア』は悲劇で終わる。それに悲劇といっても、優しさやぬくもりが後味として残るような印象もありました。……とはいえ、ほかの過激な作品に比べて穏やかな登場人物が多いからそう感じるだけで、冷静に考えたら、全然そんなことないんですけど(苦笑)。

──エミコ役についてはどのように演じていこうとお考えですか?

河合 彼女は一見すると、明るくて気立てのいい子なんです。実際は彼女なりに抱えているものがあるんですが、物語の序盤ではにぎやかな存在でいられたらなと思ってます。また、彼女はドライブインで働いていて、その場の「身内」ではあるんですが、過去を知らない新参者でもある。それが、この作品における、先輩方と私自身の関係性にも似ているような気がしていて。ですから、そうした重なる部分をうまく役に活かしていけたらなと思ってます。あと、ワクワクしているのが皆川(猿時)さんとの共演。今回は夫婦役なんです! そこが本当に楽しみですね。

──その皆川さんや主演の阿部サダヲさんとは『フリムンシスターズ』でも共演されていましたね。

河合 はい。お2人とも、舞台を拝見するといつも弾けていらっしゃるのに、稽古場ではすごく物静かで、最初は戸惑いました(笑)。皆川さんはまだ、バックヤードでずっとセリフを練習されていて、自分の出番になるとそれを爆発させていたので、どうにかこうにか舞台で見るお姿の片鱗をうかがうことができたんです。でも阿部さんに関しては、いつどこで何を考えてあんな表現ができるのか、まったく分からなくて。それでいて全部のお芝居が面白い。ちょっと理解できなさすぎる生物でした(笑)。天才ってこういう方を言うんだろうなと思いましたね。

──そうしたモンスター級の人たちを松尾さんがどのように演出されているのかも気になります。

河合 作品から受ける印象だと怖い方なのかなと思っていたのですが、すごく優しい方でした。ただ、中途半端なことをすると目の奥に厳しさを感じる時があります(笑)。面白いこと、楽しいことに対して、ものすごく目が肥えていらっしゃると思いますし。

──ということは、怖い存在なんですか?

河合 いえ、優しい方です……あ、でも、やっぱり怖いですね……いや、やっぱり優しいです(笑)。ただ、あの厳しい目をずっと向けられている大人計画の皆さんって、本当にすごいなって思います。

前回の再演で演じた小池栄子さんの幻影を自分の中に落とし込むくらいの気持ちで

──河合さんとしては、今回の作品に対して、どんなところを意識して向きあっていきたいと思っていますか?

河合 前回の『フリムンシスターズ』はミュージカルで、しかも新作でしたので、0から生み出す稽古でした。でも、今回は再再演ということで松尾さんの中でブラッシュアップさせていく作業になりそうで、そうした前回とは違う稽古に、私も新たな気持でしっかりとついていきたいなと思っています。怖がらず、気張りすぎず、フラットに。……いや、絶対にフラットでいられないと思うのですが(笑)、のびのびと演じられるように頑張ります。

──早く小池さんの声が頭から消えるといいですね(笑)。

河合 そうですね(笑)。ただ、映像を一度見て、頭にインプットされた以上、こればっかりはもうしょうがないのかなと思っていまして。もちろん、自分で新しいエミコを作っていきたいと思っていますが、時には小池さんが演じたエミコが無意識に出てくると思うんです。けどそれは、自分の中に残り続けるある意味でひとつの正解の形だといえますし、もしくは変える必要のない面白さとも言える気がしますので、無理に違う表現を模索するのではなく、うまく自分の中に落とし込んでいけたらなと思っています。

──では、初めて演劇をご覧になる方に向けて、河合さんが感じる舞台の楽しみ方を教えていただけますか?

河合 映画でもテレビでも感じられないものが体感できる、そこがまず大きな違いだと思います。昨年、松尾さんの代表作である『マシーン日記』を大根仁さんが演出して再演した舞台を拝見したのですが、改めて心を蹴破られたような衝撃を受けて。松尾さんにそのことをお伝えしたところ、「まだこの物語で若い人にそう感じてもらえることはすごく嬉しい」とおっしゃっていたんですね。ですから、私と同年代の若い方にもたくさん劇場に足を運んでいただいて、同じ衝撃を感じてもらえたらなと思っています。

──最後に、GetNavi webということで、ご登場いただく皆さんに最近購入したものをお聞きしているのですが、どんなものがありますか?

河合 少し前から一人暮らしを始めたので、今はいろいろと買い揃えているところなんです。最近だとローテーブルを購入しました。実家からはテレビしか持ってこなかったので本当に何もなくて(笑)。次はラグが欲しいな、なんて思ってます。そうやってお部屋に合うものを探している時はすごく楽しいですね。今のところ、一人暮らしも満喫していますし。……と言いながら、これからちょっとずつ寂しくなっちゃうのかもと思ってますが(笑)。

日本総合悲劇協会Vol.7『ドライブイン カリフォルニア』

【東京公演】 2022年5月27日(金) ~6月26日(日) 本多劇場
【大阪公演】 2022年6月29日(水) ~7月10日(日) サンケイホールブリーゼ

(STAFF&CAST)
作・演出:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ、麻生久美子、皆川猿時、猫背 椿、小松和重、村杉蝉之介、田村たがめ、川上友里、河合優実、東野良平、谷原章介

撮影/中田智章 取材・文/倉田モトキ ヘアメイク/上川タカエ(mod‘s hair)スタイリング/𠮷田達哉

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Tuesday, May 24, 2022

【愚者の旅―The Art of Tarot】第11回〈番外編②下〉 タロットのヒミツの裏にある「数」の意味。2ケタの大アルカナはどう解釈するの? - 読売新聞社

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「数の秘密」がテーマの「愚者の旅・番外編」第2弾。前回は、タロットと深く結びついた「数秘術」の基本を説明した。ただ、それは深くて広い数の世界のほんの入り口に過ぎない。前回、「数秘術」では、1~9の数字を「ルートナンバー」といい、「それぞれ違った意味がある」と書いた。じゃあ、2ケタ以上の数字はどう解釈するの? 解決策は単純だ。2ケタ以上の数から「ルートナンバー」を導き出せばいいのである。

「マルセイユ版」のコインの2

計算方法はこうだ。それぞれのケタの数を足していって、最終的にそれが「ルートナンバー」になるまで続けるのである。例えば、「1995」という数字があるとする。それぞれのケタの数、「1」「9」「9」「5」を、まず足す。1+9+9+5=24で「ルートナンバー」にはならないので、さらに「2」と「4」を足し、2+4=6、つまり「6」を導き出す。こうすれば、どんなケタの数でも「ルートナンバー」が導き出される。

2ケタの数の大アルカナはまず、その「ルートナンバー」を使って解釈できる。例えば、「11」であれば、「ルートナンバー」は2。「奇数だが、2の要素を持つ数」ということになる。前回提示した「数の秘密」の一覧表をもう一度ここに示しておこう。「2」の意味の中に「バランス」がある。それを「奇数」で活性化させることで、「安定からの再出発」というイメージが浮かんでくる。「トート版」のⅪ、「力」のカードを見てみよう。ここには「人間」と「獣」というある種「対立するもの」の融合が描かれている。「2」の中にある「対立や調和などの相対性」が奇数によって活性化され、それらが融合して「力」となる、というふうに解釈ができる。

「トート版」の力のカード

さらに言えば、「2ケタの数」は「1ケタの数=ルートナンバー」を足したり、かけたりすることでも表現できる。そこに「生命の樹」の要素を加えると、さらに複合的なイメージになる。「11」のカードで例えるならば、「1110+1」と考えることもできるわけだ。「ひとつのサイクルの終わり」を意味する「10」に「物事の始まり」である「1」を加えれば、「新たな出発」の連想は容易だろう。「愚者の旅」は「2周目」に入り、そのスタート地点が「力のカード」ともいえそうなのである。ちょっと面白いのが「ライダー版」の力のカードで、「獅子」を手なずけている女性の頭の上に、「1」で出てきたあの「∞」のマークがある。「ライダー版」では力のカードは「8」で「11」ではないのだが……。

「ライダー版」の力のカード

タロット解釈でよく使われるのが、「×3」のかけ算だ。「3」は「創造性」「何かを生み出す」というイメージがあるので、「3倍する」という行為には、「もとの数の要素を増幅する」こととつながる。例えば「7」には上記の表にある「飛躍」に加え、キリスト教では「聖なる数字」というイメージがある。「神はこの世を6日間かけて作り、その後に休息された」からだ。「7×3」で導かれる「21」のカードは、「愚者の旅」の終着地でもある「世界」。「限りない創造性」のイメージであり、すべてを統合した「α(アルファ)でありΩ(オメガ)である」の寓意も出てくる。「興味深いのは、『人間』の寓意である『5』のカードの『×3』、『15』のカードが『悪魔』であることですね」とこの連載のナビゲーター、イズモアリタさん。これが何を意味するのかは、「悪魔」の回でお話することにしよう。

悪魔のカードのいろいろ

さらに「数秘術」では「ルートナンバー」のほかに、特別な数として「マスターナンバー」があり、「11」と「22」がこれにあたる。「11」は「啓蒙のマスター」「霊感によるメッセンジャー」で、違う言い方をすると「他人に向上することを求め」て「世界の問題を解決しようとする」者、という意味がある。「22」は「建築のマスター」で、「大きなプロジェクトを計画、実行するための想像力」。考えてみると、「大アルカナ」の枚数も22枚なのだ。数字とアルファベットやギリシャ文字、ヘブライ文字を結びつける「ゲマトリア」というシステムもある。ひとつの例が、黙示録に出てくる獣の数字「666」。この数字をヘブライ文字に置き換えると「皇帝ネロ」になるそうで、暗にこの暴君への批判を込めているという説もある。

「マルセイユ版」の剣の1

「ルートナンバー」を求めたり、それを足したりかけてみたり。様々な数字の寓意が込められているタロットの世界。「数秘術」はとても複雑だが、その膨大な思考の中から「世界の真理を知りたい」と希求した、いにしえの賢者たちの姿が見えてくる。「愚者の旅」のテーマは、「多彩な絵柄のタロットを楽しむこと」にあるけども、ちょっとしたスパイスとして、「数」のことも気にかけてみたらいかが?

(美術展ナビ取材班)


【愚者の旅―The Art of Tarot】タロットって何?

14世紀から15世紀にかけてヨーロッパで原型が作られたタロットは、18世紀から19世紀にかけて占いのツールとして使われるようになり、19世紀から20世紀にかけて神秘主義と結びついた。タロットカードに描かれる絵は寓意と暗喩に満ち、奥深く幅広い解釈が出来るようになったのである。数多くの画家たちが腕を競ったカードの数々は、まさにテーブルの上の小さなアート。タロット研究家で図案作家のイズモアリタさんをナビゲーターに、東京タロット美術館(東京・浅草橋)の協力で進めるこの企画は、タロットのキーパーソン「愚者」の「旅」にスポットを当てながら、カードに描かれている絵の秘密を解き明かしていく。

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味の素社、「十勝ポテトサラダきたあかり」で外食課題に対応 産地・品種で単価向上 - 食の情報源

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「十勝ポテトサラダきたあかり」(左手前)と既存普及品、きたあかりの黄色い果肉が分かる

「十勝ポテトサラダきたあかり」(左手前)と既存普及品、きたあかりの黄色い果肉が分かる

 味の素社は6月から、業務用の「十勝ポテトサラダきたあかり」=写真=を発売して、居酒屋の料理単価を上げる。十勝という人気産地、きたあかり品種をメニュー名に使ってもらい、分かりやすく価値向上。加水量を半減し、大きなさいの目切りにして、手作り以上の食べ応え、味わいを引き出した。キュウリなどほかの食材と混ぜるだけで付加価値メニューができ、人手不足にも対応。外食市場の課題を解決し、回復を促す。
 ほかにない産地・品種指定の商品力を深めた。北海道十勝地方の4町5

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