トム・ブレイディはタンパベイ・バッカニアーズの現役クオーターバック(QB)である一方、いずれは放送界に身を転じることが公になった。では、いよいよQBカイル・トラスクの出番が近づいているのだろうか?
そう簡単には話は進まない。
バッカニアーズのQBコーチであるクライド・クリステンセンはトラスクが2022年のタンパベイでより重要な役割を担う可能性を一蹴している。2年目のQBの仕事はブレイディの代役の座を争うことではなく、ベンチで学ぶことのようだ。
『Tampa Bay Times(タンパベイ・タイムズ)』によれば、クリステンセンは「彼が(ブレイン)ギャバートと今年に競うとは思っていない」と話したという。
「彼にはできるだろうが、不利な状況だ。全員にレップスを配分することはできない。ギャバートに十分なレップを与えることも難しいんだ。だから、われわれはギャバートをナンバー2として準備する」
ブレイディの短い引退の間にバッカニアーズは困難な現実に直面し、ベテランバックアップのギャバートを先発とし、トラスクにプレーの準備を始めさせざるを得なかった。もしくは、2人にトレーニングジャンプでナンバー1の座を争わせる心積もりだった。当然、トレードで(おそらくジミー・ガロポロやベイカー・メイフィールドらの)クオーターバックを確保できなければ、その筋書きに進んでいただろう。
だが、ブレイディの引退は40日で終わり、これまで以上にハングリーな精神で現場に戻っている。ブレイディの復帰は多くの人々を驚かせ、バッカニアーズを安堵させたのみならず、クリステンセンが承知していたことを改めて確認させた。すなわち、トラスクの成長にはもう1シーズンが必要であり、彼らはそれを確保したのだ。
「ギャバートがバックアップで、カイルは成長中だと見ており、そういう形で彼らに練習させていく」と言うクリステンセンは、トラスクが急にブレイディを大きく上回る力を見せ始めればアプローチを再検討するものの、「その可能性がとても高いとは言えず、率直にいってわれわれがそういうオペレーションをすることはあり得ない」と続けている。
それは2021年ドラフトの2巡目で指名されたフロリダ大学出身のトラスクにとって、高校時代に遡るテーマでもある。トラスクは次第に成長してきた選手であり、プロセスを信頼して結果を楽しむことによって一歩ずつ前に進み、ここまで到達した。
「ときにはもう必要ないと感じられることもあるだろうが、彼はもう1年必要だと言うだろう。彼は順序だった成長の仕方をするし、高校や大学と同じパターンを踏襲すると思う」とクリステンセンは述べている。
大きなハードルになっているのは必ずしもトラスクのパフォーマンスではなく、パフォーマンスを発揮するチャンスの不足だ。QBルームの他の面々はベテランであり、クリステンセンが火曜日に話した内容によれば、トラスクは春のワークアウトとチーム合同練習で多くのレップスをこなす予定だが、一番大事な試合でのプレーについてはまだ先の話になるようだ。
「今年は開始日をわざわざ知る必要がないのがうれしい。彼をもう1年成長させ続けることができるし、このオフシーズンのプライオリティの一つがそれだ」とクリステンセンはい言う。
バッカニアーズのQBルームに対するスタンスはチームの現状を示しており、トラスクが非難することもないだろう。バッカニアーズにはもう1年ブレイディがいて、勝つためにシーズンに臨んでいる。クリステンセンが今も重きを置く選手であるギャバートが中心となって、ブレイディの背後の安全性を確保していく。
トラスクには未知の要素があり、それが故に再び“レッドシャツイヤー“を送る。一方で、それは “成長しつつ、このビジネスでもベストの選手(ブレイディ)が自分の仕事をやっていくのを見る”チャンスでもある。
攻撃コーディネーター(OC)バイロン・レフトウィッチは「われわれはカイルの位置に満足している」と話している。
「われわれがやったのはプレシーズンのレップスだけだ。彼は前にフィールドに出たときより大幅に良くなっていると思う。われわれはそれを見なければならない。彼にはまだ、実際にフィールドでプレーするチャンスがなかった」
バッカニアーズは今週からトラスクにそういったチャンスをもっと与えることを願っている。今のところ、トラスクが近いうちにデプスチャート上でブレイディのすぐ後ろに控えるナンバー2になることはない。トラスクの時代が来るのは、それがいつになるにしろ、ブレイディが本当に引退してからということになるだろう。
【A】
からの記事と詳細 ( QBカイル・トラスクにもう1年“レッドシャツイヤー”を送らせるつもりのバッカニアーズ - NFL日本公式サイト )
https://nfljapan.com/headlines/76556
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