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Thursday, July 9, 2020

ロボットが配膳する「非接触サラダバー」のグリルレストランに行ってみた - PC Watch

三笠会館「THE GALLEY SEAFOOD & GRILL
二子玉川駅徒歩2分 玉川高島屋S.C.南館6F
営業時間 11:00〜22:00(ラストオーダー21:00)
2020年7月6日オープン

 株式会社三笠会館がプロデュースするグリル料理とサラダバーを中心としたレストラン「THE GALLEY SEAFOOD & GRILL」が2020年7月6日、玉川高島屋S.C.南館6Fににオープンした。

 自動搬送ロボットを採用してオーダースタイルのサラダバーサービスを維持しつつ、「非接触(客同士、客と店舗スタッフも直接接触しない)」かつ「非対面(客とスタッフが対面接客しない)」の店舗オペレーションを開発し、「非接触サラダバー」を実現したという。早速、うかがってみた。

レストラン向け搬送ロボット「PEANUT」

「ハル」(左)と「エリザベス」(右)

 導入されたロボットは2台で、どちらも同じかたちだが、それぞれ「ハル」と「エリザベス」という愛称がつけられていた。店員がつけた名前だ。ちなみに背面に星のシールがつけられているほうが「エリザベス」である。実際に店舗に足を運んで確かめてもらいたい。

 今回、ロボティクス サービス プロバイダの株式会社QBIT Robotics によって導入されたこのロボットは、中国のサービスロボット専業メーカーKeenon Robotics製の「PEANUT(ピーナッツ)」だ。移動台車に料理などを載せられる3層のトレイが設置された形状のロボットで、大きさは500×500×1,200mm(幅×奥行き×高さ)。重量は60kg。最大積載重量は合計60kgまで(1トレイ当たりの耐荷重は10kg)。移動速度は秒速1m。移動中に音声や音楽を再生することも可能だ。

 このロボットは天井に貼られた位置マーカーを頂部の赤外線センサーで絶えず確認することで自己位置を把握して指定位置へ移動する。タッチパネルを使った指示により、一度の走行で3カ所を巡回できる。障害物は超音波センサーなどで検知して自動回避できる。床の傾斜には最大傾斜角度5度まで対応する。連続稼働時間は8時間。バッテリは4時間でフル充電できる。

 なお今回の店舗での実際の運用では、朝に動かしはじめたあと充電する必要が出たケースはないそうで、実際には10時間以上保ちそうだとのこと。QBIT Roboticsでの販売価格は200万円(参考価格。システム構成により価格は変動する)。

 ロボットは位置マーカーを同時に3つ見ながら移動していく必要がある。「天井の位置マーカー」と言っても、飲食店の場合、天窓があったり、梁が飛び出ていたり、装飾物がぶら下がっていたりすることも多い。

 今回の店舗では目立たないようにマーカーがうまく貼られていた。一部直接貼ることができない場所に設置しているマーカーボードは、万が一、落下するようなことがあっても利用客を怪我させたりする可能性が低い場所に設置されている。これらの作業はQBIT Roboticsが行なった。

ロボット頂部。マーカーを検出するカメラとタッチセンサー
天井の位置マーカー
天井に直接貼れない場所につけたところでも、万一落下しても怪我させることがないように配慮されている
店内の様子。一般の人はマーカーには気づかないだろう

ロボットで時間を生み出し、ゆとりあるサービスを提供

人とロボットの役割分担で時間を生み出す

 「THE GALLEY SEAFOOD & GRILL」はアメリカ西海岸の『ラグジュアリーなビーチハウス』を意識した空間設計となっているレストランで、ロブスターやステーキなどのグリル料理と、オーダースタイルのサラダバーやドリンクバーを楽しむことができる。記念日はもちろん、幅広い世代が日常使いできるカジュアルダイナーだ。じつはこの店は実験的な店舗だ。

 三笠会館ではロボットを使った省人化は考えていないという。「人を減らすよりは、ロボットができることはロボットにやってもらって、時間とゆとりを生み出して、人は人がすべきことに集中できるようにしたい。今後も人を減らすことは考えていません」(三笠会館・堀田氏)。またメニューについても技術を使うことでなるべく選択肢を増やせないかと考えているとのこと。

 老舗の「三笠会館」と「ロボット」は、意外な組み合わせに思える。だがじつは、三笠会館の谷辰哉社長は以前から「ITやテクノロジを店舗運営に取り入れたい」という気持ちが強く、欧米の技術にもつねに注目していたそうだ。前述のように、テクノロジとの協働でゆとりを生み出し、そのゆとりを使って、レストラン本来のサービスや料理の質の向上など、人が本来なすべきことへとつなげるためだ。

 そのため、もともとオールドスタイルで、保守的な利用者も多いと考えられる店舗をあえてリニューアルすることで、新しいスタイルがどんな受け入れられ方をするのかを試してみたかったのだという。この店舗にはロボット以外にもセミオートキャッシャーなども導入されているし、前述のように、タブレットで注文された内容はその時点でデータとして蓄積されていくようになっている。

 なお店舗のPOSシステム、テーブルトップオーダー、キッチンディスプレイなどのITシステムは、株式会社Mt.SQUAREが手がけている。ロボットとの連携はしていない。

シーフードメニュー
ミートメニュー
ロブスター
キッズメニュー

 ただ、今回のサラダバーのオペレーションでロボット導入を決断した理由は、やはり新型コロナウイルス禍だった。もともとサラダバーを店舗で提供すること自体は決まっていた。しかし従来スタイルでの提供が難しいとなったときに「搬送ロボットを使ってみよう」という話になったのだそうだ。とくにKeenonの搬送ロボットを使うことはシンプルで店舗とも違和感が少ないフォルムから、早々に決めていたという。

 Keenonのロボットは日本でも数社が扱っている。そのなかで数社によるプレゼンの結果、最終的にQBITが選ばれた。QBITが評価されたポイントは2点あるという。

 1つ目は「スムーズな導入」だ。6月頭にKeenonのロボットを販売しはじめたばかりのタイミングで連絡を受けたQBITは、天井マーカーの位置決めなどすべての調整を済ませた上で、店舗側が何もしなくてもタブレットを触ればロボットが使えるところまで仕立てて納品した。

 もう1点は「楽しいロボット」だったこと。QBITが志向するエンターテイメントとしての方向性が三笠会館の考え方とマッチし、店舗との親和性があると判断された。

 QBIT Roboticsはカフェや居酒屋など、おもに飲食分野においてエンタメ性があるロボットサービスを展開している。省人化・合理化だけだけではなく、人とロボットが楽しく協働できる社会を目指している点が特徴で、今後も、Withコロナ時代に適合し、かつ、ロボットが居る「楽しい」店舗づくりを目指していくとしている。

あまり違和感なく受け入れられているようだ

 今回導入したロボットも、いまはサラダバーを運んでいるだけだが、今後、バッシング(下膳)や、「お誕生日祝いのお手伝い」を担うことも検討しているとのこと。また、「出来立てのパエリアを載せて店内を巡回する」といったアイデアも出ているそうだ。楽しく快適なレストラン空間作りにロボットが役立つことを期待している。

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