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Friday, September 2, 2022

【レビュー】いろんな形で「ヒト」を描いた日本画展――板橋区立美術館で90周年館蔵品展「ぞろぞろ わいわい 人… - 読売新聞社

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まずは上の画像を見ていただこう。

タイトルは《蘭人少年像》。その名前の通り日本人ではなさそうな、リアルに描かれた少年の肖像画である。だが、これが展示してあるのは「日本画展」なのだ。よくよく見ていくうちに、いろんな疑問が沸いてくるのである。

一体、これは誰が描いたのか。なぜ、軸装されているのか。そもそも、この子は何者なのか――。

明らかにレベルは高いのだけど、何のためにどういう経緯で描かれたのが分からない一枚、今回の展覧会は、まずこの絵を含む肖像画から始まる。

展示風景

板橋区立美術館は、江戸狩野派をはじめとする近世日本絵画の収集で有名な美術館である。「洋風画」のコレクションで知られる「歸空庵コレクション」の寄託も受けている。それら所蔵品の中から、「人」を描いた作品を紹介しているのが今回の展覧会。とはいえ、なかなか個性あふれるセレクションになっている。

下の2枚の画像を見れば、何が言いたいか、少し分かっていただけるかもしれない。上は「歸空庵コレクション」に含まれている長崎の画家・川原慶賀の作品。何ともまあ、見事に西洋の風刺画のタッチである。下は美人画で知られる浮世絵師・勝川春潮がふたりの「少年」を描いたもの。何というか、BLっぽい匂いがそこはかとなく漂っている。

誤解を怖れずにいえば「クセが強い」作品が目立つのだ。内角に直球が来るのかな、と思っていたら、実は手元で懐に食い込んでくる2シームのように。「お主やるな」と思わずつぶやいてしまいそうな、「山椒が利いた」感じの展示になっている。

川原慶賀 《蘭人図》 江戸時代(19世紀) 紙本著色 歸空庵コレクション
勝川春潮 《喫煙若衆図》 江戸時代(18世紀) 絹本著色 板橋区立美術館

例えば、美人画のコーナー――。

下の2枚は、ここに展示されている作品である。上は「素川」こと狩野章信の作品。下の浮世絵、《狆と芸妓図》を描いた水野蘆朝は旗本だそうだ。狩野派のバリバリ、章信の作品は何だか浮世絵のようだし、逆に水野の作品からは浮世絵離れした「品格」を感じる。どちらもスタンダードから、ちょっとだけ離れているように見えるのである。「雅」と「俗」の絶妙なミックス。考えてみれば、冒頭の少年の絵や川原慶賀の作品も「西洋」と「日本」がミックスされているわけで、そういう所が、独特の「色気」を生んでいるのかもしれない。展示は「ひとり」を描いた作品、「ふたり」を描いた作品・・・・・・と続いていくのだが、いろんな所でそういうミックス感覚を味わえる。

狩野章信 《美人図》 江戸時代(18~19世紀) 絹本著色 板橋区立美術館
水野蘆朝 《狆と芸妓図》 文政4年(1821) 絹本著色 板橋区立美術館

河鍋暁斎の2枚の絵などは典型だろう。下に挙げた《骸骨図》は酒席に招かれてサラサラと描いた「席画」のようだが、暁斎らしい軽みの中に骨太な描写力を感じる。もう一枚の暁斎の絵、《浮世絵大津之連中図》はまさにミックス中のミックス。大津絵の人気者たちを描き込んだ一隻の屏風。まあ、歌川国芳の弟子に始まり、狩野派に入門し直した暁斎の存在自体がミックスなのかもしれないが。ちなみに、下の絵は作者不詳の《西洋風俗図》。中世ヨーロッパの装飾写本を思わせるタッチだが、使われている絵の具は日本のもののようだ。他国の技術を吸収し、換骨奪胎して自分のものにするのが得意な日本文化。その典型である歌舞伎という演劇を坪内逍遙はギリシャ神話の怪物キマイラに例えた。展覧会場に並んでいる数々の「ヒト」の絵を眺めていると、そんなことを思い出す。

《骸骨図》=河鍋暁斎、江戸~明治時代(19世紀)、板橋区立美術館=の展示風景
作者不詳 《西洋風俗図》 (全12枚のうちの9枚目) 桃山~江戸時代(17世紀) 紙本著色 歸空庵コレクション

もちろん、「正統的な」日本画も数多く並んでいる。下に掲げた《唐子遊図屏風》は狩野派らしい華やかで祝祭感覚にあふれた作品。雪村の《布袋図》は、禅画らしい軽さと洒脱さが楽しい。板橋区立美術館にある浮世絵はすべて肉筆画なのだそうだが、退色も少なく、まるでリアルタイムでその時代の絵を眺めているような感覚にもとらわれる。それぞれの時代、それぞれの場所で、様々な技巧を学び、試みながら個性を磨いていった絵師たち。その息づかいが感じられるようなのである。

《唐子遊図屏風》=狩野典信(栄川院)、江戸時代(18世紀)、六曲一双、板橋区立美術館=の展示風景
雪村 《布袋図》 室町時代(16世紀) 紙本墨画淡彩 板橋区立美術館

「国宝」や「重要文化財」はないかもしれないが、つい足を止めて見入ってしまう「クセの強い」作品たち。とある演劇評論家が昔、教えてくれたことがある。「友人たちと劇場に行って、その後の酒場で(喫茶店でもいいけども)1時間でも2時間でもそこで見た芝居の話が出来たら、その芝居は君の人生をとても豊かにしてくれているんだよ」。ここに並ぶ絵の話をし始めたら、1時間や2時間では利かないのではないだろうか。その展覧会が「入場無料」。とってもお得なのではないでしょうか。

(事業局専門委員 田中聡)

歌川豊春 《邸内遊楽図》江戸時代(18世紀)絹本著色 板橋区立美術館

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食卓の一品:ピーナツソースの豆腐サラダ - 毎日新聞

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 生野菜だけでなく、ゆで野菜や焼き鳥にも合います。ピーナツとゴマ油でアジア風のパンチのあるソース。たくさん作ってストックしておくと重宝します。

 ≪主な材料≫(2人分)

▽絹ごし豆腐 200グラム

▽レタス   2枚

▽トマト   1個

▽A(ピーナツの粗みじん切り20グラム、ゴマ油・酢・みそ各大さじ1、砂糖…

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フルサイズミラーレス黎明期はどうだった? 2016年のカメラバカを見てみよう(その3) - デジカメ Watch

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これまでのお話

C氏の言う「巻き戻しクランク」について説明しましょう。フイルムカメラは撮影後に、撮影中に順送りしていたロールフイルムを元のカートリッジ(パトローネ)に戻す必要があります。それをするのが巻き戻しクランクです。クランクの他にノブがあります。自動化が進んでフイルム戻しがモーターになったころ、このクランクは廃止されていきました。だって必要がないのですから。しかしカメラが途中で壊れたときや電池切れの時にフイルムを戻せなくなり、安全にフイルムを取り出すこともできません。ゆえに、最終の安全装置として巻き戻しクランクを残していたメーカーがありました。それを古いしがらみと言っています。もちろんあの新党のことではありません。自由観音党はまだあの新党をライバル視していないのでしょう。

ところで人間の選挙(?)ですが、最近は静かになったような気がします。私が田舎に引っ越したというのもあるかもですが、街宣車を見た覚えがありません。そのかわり(?)SNSでの選挙戦がヒートアップしているように感じます。名前を連呼するのではなく、候補の主張をじっくり見ることができるのでこのほうがいいかなと思っています。

※本コンテンツはフィクションであり、実在の製品・団体・人物・地名とは関係ありません。

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Thursday, September 1, 2022

「曖昧耐性」が低いと、ベンチャー企業の「曖昧さ」がストレスに 転職前に身につけたい「思考」の切り替え方 - ログミー

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「曖昧さ」をどれだけ許容できるかどうか

――ベンチャー企業への入社後に感じるギャップの中に、制度や体制があまり整っていないことや、変化の幅が大きいことが挙げられます。この「決まっていない」ことをポジティブに捉えられるかどうかが、ベンチャーに転職してもうまくいく人・いかない人の差なのではないかと思っています。

これは水谷さんの著書『急成長企業を襲う7つの罠』で書かれていた「曖昧耐性」の話に通じていると思います。この「曖昧耐性」とはどういうものか、解説いただいてもよろしいですか?

『急成長企業を襲う7つの罠 』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

水谷健彦氏(以下、水谷):わかりました。人間は、それぞれ「曖昧さ」に対してどれくらい許容できるか、どれくらいストレスが掛かってしまうかに違いがあります。例えば「ウイルス耐性」の高い人は、ウイルスが体に入ってきても大丈夫です。でも耐性の低い人は、ウイルスが体に入ってきちゃうと、体の調子が悪くなっちゃうわけですよね。

「曖昧耐性」も一緒で、耐性の高い人は、曖昧な状態に直面してもフラストレーションが少ないんです。逆に低い人は、曖昧な状態に直面するとフラストレーションをすごく感じてしまう。

人によって曖昧さに直面した時に、フラストレーションがあるかないか、どの程度感じるのか。これが「曖昧耐性」という話です。

曖昧耐性が高すぎる人は「いい加減な人」に見られる

――ベンチャー企業は変化の幅が大きいので、曖昧耐性が低い人が苦労するのかなと思っているんですが、書籍の中で「曖昧耐性が高すぎてもよくない」というお話もされていました。その理由についてお伺いしてもよろしいですか?

水谷:前提として、曖昧耐性はあったほうが良いんですよね。ただ、曖昧耐性は(高すぎず低すぎず)真ん中ぐらいが一番ちょうどいいんです。

曖昧耐性が高すぎると、十分な情報がなくても意思決定ができてしまうなど、周囲からは「いい加減な人」に見られてしまうことがあります。「その情報量で、もう決めちゃうの?」という印象になるわけです。ベンチャーとは言え、それは仕事としてよい状態ではないはずです。

あとは例えば、社長から部長に、依頼や指示があるとします。社長が10を説明して受け取ってもらおうと思っている時に、曖昧耐性の高すぎる部長だと、3くらい説明した時点で「わかりました、じゃあやっときます!」って、終わっちゃったりするんですよ(笑)。社長は「今ので伝わったのかな、わかったのかな」と思いますよね。

――不安になりますね。

水谷:「受け取ってくれたんならいいや」となってしまうんですが、10の情報を踏まえてやるべきことが3しか入っていないので、ぜんぜん違うことをやってしまったり、ポイントがずれたりするんです。だから曖昧耐性が高すぎるのも問題です。

曖昧耐性の低い人は、トライアンドエラーの行動ができない

――なるほど。曖昧耐性が高すぎる人の特徴はわかりました。曖昧耐性が低すぎる人にも、よく見られる言動など、何か特徴はあるのでしょうか。

水谷:逆に曖昧耐性の低い人は、情報が集まらないと意思決定ができない。情報がたくさん集まると、曖昧さが減っていきますから。

何かが決まっていないことに対する不満や、決まっていたことが変わることに対する不満、精緻じゃない制度やルールへの不満などが出てきちゃうんですよね。

例えば、よくあるのが「評価の基準が曖昧だ」という話です。5段階評価で、その人が3になりましたと。その時に「4になるためには何が必要だったんですか?」と過去の話であれば、「このへんがあったら4を付けられたよ」と答えられると思います。

でも「今から始まる今期は何があれば4なんですか? どこまでやれば4が確定しますか?」と聞かれてしまうと、ある程度は答えられると思いますが確定的な話はちょっと難しい。

あとは新規事業を立ち上げて、トライアンドエラーで最初の営業は30件当たってみて、その反応を見て方針を決めよう、ということもあると思います。そうすべきシチュエーションはたくさんあると思うんです。

なんですけど曖昧耐性の低い人は「取りあえず当たってみてって、どういうことですか?」「実際に商談になった時に、何を話せばいいんですか?」と曖昧さがものすごく気になってしまう。

「取りあえず当たろう」って、曖昧じゃないですか。それがフラストレーションになってしまうんですよね。結果として「行動ができない」ということに繋がってしまう。

曖昧耐性の低さが、ベンチャーにとってブレーキになることも

水谷:それから、批判的コミュニケーションが増えてしまうんです。これがベンチャーの「スピード速く、変化の振れ幅を大きくやっていこう」というコンセプトに対して、ブレーキになってしまうんです。

――「なんでこれ、決まってないんですか?」という、少し語気が荒いような(言い方をしてしまったり)。

水谷:「でも今は、それを決める段階ではないんだよね」という状況ってよくあると思います。いろいろ準備をしたりプランを練ったりする情報も少ないので、「それを決めるタイミングではないから、今は取りあえずやってみて経験を重ねたほうがいいけどな」という話なんですが、それがなかなか理解できない。本人としては、曖昧な状態であることがフラストレーションに感じてしまうから。

当然ながら、精緻にやるべき仕事は、曖昧耐性を低くしてやるべきです。他の企業と契約書を交わす時に、文書を読まないで判子を押したらダメじゃないですか。文書を読んで「ここが気になります」とちゃんとやるべきなんで、そういうことはちゃんと曖昧さをなくしてやるべきです。

そういう仕事だと曖昧耐性が低い人もフラストレーションは起きないんですけど、ベンチャーだから、曖昧な状態のまま走るべきことがけっこうあります。その時に(曖昧耐性の低さが)ブレーキになってしまうんです。

――これはベンチャーだけではなく大企業でも、新規事業のような不確定な要素が多い仕事を担当する方には、必要な要素ですよね。

水谷:そのとおりです。

感情は変えられないので、思考で切り替えるしかない

――ただ一方で、決まっていないものに対して「自分はこう思う」と意見を持つことは大事だと思っています。

水谷:そうです。

――曖昧なことに対して自分はどうしたいのか、自分の受け取り方が大事なのではないかなと、本を読みながら思いました。水谷さん、曖昧耐性を意識的に高めるにはどうしたら良いのか、アドバイスがあれば教えていただけますか?

水谷:まず曖昧耐性の低い方は、曖昧な状態に直面すると、フラストレーションが発生します。「フラストレーション」をシンプルに言うと、怒りとか困惑といった「感情」です。

僕は基本的に、感情は変えられないと思っています。心理学でもよく「感情は変えられない」と言われますよね。だから「イライラするな」というのはお勧めしません。イライラはしてしまうものです。

イライラしちゃって、その感情に自分が侵されていくのか、それともコントロールできるのかということが、大きく違うところだと思っています。イライラに自分を支配されてしまう場合は、「何でこうなっているんですか!」って言ってしまうんです。

――感情がそのまま批判的な言動になってしまうわけですね。

水谷:基本的に、これで幸せな結論が出ることはあまりないですね。コントロールできるかというのは、「落ち着け、私。このイライラは、私が曖昧耐性が低いからなんだな。この仕事って、そもそも精緻にやるべきなんだっけ。これくらいの曖昧さでやるべきなんだっけ」と考える。

「トライアンドエラーだから、今回の話は曖昧にやるべきだ。自分のこのイライラは我慢しよう」と、自分の心の中で思えるかどうか。感情は変えられないので、思考で切り替えるしかないんです。

大切なのは、個人の「曖昧耐性」と業務内容のバランス

――先ほど曖昧耐性が高すぎる方についての話がありましたが、曖昧耐性が高すぎる人と仕事をする中で「もうちょっとここは詰めたほうがいいんじゃない?」ということも発生すると思います。どのように対処すれば良いのでしょうか。

水谷:曖昧耐性が高すぎる人は、曖昧耐性が高すぎることに甘えた結果、仕事がうまくいかないという経験をしているはずなんです。

例えばさっき契約書の話をしましたが、曖昧耐性が高いことによって、契約書をあまり見ないで契約したとします。そうすると事後に何らかの揉めごとがあって、「契約書に書いてあるとおりに対処しましょう」という時に、「あ、うち不利じゃん」と気づくんです(笑)。

――痛い目を見るんですね。

水谷:自分の耐性の高さがどうなのかという話と、その仕事はどれくらい具体的にやるのか、どれぐらい曖昧にやるのかという、この(個人と業務の)関係が大事です。

――その見極めは自分の中で持っておけるといいかもしれませんね。

水谷:自分の思考を変える必要がある時は、自分の思考を変えれば良いし、「いや、これはちゃんとやるべきじゃないか」という時には、周りにそれを訴えかけていけば良いと思います。

「思考のフィルター」はトレーニングが可能

――すでにベンチャー企業に入社している人に対して、曖昧耐性を育成することはできますか?

水谷:結論、あまりできないですね。曖昧な状態に置かれた時にイライラしてしまうのは仕方のないことで、あまり変えられない。「イライラするなよ」と他の人が言っても、難しいと思うんですよね。

ただ、「感情に支配されず思考をコントロールする」という部分は育成できるんですよ。僕はこのことをよく「フィルター」と言っています。

感情を、思考のフィルターを通して良い方向に持っていく。これはトレーニングができます。ちなみに今は曖昧耐性の話をしていますけど、心理学的な側面の改善はほとんど「フィルター」の話だと思っています。

アンガーマネジメントではまず最初に「7秒ルール」を教わります。「怒りの感情を持った時は、7秒待て」と。あれは7秒待っている間に思考が働くからなんです。

――フィルターを働かせるために、7秒待つんですね。

水谷:そうです。「感情」は変えられないから、それをコントロールできるかが勝負で、それをコントロールできるのが「思考」なんです。

あとは「行動」ですよね。イライラした時に走ったりすると、いつのまにか解消されたりします。これは行動で解消していますけど、ビジネスでは「思考」が良いと思いますね。

――なるほど。ベンチャー企業に転職する前に、アンガーマネジメントや感情をコントロールする方法について知識を入れておくといいかもしれませんね。

水谷:それが良いかもしれません。専門的に言うと「選択理論心理学」です。「チョイスセオリー」とも言われる、感情と生理反応は変えられないけど、思考と行動はコントロールできるという考え方です。

採用面接時は、質問の「粒度」で曖昧耐性を見る

――採用の話に戻るのですが、水谷さんは採用時に、志望者の曖昧耐性を具体的にどうやって見ていらっしゃるんですか?

水谷:自分自身の曖昧耐性との比較が、やりやすい方法です。例えば自分の曖昧耐性はこのレベルだなとわかっている場合は、「自分より高いか、自分と同じくらいか、自分より低いか」はわかるので、それを見ています。基本的には、相手からされる質問の「粒度」で判断しますね。

――質問の粒度ですか。

水谷:やたら具体的な質問をたくさんする人は、曖昧耐性が低いんだなと思いますね。

――例えばどんな質問ですか?

水谷:仮に営業スタッフの面接だと、「営業の新規のリード獲得と割り振りの方法って、どうなっているんですか?」とか。これくらいの質問は良いと思います。自分で開拓する新規主体なのか、ネタ(既存顧客)が提供されるのか、これは営業として知るべきだと思います。

でも例えば「割り振りのルールってどうなっているんですか?」とか。そうすると「この時点で、けっこう細かいところまで聞いてくるな」と感じます。

それから福利厚生の質問。別に福利厚生を確認することは悪いと思わないんですけど、ものすごく精緻に確認してくると、「ああ、そのレベルで気になるんだ」となりますね。僕は相手の方が発する質問で、曖昧耐性を判断をしています。

曖昧さへの適応度を見る適性検査の活用

水谷:あとは、こちら側が質問をした時に、最初の一言目が抽象的な場合があるじゃないですか。僕の中では二言目、三言目で質問を理解してもらおうと思っているんだけど、一言目を言った瞬間に「わかりました」としゃべりだそうとする人は、「ああ、曖昧耐性が高いな」と判断しています。

――さっきの「10を話そうとしていたのに、3を聞いて動き出す人」と同じですね。

水谷:僕はそうやって判断していますが、曖昧耐性を面接で判断するのは、なかなか難度が高いです。もし曖昧耐性を把握したければ、そういう尺度が入っている適性検査があるんですよ。

曖昧耐性と表現しているかどうかはテストによって違いますけど、「曖昧さへの適応」といった項目が入っている検査があるので。測りたければそういうものを活用するのがお勧めです。

――数値で判断できるんですね。

水谷:面接官に曖昧耐性を測る技量がなくても、数値で出てくるので、そのほうが安心だと思います。

「労働は苦役なり」「就職は人生の墓場」と思っていた

――ありがとうございます。最後に、インタビューをさせていただくにあたって1つ気になったことがあります。貴社は「就労観」という言葉を使っていらっしゃるんですが、なぜこの言葉を使っているのか、その理由をおうかがいしてもいいですか?

水谷:僕が20代の頃の話なので、今から20数年前の話になるんですが。大学を卒業して最初の会社で働いている時は、「労働は苦役なり」の価値観でした。「就職は人生の墓場」だと思っていたタイプなんですよ。

学生時代まではとても楽しくて、そこから先は「月曜から金曜はもう大変だ」「土日を楽しみに生きるんだ」という価値観でした。

社会人3年目の時に、いろんな縁があってリクルートの子会社に転職しました。そこではみんなが仕事にすごくやりがいやこだわりを持っていて、超ポジティブに向き合っているわけですね。

最初はすごくびっくりしたんですけど、その集団の中にいたら、自分もそっちの価値観になっていきました。「労働は苦役なり」「就職は人生の墓場」ではなくなったんです。

そこで結果として、自分の人生の価値が100倍くらいに大きくなったなと思っています。だから出会いに感謝しているんですけれども、これって僕自身の「就労観」が変わったということですよね。

日本全体の「就労観」を変えていくために

水谷:仕事を一生懸命やってがんばって、やりがいを持って、成功したら超おもしろいという、この「就労観」。強制はできないので押し付けるつもりはないんですが、日本全体の「就労観」としては、ちょっとこっちに寄って来てくれないかなと思っていて(笑)。

その支援ができればいいなと思って、ベンチャー支援をたくさんしています。(弊社の事業ミッションは)「Innovate Working Spirits!」です。「就労観」を変えていきたいという思いは、この20代の時の経験からできています。

――ありがとうございます。ベンチャー企業で働くにあたって、今の前向きな「就労観」のお話はとても大切な視点だと感じます。

ベンチャー企業へ転職する人も増えていますし、国としてもベンチャー・スタートアップを支援する動きが活発になっているので、ぜひ読者のみなさんにも自分の「曖昧耐性」と向き合いながらチャレンジしていただきたいなと思いました。水谷さん、改めて本日はありがとうございました。

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